あらすじ
――わたしたちの性格は似てないし、母同士も似ていない。でも、それぞれの母親から受け取ったメッセージは、人生は楽ではない、ということなのかも。
15歳の宙と紗奈、美森は修学旅行でおこったある事件をきっかけに、いっしょにすごすことが多くなった。見た目も性格も似ていない3人だけど、母親とふたり暮らしという共通点があった。娘たちの性格が似ていないのと同じように、母同士も似ていない。はじめは仲の良い友だちとはいえなかった3人は、ともに過ごすうちに、お互いのことをじょじょに知るようになって……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
中学三年生の宙(ヒロ)、美森、紗奈は、母子家庭で、それぞれ母親に感謝しつつ複雑な気持ちを抱いている。クラスでは地味なグループとしてなんとなく一緒にいるようになるが、互いのことを知っていくうちに、かけがえのない友人だと思うようになる。
三人の母親たちがそれぞれに格好いい。男社会で生きるしんどさをはねのける強さやしなやかさがある。
ソフトなミソジニスト、マンスプレイニング、など印象的な言葉が使われているが、攻撃的な物語ではない。
中高生の男子にも女子にも広く読まれてほしい物語だ。作中、ある絵に対する意見を相手の人間性を図る物差しにするエピソードがあるが、この物語を読んだ感想もその人の人間性を図る物差しの一つになると思う。
Posted by ブクログ
修学旅行をきっかけに何となく仲良くなった3人の半年間。
3人それぞれの一人称で話(恋バナ皆無で)は進む。
主に母親との関係や思いが語られる。
この物語に流れるのはジェンダー問題…男らしさとか女らしさとかの勘違いや無意識の差別など。
この著者はだいたいいつもテーマがはっきりしている。読書感想文におすすめの作家なのだと今更ながら気がついた。