月子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分が病んで仕事に行けなくなってしまった時期、これを手に取り読んでボロボロ泣きました。
現在4巻まで読みましたが、患者一人一人の症状の表れ方とか丁寧に描かれているので、優しい絵柄と優しいストーリーではありますが読者の心になかなか重く突き刺さってきます。
(その為、ある程度回復して本が読める体調にならないとなかなか読む気になれませんでした)
1巻から先生自身も何かを抱えていることを匂わせる描写があり、巻が進む毎にそれが少しずつ明かされていくのと、先生や患者さん達、その周りの人達との物語や精神科医療の細い部分まで丁寧に描かれているので物語としても純粋に楽しめます。
先生は患者さんが欲している -
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現実は5分に満たない診察で薬を処方してお終いが大半だって聞くから、柔らかい雰囲気でこんな風に親身になってくれる医者がいたらいいなぁ… 自分の症状とは違うけど回復に向かう人達を見て自分の心も少しだけ軽くなった。
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わかりやすい内容
パニック障害、うつ、発達障害という内容をとてもわかりやすく扱っている。日本ではまだまだ精神医療は普及しているとは言えないこと、気軽に受診できるといいことも、わかりやすい言葉で説明されていて、啓発的内容も含んでいる。
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Posted by ブクログ
表紙を見て、そのえらい真っ当さに「え!?」と
思ったんですが、まさに「え!?」な結末。
カホリ含め、周囲の人々が何だかんだで
徐々に軌道修正をしていく中、ただひたすらに
クズ街道を転げ落ちていく砂後谷氏が哀れです(^^;。
変化のもとはやはり「新しい命」なのですが、
このあたりは作者さんの実体験も関係があったのですね。
ええとこはコウキくんが抱え、クズ分は砂後谷氏が抱えて
クズだらけの人々が何だかんだ言いつつ
収まりのいいところにたどり着いていく。
手放しで祝福ができるかというと疑問ですけど(笑)、
とてもふんわりした読後感の作品になりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ文学者の小林秀雄と中原中也。
実在する二人の関係を軸にした物語。
ストーリーに組み込まれ引用される中也の詩と、作者の美しい絵に引き込まれる。これはすごい。
また中也のカリスマ性や憎めないキャラクターも読む側を引き込む。
2人は泰子という女性を巡ってお互いに対立しながらも、でも文学を極めんとする「同志」として共にあり続ける。互いを意識し、傷つけ合いながら高め合おうとする。なんという業深く、そして楔のように痛ましくも強い関係だろう。それに圧倒された。
作中の中也の言葉が印象的だ。
''僕たちは生きている限り、
お互いをどこまでも傷つけ合って、
とことん地獄まで堕ちて掴む