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資本主義をもうやめてみたら……。経済成長と物質的豊かさ、世界での地位を追求してきた戦後の日本は、なぜ、こんな奇妙な社会になったのか。「“価格破壊”と“消費者絶対主義”の大罪」「地方創生で失われるもの」「朝日新聞の歪んだ戦後認識」「トマ・ピケティと福沢諭吉が示す禍福」「ITと金融がもたらす人間破壊」……稀代の思想家が、日々のニュースの本質を鋭く衝き、資本主義の限界と醜態を、次々と浮かび上がらせる。
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Posted by ブクログ
以前小林よしのり氏が「自民党は保守じゃない」と言って、公然と自民党批判を展開しておられました。その時はどういうことかよく分かっていなかったのですが、今回本書を読んで、なんとなく分かったような気がします。小林よしのり氏と佐伯啓思氏を同列に並べるなとおこられる気もしますが。
佐伯先生「渾身の」時事評論です。 反・不幸論から続いてます。4作目?くらいです。 時事のひとつひとつに深い解釈を充てていらっしゃいます。
月刊「新潮45」連載の「反・幸福論」の5冊目の新書である。 第6章 福沢諭吉から考える「独立と文明」 第7章 トマ・ピケティ『21世紀の資本』を読む 第8章 アメリカ経済学の傲慢 第9章 資本主義の行き着く先 第10章 「がまん」できない社会が人間を破壊する が印象的でした。 佐伯氏がよく言う、「...続きを読むパースペクティブ」でもって彼が終始一貫して主張してきた現象が経済社会で生じている。 そして、その指摘した現象をアメリカの学者が本を出している。ポール・ロバーツの『「衝動」に支配される世界』読んでみようと思います。 また、ピケティを読まずとも、佐伯先生が、概略を説明してくれている。 助かります(笑)。
これまでのキーワードがグローバリズム,競争力,成長追求だったが,"資本は利益をあげているけれど,資本主義社会は決して成長していない"(p183)は,まさに現状を言い表している.価格破壊が雇用破壊になり,さらには人間破壊につながるという説はその通りだ.価値の転換が必要だと強調してい...続きを読むるが,今の政治は未だに成長を模索している,できるはずはないのに...
各章が(ほぼ)独立しているので、別々に読んでも支障ない書籍。 個人的にはピケティのテーゼの解説、つまり、資本主義は成長していない、成長した時期は戦後30年程度でそれは戦後復興によるもの、まして況んや市場原理主義以降の成長率は年率1~2%程度の低成長が続いている、というのが目をひきました。 働けど働...続きを読むけど・・・と言った状況をデータで示してくれたと思います。 あとは、欲望の話。 忘れかけていた『欲望と資本主義』を思い出す内容で、かつそれを補足するようなことが書かれていてよかったです。 全体を通して、ポスト資本主義の人々の立脚点を、無宗教の日本で作ろうとしている力作だと思います。
資本主義を考え直す切り口を幾つか提起してくれている。資本主義が万能ではない事は、肌感覚で理解しているつもりだが、より良い制度は中々具体的に提案できるものではない。更に、トマピケティが言うような格差が拡大したからと言って、それは程度問題であり、競争原理を基礎とするからには、課税方式を工夫しない限り、資...続きを読む本主義=勝敗を決する仕組みというのは自明である。問題は、イノベーションの成熟を遂げた瞬間、その産業は拡大性を失い単純労働に陥る。単純化されれば、価格競争に陥り、労働生産性が低下。生産物は必要なのだが。実は今、日本社会の至る所でこのジレンマに陥り、イノベーションの限界を認める勇気がない事から研究開発部門を残し、そこも無理矢理仕事をしなければならないものだから、不必要な機能をつけた製品が溢れかえったり、国際的な競争力を失いつつある。日本の強さは、こうした技術力の成長段階において、真面目に仕事をしてきた国民性だが、真面目さが仇になるかも知れない。難しいテーマだ。
経済学、哲学、社会学などの見地から今の日本、世界の情勢を切ります。 ピケティなど最新のワードも登場します。 結局、経済成長は、第二次世界大戦の復興、ということにしが過ぎず、その30年を除いて一貫して資本は増殖し続け、格差は広がっている、とします。 経済税調をもたらすような新しく斬新なイノ...続きを読むベーションはもう望むべくもない。 グーグルやFacebookは新しい価値を提供したが雇用という意味ではほとんど貢献していない。 今、技術が向かっている先は「我慢しなくてもよい世界」。そこがいくら開拓されても付加価値はなかなかついてこない。それができたから、といってそのあとの世界が成長し続けられるような力強い革新ではない。 2020.8.18 再読 日本はいまだ成長神話にとらわれている。成長は必要か。 経済学はアメリカでは数学になってしまった。それは正しい姿だろうか。
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