濱野京子のレビュー一覧
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優しい話に心温まる感いっぱい。
さいごまで誠実で一生懸命な主人公とそれをフォローする同僚(?)の存在との距離感が清潔でいいな、と思いました。
死人の言い残した言葉を思い残した人に伝えるという「ことづてや」。その発想がなんといってもユニークで惹かれるものがあります。
亡くなった人が「こちらの世界」の人に伝えることは、
あるときは恨みや嘆きであったり、あるいは感謝は愛なのですが、それを受け止める生きている人にこそ勇気を与えるんだということが全編を通じて描かれていました。
私も両親のあちらからの言葉、聞きたいな、、、なんて思いながら、涙ぐんだり、あるいはちょっと元気になったりしました。。。素敵な本の -
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突然見知らぬ女性が訪ねて来て故人からの伝言があるという。
しかもそれが、亡くなった後に受け取った伝言だと言われたら。
これはもう、100%あやしい人か危ない人に認定される事間違いなしだ。
主人公の津多恵は、今は亡き母から父への伝言が聞こえた事をきっかけに死者の伝言を届けるという困難な仕事に携わるを得なくなる。
しかも、津多恵が人一倍引っ込み思案で、極度の方向音痴ときているものだから、読んでいる方がハラハラさせられることこの上ない。
でも、彼女から伝言を受け取ったことから、恵介という美容師も助けてくれるようになり、様々な人と会いその悲しみやわだかまりを和らげるという結果を得ることにより、彼女もま -
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中高生の繊細な時期を描いた短編小説集。
アンソロジーなので著者は異なるが、小中高校生にも読みやすいようにシンプルな文体で構成されている。
部活や恋愛など甘酸っぱく爽やかな思春期らしい話もありながら、最後の話「リーシュコード」はなかなかに重い。
繊細な年頃ならではの闇や、個人である前に大人―主に家族によって人生を変えられていく様が描かれている。
個人的には「時限の友」という物語が強烈だった。消滅性人格転換の障害を持つ友人と主人公の話で、記憶を忘れていく友と何度も友になる主人公の真摯な姿勢が、素敵だとかで済ませられない痛々しさを伴い、とにかく切ない。その姿は、人生の美しさと儚さと理不尽さを凝縮させ -
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大国アインスに併合された亡国トールの元王子(死んだと思われいる)であるハジュンは10年ぶりに密かに故郷へと帰ってきた。そこで幼馴染のマーリィと再会するが、仇であるアインスの王子・カリオルが彼女に想いを寄せていることを知る。一方、死んだと思われていたハジュン王子が生きていることを知ったトールの将が国復興の旗印にしようと接近してくることに・・・
恋愛要素が強いけど、それだけでなく国の再興をめざすという緊迫した状況もあってハラハラドキドキしました!
ハジュンが望まなくても、王子だというだけで担ぎ出す武将たちにイライラもしたけど・・・(-_-;)
ヤキモキしたのはハジュンとマーリィの関係!早く気づけ -
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ネタバレ八木原朋花(やぎはらともか)、中2。家にいるとイライラするから・・・と、自転車を走らせていたら、意外な組み合わせの同級生と出会う。
優等生の沢田美咲、ちょっと不良っぽい村元玲奈、その腰巾着かパシリのように見える小塚玖美。しかもこの三人、ダブルダッチというスポーの縄跳びをやっていたのだ。
そして、とてもかっこいい。玲奈や美咲の美しいジャンプや、玖美のターナー(縄をまわす役)の腕のすごさ。朋花は三人の練習に 加わるようになった。
ダブルダッチを通して変わって行く朋花。
優等生で大好きだった兄が、突然の家出をしてしまい、以来、両親との関係もぎくしゃくしたまま、イライラをつのらせる朋花だったが、
三