佐伯啓思のレビュー一覧
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ネタバレ2回目に突入です。
一回めで私の至らなさに凹んでしまう・・・。
おかしいな・・こんな題名の書籍は記憶にないのだ・・・
やはりない・・書棚と照合して結論を得る。
まいっか・・・買おうか・・
ん?いつもより読みやすいよね・・嗚呼そうか講演録なんだ・・
ふーん・・・・正論賞受賞記念のか・・そいえばあったな。
頭悪い俺ちゃんにはちょうどいいのかもしれない・・・
2回目じゃなかったね・・・良かった惚けておらんわけだ
そんな感じに読み進めました。
読み終えた後。自分のような阿呆でも佐伯先生のお話
を聞いてフンフンと首肯できるくらいには届いたのでしょうか
お願い神様。もうちょっと賢くならんかな? -
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「集団心理」「市場の心理」「アニマル・スピリット」「自由=責任」
投資家、経営者、労働者
変動する株価:変動する資産・負債
変動する為替:変動する材料費・燃料費
固定化された賃金
固定化された商品価格と変動する商品価格
一国では制御しきれないグローバル資本。
資本の海外への流出(投資)、海外資本の引き上げ、海外ファンドの短期投機のなかで、企業側の長期での回収を見込んだ設備や雇用増加などの投資の難しさ。
豊かさゆえにモノを持たない、または、どうしてもコレが欲しいと願うことの減少、高齢化と人口減少傾向での絶対的消費量の減少。
過剰な生産能力、貿易摩擦での輸出量の頭打ち。
豊かさゆえに消費 -
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自由とは何かを考える時、どうして人を殺してはいけないのかという問いに行き着く。このテーマをタイトルにした著書(小浜逸郎氏の著作で、対象読者は佐伯先生より若齢か)も読んだが答えはない。偶々、この著書でも取り上げられた少年Aの絶歌を読む機会があったので、その時に、やはり思考の整理をしておこうと思った。つまり、人を殺してはいけないとする命題に捉われず、人がしてはいけない行為全般を考るというアプローチを取ろうと考えたのだ。かつ、殺人の場合は、そこに死の不可逆性が加わる。レイプや盗難、単純な厭がらせだって、人はしてはいけないのだ。私の理解では、これらはある種の双務事項に過ぎず、結果の不可逆性は罰の程度考
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「愛国心について書くことは難しい」 ではじまる序論、西洋発のナショナリズム論では捉えきれない 「日本の愛国心」 という問題を、「日本の精神」という磁場において考察したものです。
高度成長に入った時期から消えていった 「国家意識の喪失」 から説き始め、近代国家の論理を検証し、日本の愛国心の 「負い目」 に触れ、日本人の歴史観、歴史意識に辿り着く。議論は端緒についたばかり、『惰性的な状況判断』 など、私には理解できない言葉もあり、もう一度ゆっくり読み直してみたいです。
まず、今日の日本における 「愛国心」 に関する議論を検討し、それを戦後日本のナショナリズムや愛国心という、より広いコンテキストにお -
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西田哲学は、無の哲学と呼ばれている。彼の人生上の苦難や悲哀と無関係でない。キリスト教で言う絶対者は、仏教的には本質的には「無」となる。
過去の思い出なくして我というものは、ない
裏と表の社会 天武天皇が「日本書紀」(表)を編線させたときに同時に「古事記」(裏)も同時に編線された。裏である出雲の国譲りがなければヤマト王権による国の統一はなかった。
我々日本人の中に敗北してゆくもの、西郷隆盛・源義経・後醍醐天皇・楠正成など、貶められた者への深い共感をもっている。一方で西洋の「勝つこと」を目指し、他方で時代に取り残された去るものへの愛着が抑えがたくある。
「哲学は悲哀から始まる」自分の経験に発し経験 -
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西洋における「市民」という概念の歴史をたどることで、日本の戦後民主主義が理解する「市民」概念の歪みを明らかにした本です。
戦後民主主義の中で、マルクス主義に基づく進歩史観が広く受け入れられ、「市民」という概念は共同体や国家からの解放された自由な主体を意味する言葉として受け止められてきました。そうした考え方は、私的な権利を主張し保護を要求する放埓な人びとを生み出してきました。
しかし、西洋の歴史の中で「市民」という概念は、ギリシア時代のポリス以来の伝統を持っており、自分たちの共同社会を守るために戦う義務を負う者として考えられてきたと、著者は論じます。共同体を防衛することがみずからの生命や財産 -
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資本主義と、それを動かす動力である「欲望」について論じた本です。
「市場経済」という観念とその基礎にある「自由」の観念は、個人主義や自由主義、デモクラシーといった西欧の価値観と深く結びついています。しかし、資本主義の中から現われ出た「産業主義」は、むしろ西欧の社会を支える骨格に対する挑戦とみなされると著者は言います。
著者は、ヨーロッパに資本主義が生まれた歴史的経緯について考察をおこない、ヨーロッパの外にある文明への「欲望」が、資本主義を動かしてきたと論じています。しかし、資本主義の「外」が容易には見いだせなくなり、さらに大衆の顕示的消費さえもが魅力を薄めつつある現在、人びとは改めて、資本 -
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世の中のふやけた正義の味方の皆さんを斬る本、かと勝手に想像していたら、そうでもなかった。民主主義という正義が本当に機能しているのか。そもそも民主主義はいいものなのか。そういう話。「民意」を「ミンイ」と書くことで、この本の言いたいことはかなり表せるのではないかと思う。「日本」を「ニッポン」と書くと急にわかったようなわからないようなナショナリズムが喚起されるのと同じだ。「専門家」への依存や不信も社会の不正義を助長しているが、そもそもexpertのpertとは、「小生意気な」とか「でしゃばり」、つまりexにpertするとは「外へ向かってしゃしゃりでる小生意気な者」だと。言われてみれば、本当にその腕や
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グローバル競争の中で日本経済は大停滞から抜け出すことができず、仕事も不安定で、将来への見通しも立たない。誰もが殺伐としたものを感じている。大衆の不満や不安は、毒には毒をもって制する指導者、橋下氏を求めた。橋下現象を支えているのは薄く広く引き延ばされたルサンティマン。敵対者を悪者にしたてあげ大衆の不満の矛先と仕向ける。橋下氏を強引で自己中心的でとんでもないという人もいるが、残念ながら筋違い。我々が問題とすべきは橋下現象を生み出してしまうこの日本社会の現状そのもの。ネットなるものをほとんど見ない、橋下氏を全く知らないという著者が橋下現象の核心を突く。2章以降、総理の品格、独立論など、興味をそそるコ
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ネタバレ資本主義とは何なのか?がこの本の主題。そしてこの本でいう資本主義は一般的な使い方と若干違うようなので注意が必要。市場経済とセットとは考えない。
社会主義も市場経済は導入していたが競争がなく、失敗をチェックする仕組みがない。消費者が存在しないことが失敗の原因だという。
資本主義は大きく分けてアジア等外側に欲望が向いていた産業革命周辺の時代、理想のアメリカ人像を求めた1880年代終盤から1900年代初期。欲望がメディア、広告によって人々の刹那的になり絶えず移り変わる現代(1980年代から1990年代)と分けられるとしている。すこし昔に書かれた本だが現代からを見てもまだまだ欲望に取りつかれていて