濱野京子のレビュー一覧
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中学三年生の宙(ヒロ)、美森、紗奈は、母子家庭で、それぞれ母親に感謝しつつ複雑な気持ちを抱いている。クラスでは地味なグループとしてなんとなく一緒にいるようになるが、互いのことを知っていくうちに、かけがえのない友人だと思うようになる。
三人の母親たちがそれぞれに格好いい。男社会で生きるしんどさをはねのける強さやしなやかさがある。
ソフトなミソジニスト、マンスプレイニング、など印象的な言葉が使われているが、攻撃的な物語ではない。
中高生の男子にも女子にも広く読まれてほしい物語だ。作中、ある絵に対する意見を相手の人間性を図る物差しにするエピソードがあるが、この物語を読んだ感想もその人の人間性を -
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ネタバレ«「向くこと」と「やりたいこと」に向き合う»
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「ボートって楽しそう!」
主人公の飯塚有里が高校に入って何の気なしに始めたボートの面白さに惹かれ始め、仲間と共にボート競技に打ち込んでいく姿を描いたこちらのお話。
有里の心情だけでなく、水の音やボートを漕ぐ感覚までもが伝わって来そうなほど臨場感のある描写が魅力的なこちらのお話を初めて読んだ時、私はボートの魅力に惹かれ、面白そうだな、自分もやってみたいなと胸を高鳴らせた記憶があります。
しかし今回あらためて読み返した時、それ以上に印象に残ったのは、「時間の使い方」や「挫折、そして向いていないことへの向き合い方」でした。