私はなぜウッドロー・ウィルソンを呪うのか? 自由主義・民主主義・国際主義による政治体制の変革を自国の使命と考える「ウィルソン主義」の提唱者――。学界の多数説が載る教科書は、第28代アメリカ大統領を「偉人」として記す。だが、平和の伝道師のごとく語られる人物の正体は、「大悪魔」であった。「神の恩寵のしるしが現われはじめた」弁論部員時代からメキシコ、ハイチなど弱い者いじめを重ねた大統領一期目、無理難題を突き付けてドイツ、イギリスをキレさせた第一次世界大戦。従来の国際秩序を全否定し、思うように世界を改変しようとした十四カ条の平和原則。全世界を不幸に陥れたパリ講和会議。自らを神と一体化させ、地球上に災いを呼んだ男の狂気が次々と明らかになる。日本と日本人の悪口は書くが、外国と外国人の否定的評価は「実証的ではない」として回避するわが国の政治外交史研究の「似非実証主義」に、倉山満氏が真正面から立ち向かう。
Posted by ブクログ 2021年07月21日
平和の使徒、救世主かのように描かれているウッドロー・ウィルソン大統領が、フロイトが分析するように実は精神疾患であり、狂人であった。その軸は、自らを救世主と認じ、その実現手段として大統領を演じていたという論旨。
具体的には、第一次世界大戦後、世界随一の影響力を持ったアメリカの国力を背景に急進的理想主...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月31日
倉山先生が大嫌いな、ウッドローウィルソンに絞った一冊。面白くないわけがない。
倉山先生の本は、事実とか知識以外に、文章の面白さがあって。本著も、それが圧倒的に出ている。
わたしゃ、世界史取ってなかったんでこの人の一般的な評価は知らなかったのだけど、まあ、倉山先生にかかれば身もふたもない。
そう...続きを読む