倉山満のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【インターナショナリズムとコスモポリタニズム】
ここで二つの概念を考える必要があります。
国際主義と訳されるインターナショナリズムと、世界主義と訳されるコスモポリタニズムです。
コスモポリタニズムというのは、全人類が一つにまとまれるという前提です。
コスモポリタンのことを地球市民といいます。
コスモ(世界)がポリス(都市)であって、そこのアン(市民)、つまり、地球という都市の民という意味です。
一方、インターナショナリズムというのは、地球には一つのまとまった人類の政府などというものはないという前提です。
だから、いろいろな主権国家が並立している中で、知恵を出しあい、国際慣習に立脚して、仲良 -
Posted by ブクログ
以下、本書より。
【本能寺の変の黒幕は誰か】
最近の学界では、長曽我部元親黒幕説が有力視されています。
本能寺の変は、黒幕がいたのか否かの他に、光秀の動機が謎とされています。
その有力な動機として、信長の四国政策の変更を多くの人が主張しています。
曰く、それまで信長は明智光秀を取次とし、長曽我部との連携で「四国切り取り次第」としてきた。
ところが、羽柴秀吉の仲介で敵であった三好を重視するようになり、遂には長曽我部打倒作戦を発動するに至る。
ここに光秀の面目は丸つぶれ、秀吉に出世競争で抜かれると思った光秀は将来を不安視し、謀反を起こすに至った。
さらに念入りに、光秀の年齢は通説の五十五歳ではな -
Posted by ブクログ
タイトルが面白そうだなと思って購入。
読んだら確かに面白かったというよりも、ああそうか~!!!
っていう改めて気付きのほうが大きかった。
分かりやすく書いてあるので初心者の方でも読めると思う。
日本って(日本人)みんなのんきなんだけど、確かに昔(昔といえど大昔)は
いざという緊急時はちゃんと団結してたのだなーとかも含め
今この現代とは雲泥の差…とはいえ、先の大戦から大きな紛争がないのはいいことだと思う。
筆者が書いていた内容の中で、思わず頷いたことが多々あって
「何事も、何が書かれてあるかよりも何が書かれていないかのほうが大事」
「人を騙す時は、うそをつくよりも本当のことを隠すのが効果的。書か -
Posted by ブクログ
以下、本書より。
【麻生内閣は自民党の遺産をすべて食い潰した】
自民党の存在意義は「国民を食わせること」でした。
池田勇人政権がその意味での自民党の絶頂期です。
経済政策を大失敗して国民を食わせられなくなったら、もう終わりです。
ただでさえ賞味期限が切れているのに、ここまで国民をデフレで苦しめ、リーマン・ショックの対応を間違えて、失業、就職超氷河期、円高、自殺の増加を引き起こしたら、国民の多くが
「もう鳩山由紀夫でもいいから自民党は嫌だ」
と思うのは当たり前です。
麻生を支持する人はよく
「史上最悪の民主党政権」
と簡単に言ってくれますが、はっきり言います。
麻生よりは鳩山のほうが -
Posted by ブクログ
高校時代に歴史の授業がありました、二年生のときに世界史を、受験期である三年生のときに日本史を習いました。日本史を勉強しているときには、世界史の知識は殆どなくなっています。まあ、定期試験の直前に詰め込むだけだったので仕方ありませんが。。。
そんな私ですが、試験で良い点数を取るためではなく、自分の好奇心を満たすために歴史に関する本を読み始めた社会人から、おぼろげながら、日本で重要な事件が起きている時に、世界は(これも西洋と東洋がありますが)どうなっているのだろうと思うようになりました。
これを自分で調べるのは大変な作業だと思います。そんな私にとって、倉山氏の書かれたこの本、並べて学べば面白すぎ -
Posted by ブクログ
以下、本書より。
【絶望的に知性が欠如した自民党議員】
本書では財務省に対してかなり厳しいことを書いていますが、もともとは愛国官庁です。
多くの官僚が仕事熱心で、自由闊達な議論が許される気風に溢れていました。
つい最近でも確認できたことですが、上司に対して部下が対等に議論して構わない官庁だそうです。
ただし条件(ルール)があって、最終的な結論には従う。
決定に反対意見でも、自分の本音を外部に漏らさない、です。
だから、政治家のところに「御説明」と称して増税の必要性を訴えている財務官僚が、実は省内では増税反対の急先鋒ということが多々ありうるのです。
そういう時、「この主張に反対してください」 -
Posted by ブクログ
近代日本がいかに成り立ったか、そして何故いまだに敗戦国のままでいる(それはどんなに国連への貢献度が高いとは言え)のかを十分に理解させていただいた。
やはり先ずは日本人が歴史を知る必要があり、それを踏まえての行動と言動をしていかないと、ただでさえルールを守れないアメリカや中国などに喰い物にされていくだけであることを思わざるを得ない。
すでに西欧中心の歴史教育を受けて、自然と(潜在的に)そういった考えが脳内に意識されている人には是非とも読んでいただきたいものである。
そして戦後レジームからの脱却には、戦争に勝たなければならないということは、表面上は平和である今においていかに戦争を想定して備えておか -
Posted by ブクログ
世界史の中の日本史、日本史の中の世界史について。
以下、本書より。
【世界史教科書風の年表がいかに罪深いか】
日本の歴史に鑑みると、白人がやってきた事はつくづく傲慢です。
と書くと反発を覚える人もいるかと思いますので、世界史教科書風に事実だけを並べてみます。
1492年
コロンブス、アメリカ大陸を発見。
1493年
ローマ教皇アレクサンドル6世、新大陸における紛争を解決すべく教皇子午線を設定。
1494年
トルデシリャス条約。
教皇子午線に従い、東をポルトガル、西をスペインの勢力圏と決める。
気の利いた先生なら、
「ポルトガルはアフリカに、スペインはアメリカ大陸に植民地をつくっていった」 -
Posted by ブクログ
【切って貼って、結局切って】クリーンな政治家像を売り出し、田中角栄の後継として首相に就任した三木武夫。そのイメージとは異なる卓越した政争家としての一面にクローズアップした作品です。著者は、日本近現代史に関する多くの著作を持つ倉山満。
著者の評価軸が非常にはっきりしているため、読んでいて好き嫌いが分かれる作品ではあると感じましたが、あまり類書が多くない三木武夫に関するわかりやすい半生録としてオススメしたい作品。本書を読むと「クリーン」というよりは、「機を見るに敏」という印象を強く受けました。
〜三木武夫は、最大限原理主義者を装った機会主義者と言えます。〜
三木武夫から眺めた日本近現代史とい