高橋健二のレビュー一覧

  • 知と愛

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    これまでに読んだ本の中でもかなり印象に残っている本。構成も、内容も、ほんとに完成されてる。ゴルトムントが、彼の少年時代を鮮やかに彩ったナルチスと絶妙なタイミングで再会するそのシーンでは感動で鳥肌立ちそうでした。住む世界は違っても、ほんとうの友というのはずっと友であり続けることができるんだ。
    人生において哀しいとき、つらいとき、また幸せなときにも、これから幾度となく読み返す本になるだろうと思う。

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    2010年01月20日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    単なる童話には終わらない作品ばかり。「生きること」「愛すること」「死ぬこと」という、人生において誰もがいつかは直面する大きな、そして重要な問いについて、平易な言葉で厳粛に表現されている。愛すること・愛されることの恐ろしい側面を描いた「アウグスツス」、死へ向かう人の苦しみ、あきらめ、そして解放を描いた「苦しい道」など、すべての作品の中で美しい文章の中に「人生」そのものが凝縮されている。苦しいとき、哀しいときに何度でも読み返したい一冊。

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    2009年12月24日
  • 知と愛

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    素晴らしい物語です。
    理性と本能、それぞれの権化のようなナルチスとゴルトムントの友情とも愛ともいえない魂の巡礼のお話です。

    僕はゴルトムントの放浪生活には妙に影響を受けてしまいました。
    現在お遍路をしているのも原点はこの辺りにあるかもしれません。

    ヘッセを読むなら是非とも高橋健二訳をお勧めします。
    山村のはずれでひっそりと流れる小川のような語りは、
    静かに、深く僕らを物語に引き込んでくれます。

    主人公二人の対比は日本人なら真っ先にキンキキッズの両堂本君が浮かびます。
    決してタッキー&翼ではありません。

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    2009年11月01日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    実は、いちばん好きなヘッセの作品集です。他の作品も、文庫になっているようなものはひととおり持っていたはずなのに、なぜか今は手元にありません。少し気恥ずかしくて(何がでしょう?)、実家に置いてきたままのようです。もう少し時間が経ったら、また読み返せるでしょうか。

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    2011年07月19日
  • 知と愛

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    この作品を読んだのは10代の頃で、ナルチスとゴルトムントの間にある友情に深く共感しながら読んだ記憶があります。続けざまに何度も読み返した記憶も。若い頃は、自分の持っていないものを持っている相手に強く惹かれることがよくあると思うのですが、私自身が当時そういった状況にあったからこそ、ゴルトムントがナルチスに憧れを抱く姿や、知と愛を象徴する対照的な二人が互いに影響され惹かれ合いつつも、全く違った道を選んで自己を確立していくプロセスに共感したんだと思います。

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    2009年10月04日
  • 知と愛

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    ヘッセの長編大作

    翻訳なので簡単には読みにくいが、非常に読み応えのある一冊

    修道院を抜け出し、芸術の道へと進む主人公の愛と友情の物語

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    2009年10月04日
  • 荒野のおおかみ

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    2007.6.12の感想
    字が大きくなって読みずらかった。
    まったく出版社は余計なことをする。
    ヘッセのリズムが狂っちゃうじゃんか。

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    2009年10月07日
  • ゲーテ詩集

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    いつも鞄に入れています。ゲーテの作品がほかのどの詩人とも違うのは、ただ美しいだけではなく、読者が普段意識せずになんとなく感じていることを代弁して「たしかに、そうだな」と思わせるところだと思います。よく理解できない詩も少しあったのですが、生き続けていけば分かるようになるのでしょうか。

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    2009年10月04日
  • 知と愛

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    人生を貫く二つの欲求である知と愛、それぞれを体現するナルチスとゴルトムント。出会い、別れ、邂逅する彼らの人生は、離れ離れのようで常に寄り添っているように感じられ、それは知と愛という相反するようでありながら共に真理である二つのものの在り方そのものとも思える。詩人を志したヘッセならではの豊かな詩情と、美しく深い物語が胸に残る名作。素晴らしい邦題にも感動を覚える。

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    2020年12月18日
  • 車輪の下

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    全七章に亘って、ハンス・ギーベンラートの柔く脆い青年期を綴る。

    周囲より少し勉強ができてしまったために過度な期待を背負い、踏ん張りが利かなくなったったとき雪崩のようにすべてがうまくゆかなくなる。

    冷たく静かに川を流れるハンス。
    吐き気も恥も悩みも取り去られた、ハンス。

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    2025年09月18日
  • 春の嵐

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    たまたまトニオグレーゲル、ヴェニスに死すを読んだ後にまた芸術家をテーマにした作品。ストーリーがどうと言ったことはないけれど、たっぷりと情景、心理描写を丁寧に描いてるのはせかせかした現代の作品にはない次元を感じます。こう言った作品を読むと、立ち止まる時間ができて嬉しい。

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    2025年09月05日
  • 車輪の下

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    神童の主人公が来る日も来る日も勉強を重ねて、合格した先にあるのもまた勉強を重ねる日々。自分がやりたいなと思ったことを心の中にしまい、やるべきことや求められていることに注力していく中で出会う、愛情や死の形、暴力や非行の形は彼の人生の中で「自分とはどのような存在であるのだろうか、何者であるのだろうか」という問い直しを与える。
    最後の方に彼が語る神童であったのに気づけば周りから遅れていたというところはどのような形であれ、色々な読み手の人生の思い直しにも一石を捧げるものであると感じた。
    働く喜び、人の役に立つ喜び、人を愛する喜び、最終に近づくほどに彼の中に少しずつ湧き立った感情は心の底から生まれた自分

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    2025年07月24日
  • 車輪の下

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    『車輪の下』。中学時代からずっと本棚に並んでいたのに手にとらなかったヘッセの小説。
    私も、「受験戦争」という言葉や「偏差値」という言葉が世間を騒がせていた時代に青少年時代を過ごした。片田舎で育ち、中学、高校、大学受験を経験したからハンスの境遇には少し近い。都会への憧れはあったものの自然の中で育った環境や思い出を否定することはなかった。
    主人公ハンスは、周囲の期待を一身に背負い、神学校というエリート養成機関で過酷な競争にさらされ、精神的に追い詰められていった。学校を追われた友の影響を受け、成績も心も落ちていった。
    エリート意識の揺らぎが思春期の揺れと重なり、繊細なハンスはどんどん病んでいく。

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    2025年07月04日
  • デミアン

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    裕福で光しかない世界に産まれた少年が密かに闇に憧れを抱く。嘘の悪さ自慢をしたらシンクレールに脅されて1時不幸に陥ったが転校生の年長者で神学校にいながらも聖書の内容を先生が教えるものと反した解釈をする不思議なデミアンに救われた。その後主人公はデミアンに惹かれっぱなしだったがある日デミアンが思考の深みに入った時から話さなくなり高校生になった。高校生になってから主人公は酒を飲んだり途中デミアンと出会ったもずっと堕落していたが途中自分にとって神と言えるような少女を見つけ絵を描き神と名付けピアノ奏者に出会い別れてからまた元に戻った。その頃にデミアンと再開し、デミアンの母と出会えた。母は主人公が信仰してた

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    2025年05月29日
  • 車輪の下

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    ヘッセの若い頃の作品です。
    実体験をもとに描かれているようですが、当時の時代の雰囲気を知ることができます。
    子供の教育について、一石を投じた作品で、現代にも通ずるものがあります。

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    2025年05月24日
  • 車輪の下

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    薄いのに読み応えがあった
    昔読んだ気がしたけど全然覚えてなかった
    なんというか、一章ずつ授業とかで読んで、みんなで話し合って噛み砕きたくなるような内容。
    メインストーリーとサイドストーリーが絡み合いすぎて、なんなら、サイドストーリーをたくさん繋げた話のように感じる。主人公は1人なんだけどね。
    賢い真面目な少年がこうなるなんて面白いよな。少年時代の詰め込み勉強や、学校のあり方の弊害だ。ハイルナーと話してみたかった。

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    2025年05月21日
  • 車輪の下

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     ヘッセの『車輪の下』が突きつける最大の問題は、教育制度が〈子ども〉を「人格ある一個人」として認めず、都合のよい記号へ還元してしまう点にある。多くの物語が〈従順な優等生〉か〈反抗児〉に子ども像を二分するなか、ヘッセはハンスを欲望と不安、優越感と傷つきやすさを併せ持つ等身大の存在として描いた。川辺で魚を眺める彼は順位や身分を忘れ、五感で世界を確かめるが、神学校合格直後にはまだ机に向かう同級生を見下し、成績表が貼り出されるたび密かに胸を張りながら怯える。この二面性こそ、人が成長過程で抱える本音と矛盾そのものだ。

     その揺らぎを歪めたのが寄宿制神学校という装置である。生活の隅々まで統制された環境で

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    2025年04月24日
  • 車輪の下

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    純粋に読んで良かった思った。
    というか自分が1番悩んで苦しい時に読みたかった。救いにはならなかっただろうけど、多分寄り添ってくれただろうから。
    私も未だ車輪の下から抜け出せず溺れている。

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    2025年04月23日
  • シッダールタ

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    難解な文章で書かれているのかなと思ったら、とても読みやすいの翻訳で、逆に驚いた。翻訳者の高橋健二さんが凄いんだろうとなと本文とは違うところで感心してしまった。仏陀になるべく修行するシッダールタであったが、愛に溺れて酒に溺れて金儲けに走り、やがては自ら命を断とうとする展開に驚いた。仏教には詳しくないので、最後に川を人生に例えて悟りを拓くかのような展開。一度で理解できなかったので、また読もうと思う。

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    2025年04月19日
  • デミアン

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    かなり哲学的であり、宗教的でもあった。集中して読む必要がある。自分にはやや難しく感じたので、数年後また読みたい。ヘッセの描く思春期の少年の葛藤や苦難がやはり好きだと思った また、ヘッセ自身はこんなにも自己と向き合っていたのかと驚かされる。

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    2025年03月28日