あらすじ
戦後の大部分の時期において「政権与党」となり、日本を“支配?”してきた自民党。いまこの時も、この党に所属する政治家たちが様々な物議をかもしつづけている。だが冷静に考えてみれば、自民党は実に「不思議な党」であり、「おかしな党」である。何でこんな党なのか。誰がどうやって動かしているのか。物事はどんな原理で決まっているのか。そもそも、この党の存在意義はどこにあるのか……。本書は、戦前の政党史、戦後の混迷期、保守合同、「三角大福」の争い、闇将軍、竹下支配、失われた10年、小泉純一郎の改革、そして安倍内閣へと至る、前史から現在までの大河のような自民党の歴史を詳述し、「自民党の謎と秘密」をすべて白日の下に晒す意欲作である。党人、官僚、変人、権力の鬼など、超個性的な人たちが織りなしてきた不思議な政党史を、抱腹絶倒のエピソードをふんだんに交えつつ、大放談! 大笑いし、膝を打ちつつ読み進めるうちに、この党の「行く末」までが手に取るようにわかるようになること、うけあいである。すべての日本人必読の一冊!
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Posted by ブクログ
以下、本書より。
【麻生内閣は自民党の遺産をすべて食い潰した】
自民党の存在意義は「国民を食わせること」でした。
池田勇人政権がその意味での自民党の絶頂期です。
経済政策を大失敗して国民を食わせられなくなったら、もう終わりです。
ただでさえ賞味期限が切れているのに、ここまで国民をデフレで苦しめ、リーマン・ショックの対応を間違えて、失業、就職超氷河期、円高、自殺の増加を引き起こしたら、国民の多くが
「もう鳩山由紀夫でもいいから自民党は嫌だ」
と思うのは当たり前です。
麻生を支持する人はよく
「史上最悪の民主党政権」
と簡単に言ってくれますが、はっきり言います。
麻生よりは鳩山のほうがマシです。
麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の四代の内閣の中で、実は私は鳩山が一番マシだったと思っています。
菅は東日本大震災の対応がひどかったのでそれは大きいのですが、もし震災がなければ、菅と鳩山のほうが麻生よりマシなのです。
なぜか。
菅と鳩山は日本を滅ぼす「能力」がありませんでした。
「意志」はあったかどうか知りませんが、結果は掛け算なので、どれか一つがゼロならゼロになります。
能力がゼロだったので、結局は何もやっていません。
もし東日本大震災がなかったら、やったことが一番悪辣だったのは野田です。
震災の傷が癒えず、デフレで景気が悪い中で増税をしたらどうなるか。
子供でもわかります。
その上、まったく有害無益な増税法案を優先して、事実上予算の一部である特例公債法案を潰そうとしています。
予算が成立しないのは、良くて行政麻痺、悪ければ国家崩壊です。
その次がリーマン・ショックという100年に一度の危機に有効な手を打たず、日銀のデフレ維持政策を事実上支持していた麻生です。
史上最悪の民主党政権三代と言うのなら、麻生もつけて「史上最悪の四代」にしなければ不公平でしょう。
麻生内閣は自民党の遺産をすべて食い潰しました。
賞味期限切れの自民党でも、社会党に入れるわけにいかないからなんとか生きながらえてきたのです。
まじめに政権奪取しそうな政党が出てきたら、国民がそちらを選ぶのは当然でしょう。
福田内閣のときには、総選挙で自民党が負けることが目に見えていました。
しかし、あれほどの大敗になったのは、即座に解散をして負けを最小にすることをせずに居座った麻生の責任です。
ここまで自民党の悪口を思い切り言ってきましたが、もちろん褒めるべき人はいます。
丸川珠代さんの演説を聞いて、本当に彼女は偉いと思いました。
丸川さんは都議選の応援演説で
「もう最悪の民主党政権に戻してはいけません。
でも、それをつくってしまったのは我々自民党です。
それを反省しなかったら、もう一回、あの最悪の政権になるんです。
私たちはもう増長してはいけません」
と言っていました。
当たり前のことですが、自民党にはおバカな人もいればまともな人もいます。
民主党ほどではありませんが、右から左まで、上から下まで、幅広く人がいます。
民主党との違いは、民主党が上下左右の四隅にいる人が多いのに、自民党はだいたい真ん中を中心にして幅広くいることです。