佐伯啓思のレビュー一覧

  • 自由と民主主義をもうやめる

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    ネタバレ

    2回目に突入です。
    一回めで私の至らなさに凹んでしまう・・・。

    おかしいな・・こんな題名の書籍は記憶にないのだ・・・
    やはりない・・書棚と照合して結論を得る。
    まいっか・・・買おうか・・
    ん?いつもより読みやすいよね・・嗚呼そうか講演録なんだ・・
    ふーん・・・・正論賞受賞記念のか・・そいえばあったな。
    頭悪い俺ちゃんにはちょうどいいのかもしれない・・・
    2回目じゃなかったね・・・良かった惚けておらんわけだ

    そんな感じに読み進めました。

    読み終えた後。自分のような阿呆でも佐伯先生のお話
    を聞いてフンフンと首肯できるくらいには届いたのでしょうか
    お願い神様。もうちょっと賢くならんかな?

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    2018年06月05日
  • 反・幸福論

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    新潮45への連載したエッセイという事で一つ一つのテーマは気を引く仕立てになっているが、中々頭に残らない。幸せとは何か、という事については、この本を読むよりは自らの価値観を改めて見つめ直す方がよっぽど有意義かもしれないし、その自分自身の価値観のフィルターがあるから、すんなり頭に入らないのかも。

    幸福とはなんだろうか。感覚で実感する幸福感などは、所詮、言葉で定義すべきことではないのかも知れない。

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    2018年03月03日
  • ケインズの予言 幻想のグローバル資本主義(下)

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    「集団心理」「市場の心理」「アニマル・スピリット」「自由=責任」


    投資家、経営者、労働者

    変動する株価:変動する資産・負債
    変動する為替:変動する材料費・燃料費
    固定化された賃金
    固定化された商品価格と変動する商品価格

    一国では制御しきれないグローバル資本。
    資本の海外への流出(投資)、海外資本の引き上げ、海外ファンドの短期投機のなかで、企業側の長期での回収を見込んだ設備や雇用増加などの投資の難しさ。

    豊かさゆえにモノを持たない、または、どうしてもコレが欲しいと願うことの減少、高齢化と人口減少傾向での絶対的消費量の減少。
    過剰な生産能力、貿易摩擦での輸出量の頭打ち。
    豊かさゆえに消費

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    2017年09月07日
  • 反・民主主義論

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    「民主主義」の本来の意味と数々の抗議活動において使われる「民主主義」の意味は、確かにずれているのかもしれない。
    とはいえ、実際に行動で表現することは、民主主義のあるべき姿とは別に尊重されるべきものなのではないかとも思う。

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    2016年11月12日
  • 自由とは何か 「自己責任論」から「理由なき殺人」まで

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    自由とは何かを考える時、どうして人を殺してはいけないのかという問いに行き着く。このテーマをタイトルにした著書(小浜逸郎氏の著作で、対象読者は佐伯先生より若齢か)も読んだが答えはない。偶々、この著書でも取り上げられた少年Aの絶歌を読む機会があったので、その時に、やはり思考の整理をしておこうと思った。つまり、人を殺してはいけないとする命題に捉われず、人がしてはいけない行為全般を考るというアプローチを取ろうと考えたのだ。かつ、殺人の場合は、そこに死の不可逆性が加わる。レイプや盗難、単純な厭がらせだって、人はしてはいけないのだ。私の理解では、これらはある種の双務事項に過ぎず、結果の不可逆性は罰の程度考

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    2016年10月07日
  • 正義の偽装

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    佐伯先生の語り口や切り口は面白い。本著もキャッチーなポイントから民主主義について論理的解説を試み、そういう考えもあるか、という着想を多く与えてくれる。残念なのは、テーマ一つ一つの掘り下げが深まる前に、話が進行してしまう事。新潮45への寄稿を纏めたものとの事で、その点は仕方ないのか、テレビショーの感。

    山本七平が言っていた民衆を操作する空気について、民主主義における民意について。日本国憲法の有効性。石原慎太郎の考察、などなど。面白テーマずらり。雑誌寄りか、と思えば合点がいくのだが勿体無い。それなりに、である。

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    2016年09月22日
  • 西田幾多郎―無私の思想と日本人―

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    西田幾多郎の評伝あるいは西田哲学の入門書というよりは、西田幾多郎(西田哲学)を絡めて著者の自論を開陳したエッセーという感じ。著者の独善的な考えに過ぎないのではないかという部分も散見された。特に「第五章 特攻精神と自死について」は読んでいて不快になった。しかし、「於いてある場所」の説明は非常に飲み込みやすかった。

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    2016年07月22日
  • 自由と民主主義をもうやめる

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    自由は放縦、国民に良識がなければ民意も正しいとはいえない。価値と切り離せない。国の育んできた価値を大事にしようというのが保守の精神。戦後日本では、受け継がれてきた価値が何か、よくわからなくなってきている。

    自由と民主主義、という言葉に対して、無条件に良いものとして思考停止になっていたことに気付かされました。

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    2016年10月09日
  • 日本の愛国心 : 序説的考察

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    「愛国心について書くことは難しい」 ではじまる序論、西洋発のナショナリズム論では捉えきれない 「日本の愛国心」 という問題を、「日本の精神」という磁場において考察したものです。
    高度成長に入った時期から消えていった 「国家意識の喪失」 から説き始め、近代国家の論理を検証し、日本の愛国心の 「負い目」 に触れ、日本人の歴史観、歴史意識に辿り着く。議論は端緒についたばかり、『惰性的な状況判断』 など、私には理解できない言葉もあり、もう一度ゆっくり読み直してみたいです。
    まず、今日の日本における 「愛国心」 に関する議論を検討し、それを戦後日本のナショナリズムや愛国心という、より広いコンテキストにお

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    2016年02月25日
  • 日本という「価値」

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    今日の日本の閉塞感の根本には、戦後の平和と経済的繁栄のために受け入れた西洋近代文明の「限界」があり、今こそ「日本的価値観」が必要であると説く。小泉構造改革やIT革命に対する一方的評価には賛同しかねるが、文明論の切り口は納得感が高い。

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    2015年06月08日
  • 西田幾多郎―無私の思想と日本人―

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    西田哲学は、無の哲学と呼ばれている。彼の人生上の苦難や悲哀と無関係でない。キリスト教で言う絶対者は、仏教的には本質的には「無」となる。
    過去の思い出なくして我というものは、ない
    裏と表の社会 天武天皇が「日本書紀」(表)を編線させたときに同時に「古事記」(裏)も同時に編線された。裏である出雲の国譲りがなければヤマト王権による国の統一はなかった。
    我々日本人の中に敗北してゆくもの、西郷隆盛・源義経・後醍醐天皇・楠正成など、貶められた者への深い共感をもっている。一方で西洋の「勝つこと」を目指し、他方で時代に取り残された去るものへの愛着が抑えがたくある。
    「哲学は悲哀から始まる」自分の経験に発し経験

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    2015年05月25日
  • 西田幾多郎―無私の思想と日本人―

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    ネタバレ

    西田幾多郎の哲学入門書というより、それを下敷きにして、これからの大学教育が直面する問題について思考したエッセイという感じ。

    なので、このタイトルは、いささか内容とそぐわない。いささか期待はずれ。
    途中で読むのをやめた。

    国際力教育から大学の自治を守ろう、という意味あいで、西田や小林秀雄やらを引用したかったのだろうが。
    まず、この著者のようなただの西洋哲学の解説者でしかない学者たちが、学生に生きる為の哲学を教えなかったせいで、大学の意義が問われていることに向き合ってほしいものだ。

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    2015年04月25日
  • 西田幾多郎―無私の思想と日本人―

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    著者が西田幾多郎の言説を用いてエッセイを書き、各章を緩やかに連接した新書。西田を本格的に読む前に雰囲気を感じようと読み始めた。当初の目標どおり独特の言い回しや語句をごくわずかだが、知ることができた。佐伯が今日の大学に身を置く中で持つ問題を彼なりに解決し、スパイスとして西田を適宜引く。始終このリズムで進む。本書は西田幾多郎の入門的な本ではないが、本書の読者は、いつかその世界に踏み出そうとするだろう。

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    2015年02月24日
  • 「市民」とは誰か 戦後民主主義を問いなおす

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    西洋における「市民」という概念の歴史をたどることで、日本の戦後民主主義が理解する「市民」概念の歪みを明らかにした本です。

    戦後民主主義の中で、マルクス主義に基づく進歩史観が広く受け入れられ、「市民」という概念は共同体や国家からの解放された自由な主体を意味する言葉として受け止められてきました。そうした考え方は、私的な権利を主張し保護を要求する放埓な人びとを生み出してきました。

    しかし、西洋の歴史の中で「市民」という概念は、ギリシア時代のポリス以来の伝統を持っており、自分たちの共同社会を守るために戦う義務を負う者として考えられてきたと、著者は論じます。共同体を防衛することがみずからの生命や財産

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    2015年05月28日
  • 「欲望」と資本主義 終りなき拡張の論理

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    資本主義と、それを動かす動力である「欲望」について論じた本です。

    「市場経済」という観念とその基礎にある「自由」の観念は、個人主義や自由主義、デモクラシーといった西欧の価値観と深く結びついています。しかし、資本主義の中から現われ出た「産業主義」は、むしろ西欧の社会を支える骨格に対する挑戦とみなされると著者は言います。

    著者は、ヨーロッパに資本主義が生まれた歴史的経緯について考察をおこない、ヨーロッパの外にある文明への「欲望」が、資本主義を動かしてきたと論じています。しかし、資本主義の「外」が容易には見いだせなくなり、さらに大衆の顕示的消費さえもが魅力を薄めつつある現在、人びとは改めて、資本

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    2015年05月28日
  • 正義の偽装

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    世の中のふやけた正義の味方の皆さんを斬る本、かと勝手に想像していたら、そうでもなかった。民主主義という正義が本当に機能しているのか。そもそも民主主義はいいものなのか。そういう話。「民意」を「ミンイ」と書くことで、この本の言いたいことはかなり表せるのではないかと思う。「日本」を「ニッポン」と書くと急にわかったようなわからないようなナショナリズムが喚起されるのと同じだ。「専門家」への依存や不信も社会の不正義を助長しているが、そもそもexpertのpertとは、「小生意気な」とか「でしゃばり」、つまりexにpertするとは「外へ向かってしゃしゃりでる小生意気な者」だと。言われてみれば、本当にその腕や

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    2014年04月06日
  • 日本の宿命

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    グローバル競争の中で日本経済は大停滞から抜け出すことができず、仕事も不安定で、将来への見通しも立たない。誰もが殺伐としたものを感じている。大衆の不満や不安は、毒には毒をもって制する指導者、橋下氏を求めた。橋下現象を支えているのは薄く広く引き延ばされたルサンティマン。敵対者を悪者にしたてあげ大衆の不満の矛先と仕向ける。橋下氏を強引で自己中心的でとんでもないという人もいるが、残念ながら筋違い。我々が問題とすべきは橋下現象を生み出してしまうこの日本社会の現状そのもの。ネットなるものをほとんど見ない、橋下氏を全く知らないという著者が橋下現象の核心を突く。2章以降、総理の品格、独立論など、興味をそそるコ

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    2014年03月09日
  • 現代文明論講義 ――ニヒリズムをめぐる京大生との対話

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    現代はニーチェのニヒリズムに陥っている。
    生命をかけるほど大切なものはない。反面、平和な時代では生命の大切さは省みられない。

    憲法とは
    国防とは

    こんな事を考える材料を与えてくれる本。

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    2014年01月24日
  • 自由と民主主義をもうやめる

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    愛国心≠ナショナリズム
    国=国民or国家
    保守主義=伝統を大切にし、革新とのバランスを図ろうとする考え。


    戦後日本は戦前の価値観を否定し、日本の文化を軽視し、アメリカの文化を迎合してきた。
    アメリカに留学して学んだ経済はアメリカに適したものであって、異なる土壌である日本にそのまんま取り入れる事は誤り。
    日本の仕組みを全否定し、アメリカのやり方が正しいと盲信することは危険。
    日本の歴史、文化とは?

    筆者の「義」という考え方には疑問だけれど、こういうことについて考えるきっかけを与えてくれた。
    読んで良かった。

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    2014年01月24日
  • 「欲望」と資本主義 終りなき拡張の論理

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    ネタバレ

    資本主義とは何なのか?がこの本の主題。そしてこの本でいう資本主義は一般的な使い方と若干違うようなので注意が必要。市場経済とセットとは考えない。
     社会主義も市場経済は導入していたが競争がなく、失敗をチェックする仕組みがない。消費者が存在しないことが失敗の原因だという。
     資本主義は大きく分けてアジア等外側に欲望が向いていた産業革命周辺の時代、理想のアメリカ人像を求めた1880年代終盤から1900年代初期。欲望がメディア、広告によって人々の刹那的になり絶えず移り変わる現代(1980年代から1990年代)と分けられるとしている。すこし昔に書かれた本だが現代からを見てもまだまだ欲望に取りつかれていて

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    2013年11月16日