「市民」とは誰か 戦後民主主義を問いなおす

「市民」とは誰か 戦後民主主義を問いなおす

640円 (税込)

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3.7

「市民」のためと銘打つ政党が結成され、また、外国人ジャーナリストによる官僚社会批判が「市民運動」のテキストとしてベストセラーとなる現代日本。そこで描かれるのは、権力を我がものとする官僚VS「市民」が主役の民主主義、という構図である。「市民」が、単なる「都市の住民」であることを超えて、神聖な存在に祭り上げられた思想的背景とは何だったのだろうか? 戦後日本の思想の歪みを鋭く衝いた意欲作。

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「市民」とは誰か 戦後民主主義を問いなおす のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2011年02月15日

    授業で市民についての輪読を行ったので読んでみた。
    西洋の市民という概念を紹介したのち、日本での「市民」概念に迫っている。
    納得なっとく。
    でもだからといって「市民」という呼称はなくならないだろうし、ぼやっとした概念のままだろうと思う。
    そう感じる時点で、今の日本の状況を表しているのかな。

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    Posted by ブクログ 2010年01月02日

    非常に共感するところが多かった。

    読書メモです。
    ---------
    「市民主体のまちづくり」など市民主権を宣言しているまちが多いように思われる。だけど日本で言われている「市民主権」はキレイごとを並べているだけであり、空虚なものであることが述べられている。
     日本で「市民」という言葉が用いられる文...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    耳に心地いいだけの言葉に感じる「胡散臭さ」を足がかりに、日本・欧州の歴史を紐解きながら検証する。筆者の考えに同感するところ大。

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    Posted by ブクログ 2021年01月11日

    市民という言葉から、現代日本のかかえる問題を述べた本。
    1997年の本だが、今でも通用するようなことが書かれている。それはつまり、20年前と今で同じ問題をかかえているとも言える。

    日本で市民と言うと、権力や国家と対になるものと認識されているが、それは戦後社会がマルクス主義的な革命史観の中で作り上げ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年01月07日

    大学生の時に読んだ本。ヨーロッパにおける「市民」と日本における「市民」を比較して述べた本。
    同意できる部分と、同意できない部分があった記憶。大学生だった私にとっては、市民という実態的意味をポリスから遡って考えるきっかけ、そして公と私について考えるきっかけとなった本でした。ただ、少々まわりくどくて読み...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年05月28日

    西洋における「市民」という概念の歴史をたどることで、日本の戦後民主主義が理解する「市民」概念の歪みを明らかにした本です。

    戦後民主主義の中で、マルクス主義に基づく進歩史観が広く受け入れられ、「市民」という概念は共同体や国家からの解放された自由な主体を意味する言葉として受け止められてきました。そうし...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年04月28日

    著者は最近「反幸福論」などで話題を集めているが、基本的に氏の戦後民主主義に対する疑念・懸念に同じような考えを持っている。

     もともとはヨーロッパからの言葉を訳した「市民」が日本においては欧州と異なる定義・意味で使われている。一般に日本では市民は「自由・平等を求め国家からの束縛・義務を回避する民」を...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2011年07月25日

    何というか、無意識のうちに持っていたしこりを解いてくれた本だった。
    「日本人が西欧について表面的な理解しかしていない」確かにそのとおりである。

    市民という言葉しかり、公共という言葉しかり、自らの「勝手な」解釈によって本来の概念が持っていた意味や奥深さに蓋をしてしまった。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2011年04月19日

    [ 内容 ]
    「市民」のためと銘打つ政党が結成され、また、外国人ジャーナリストによる官僚社会批判が「市民運動」のテキストとしてベストセラーとなる現代日本。
    そこで描かれるのは、権力を我がものとする官僚VS.「市民」が主役の民主主義、という構図である。
    「市民」が、単なる「都市の住民」であることを超え...続きを読む

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