倉山満のレビュー一覧
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平和の使徒、救世主かのように描かれているウッドロー・ウィルソン大統領が、フロイトが分析するように実は精神疾患であり、狂人であった。その軸は、自らを救世主と認じ、その実現手段として大統領を演じていたという論旨。
具体的には、第一次世界大戦後、世界随一の影響力を持ったアメリカの国力を背景に急進的理想主義が推し進められた結果、ソ連は生き残り、民族自決でオスマン・ハプスブルク帝国は崩壊して、その後の紛争は今日まで続き、英仏日帝国内でも反乱が起き、ドイツを圧迫し過ぎて第二次大戦の種を残したという意味でも、ウィルソン大統領は世界にとっての惨禍だったという結論。
本当に狂人だったのか。実際に当時のベルサ -
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人殺しに囲まれた国、日本。
国際社会では、負けたほうが悪いのです。自分の身は自分で守るしかないからです。
何が正論なのか知るために、自分が学問をすることです。
そしてともに学ぶ仲間を増やすことです。
日本国を守ろうとする結集が、いまこそ求められている時はありません。
他人に自分の運命を預けないために、自分の力で大切な人を守る気概を持ち、そして学び、仲間を見つけましょう。
一人一人は微力かもしれない。しかし、微力は無力ではない。
いま、多くの日本人が我慢している。しかし、日本人は我慢をさせられているのです。
日本を敗戦国のままでいさせたい勢力に。
日本人には、誇るべき歴史があります。 -
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ウェストファリア体制の意味が良くわかる。ちょっと乱暴だけど分かりやすい語り口で説明がなされている。
グロティウスがやりたかったことは、殺人が当然だった世界、すなわち、異教徒や異宗派は人でないから殺して良いという世界から、暴力の独占主体を国家(王様)にして、貴族や教会から暴力を取り上げて、その同格の国家間での必要悪としての戦争というものを発明したというのが倉山先生の説明するウェストファリア体制。
その一員たるには、自ら身を守る力が必要であり、力で対抗できない近代の非欧州圏には適用のないものだったが、大日本帝国がそれをグローバルなものにしたのにも関わらず、自らの滅亡によって弱肉強食の世界を生み -
購入済み
知らなかった英雄の姿
これまでの学校教育で教わった人物と背景を、日本と世界の視点から同時並行に読み解けたのはとても新鮮でした。
馴染みのある人物行動が、世界の情勢を踏まえた上で見るとより凄みを増し、より尊敬する想いが深まりました。 -
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ネタバレ個人的感想としては13歳からの「くにまもり」と同じ趣旨で、根底に日本人への教育視点で描かれている
本書は中学生でもわかる意味が冒頭の「くにまもり」と近く思うのと、双方とも自分を責任者に置き換えて「どのような行動をすべきか」を問うている(責任重すぎ)
「日本人が世界の歴史を学ぶとき、自分たちにとってどういう意味があるのかを考えて欲しいと思い、本書を書きました」(はじめにより)
岡田英弘から学び以前より教科書への熱き想いを表す倉山先生らしく、日本史と世界史への相互の関係づけは馴染みのある素材をいつものように調和の有る物語を紡ぐ
古典芸能のように揺るぎなく「あ、味付けに之を加えたな」などと常連にも心