濱野京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ両親が整骨院を営んでいながら、跡を継ぐつもりは全くなかった春哉。全く違う道を選んだあと、遠回りして柔道整復師となり、知り合いの整骨院で働き始める。そして、身体の不調がある子どもたちと関わっていくなかで、春哉自身も成長していく。
仕事小説とうたわれているけれど、ちょっと違う感じがする。仕事を通して接する子どもたちのこと、そして彼らとのやり取りを通しての春哉自身の成長が描かれている。仕事を通した関わりから逸脱しない範囲での子どもたちへのまなざしが温かい。
実際、子どもたちの事情を垣間見ても、治療以外の面で主人公たちにできることは限られていて、そこからほとんど踏み出していない。子どもたちが自分で一 -
Posted by ブクログ
YA向けの小説だから、さくさくと読めるけれど、中身は大事なことで詰まっている。
直前に読み終えた『11ミリのふたつ星』を思い出しながら読んでいた。
主人公が、医療従事者であること。不器用な新人だけど、真面目に人と向き合うことを大切にしていること。子どもとの関わりを描いていること。
共通点がいくつもあった。
こちらの方がやさしい表現で、ひらがなも多く書かれているので、本が苦手な人や子どもにおすすめするなら、こちらかな。
柔道整復師という仕事を初めて知った。この世には知らない仕事がたくさんあるなぁと思う。
こうして本を通して、知らない世界を垣間見ることができるのが、私が読書を楽しめる要素のひとつ -
Posted by ブクログ
ネタバレコロナになった世界を書籍で見るのは初めてだったから時事ネタがはいるよりもよりリアルでした。
物語としてはひたすら学校の中の日常のお話。コロナ禍で行動が制限されることが多い学校生活に黒板アートでいろいろな生徒の心境が少しずつ変わっていくのを描いた物語であります。
私がとても共感したのは、主人公の少年の絶妙な潔癖加減。距離が近いだの、不織布のマスクではないだの、手洗いはもちろんマスクの交換とか、他人のマスクの付け方とか、それを潔癖の純度が違う人に理解されない辛さとか。おそらくコロナ禍になってそういう人ってすごく増えたと思うし、自分もその部類だと思っているから、主人公に親近感が沸きました。
こ