神なき時代の「終末論」 現代文明の深層にあるもの

神なき時代の「終末論」 現代文明の深層にあるもの

999円 (税込)

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4.3

しばしばフランス革命は、「自由主義」「社会主義」「保守主義」の三つの思想を生みだしたといわれるが、「保守主義」を欧州に残して、「自由主義」はアメリカへ、「社会主義」はソ連へ引き継がれたと見なしてよいだろう。この両国はその後それらのイデオロギーを世界に普及させることを目指すのだが、そうした志向の根底には『旧約聖書』の終末論が潜んでいた。『旧約聖書』によると、歴史の最終局面では世界は破滅し、その前(後という説もある)に至福のユートピアを迎える。この終末論に基づく歴史観が、「神」が姿を見せない現代においてもアメリカ・ロシアを突き動かしているのだ。本書では文明論の第一人者が、歴史の深部にある『旧約聖書』の影響力、さらには文明の「根源感情」を論じ、現代を捉え直す。巻末には『人新世の「資本論」』の著者斎藤幸平氏との「保守×左派」対談も収録。「どうして日本人はこんなにも資本主義が好きなのか」という問いや、マルクスについての疑問、資本主義に対して半身で構えるための「コモン」などについての議論を展開する。 ●承認欲求がやがて対等願望に ●ユダヤ教の「他民族への優越」が受け継がれた ●歴史の四層の構造 ●「市民的資本主義」と「ユダヤ的資本主義」 ●ヨーロッパの根源感 ●ロシアの「終末への熱狂」 ●支配されるものの知恵――イギリスの保守主義とは

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神なき時代の「終末論」 現代文明の深層にあるもの のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

     ずっと佐伯節を読んで来た私にとっては、一気に読める内容でした。
     現代日本人が日々漫然と受け取る世界の情報と言えば、戦後やむなく組み込まれたアメリカを中心とする西側諸国の価値観に基づく情報だろう。
     余程意識して多面的な情報を入手しようとの心がけがなかったら、一面的で、薄っぺらでステレオタイプの情

    0
    2025年01月02日

    Posted by ブクログ

    最近、飛行機の遅延が多いが何とか旅程をこなしながら、南に北にと移動を繰り返している。本を読むには飛行機の遅延時間が捗る。

    さて、神なき時代の「終末論」というと鎌倉末期の末法思想を思い出したのだが、末法とは仏の教えは残っていても、誰もそれを正しく実践できず、悟りに至れない時代のことで、神にすがりもし

    0
    2025年08月09日

    Posted by ブクログ

    保守の思想家佐伯啓思氏による現代の批評とでもいう感じの本。イスラエルによるガザ侵攻のまえに書かれたようでそのことへの言及がないのが残念ではあるけれど、敷衍して考えることはできる。話はややこしくて、近代・個人・資本主義を明確に打ち出してくる西欧リベラルと、ロシアに代表される土着の文化と結びつきながらも

    0
    2024年08月25日

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