あらすじ
「民主主義を守れ」と叫ぶ人がいる。「憲法を守れ」と怒る人がいる。だが、われわれは「民主主義」「憲法」を本当に考えてきたのか。それらを疑うことをタブーとし、思考停止を続けてきただけではないのか。戦後70年で露呈したのは「憲法」「平和」「国民主権」を正義とする民主主義の欺瞞と醜態だった――安保法制、無差別テロ、トランプ現象……直近の出来事から稀代の思想家が本質を鋭く衝く。知的刺激に満ちた本格論考。
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Posted by ブクログ
佐伯啓思先生による時事評論になります。5冊目?くらい?
その折々に感じ入る視点と表出される選び抜いた氏の言葉は
やはり自分たち凡俗の者等にとっては「ちょっと高め。
だけれど背丈と手を伸ばせば届くかも」そう感じさせる内容です。
阿呆な自分は読み返す必要も当然あるわけですが。
そういう辺り、読み手の好奇心と渇望を満たしていただける
そんな文章文体だと思います。
要は佐伯先生が一般向けに落としてくださっているわけです。
難しいことを解りやすい形で述べておられるのは才の成せる
教養故でしょう。阿呆は阿呆なりに理解して居ります。
Posted by ブクログ
西欧発の、観念・価値観「民主主義」なるものを明治以来日本社会は、一応、その姿を追いながら、国家としてのあるべき理想を求め歩んできたようだ。
だが、われわれは、民主主義あるいは、その根底を支えるとされている憲法について真剣に考えてきたのだろうか?
佐伯氏は、戦後70年で露呈したのは「憲法」「平和」「国民主権」を正義とするのは欺瞞と醜態だったと喝破する。
安保体制、無差別テロ、トランプ現象、直近の出来事から佐伯氏が本質を鋭く衝いたものであり、知的刺激に満ちた本格論考でありました。
内容ですが、
第1章 日本を滅ぼす「異形の民主主義」
第2章 「実体なき空気」に支配される日本
第3章 「戦後70年・安倍談話」の真意と
「戦後レジーム」
第4章 摩訶不思議な日本国憲法
第5章 「民主主義」の誕生と歴史を知る
第6章 グローバル文明が生み出す野蛮な無差別テロ
第7章 少数賢者の「民本主義」と愚民の
「デモクラシー」
第8章 民主主義政治に抗える「文學」
第9章 エマニュエル・トッドは何を炙り出したのか
第10章 トランプ現象は民主主義そのもの
ということです。
私的な読書との関係ですが、「昭和の三傑」「東京裁判」
「シャルリとは誰か」について、佐伯氏の考え方、特に「シャルリとは誰か」はギブアップしたのですが、トッドさんが何を書いたのかよく解りました。
いつも、佐伯氏の脳みそのフィルタリングで助かっております(笑)。