高橋健二のレビュー一覧

  • 春の嵐
    なぜかヘッセの自伝と勘違いして読み始めたけど、フィクションでした
    人の感情を繊細で豊かに描写する感じが三島由紀夫と似てる気がする
    本気に考えられた決心や思想はやはり心の中に平和を残し、変えがたい運命を忍ぶ助けとなる。(文庫p.169)という文章が好きでした
  • デミアン
    ウワ難儀 でも家柄も仕事も信仰もあらゆるものは自分にただ付随しているだけ 運命を自分以外の事象に見出すのではなく自分の中に運命を見出してそれを生き抜くこと 自分にとっての最善を絶えず考えていきたいと思わせてくれる本だった シンクレールは賢く純粋で時として愚か 彼が善にも悪にも簡単に揺れ動き 心...続きを読む
  • デミアン
    主人公の少年シンクレールが自らを導いてくれるデミアンという少年に出会い、自我を確立していく話。善と悪の間を揺れながら葛藤する心の柔らかい少年時代を描いた前半は、『車輪の下』の主人公を重ね合わせた部分があった。中盤からは、神の啓示のようなものを受けたり、生きるよすがを探し求め自己との対話を深めていく哲...続きを読む
  • シッダールタ
    学生時代に「車輪の下」を読んで以来のヘッセです。

    いやぁ、深い・・人生において大切なものを気づかせてくれる一冊です。

    涅槃の域を求めて流浪する求道者、シッダールタ。“バラモンの教え”“ストイックな苦行”を経て、カリスマ聖者・仏陀と出会います。(そう、タイトルから仏陀の話と思いがちですが、仏陀とは...続きを読む
  • ヘッセ詩集

    1898年のロマン的な歌から1939年の詩が収録されています。

    夜の慰め、新詩集がお気に入り。


    老いたる人よ、葬られよ、
    元気な少年に席をゆずれ、
    身を投げ出して、死を恐れるな!
    春のことば より
  • デミアン
    主人公の感情、心情が教唆されてとても揺れ動いているのを感じた。
    個人的に難しかったので、再読リベンジをしたい作品。
  • 春の嵐
    主人公は作曲家。事故で片足が不自由になった彼の乱高下激しい人生、特に強い愛や友情ゆえに苦悩する日々の物語。感情表現の仕方が絶妙というか分厚い。常に内外、表裏、手前と向こう側が同時に書かれていて、小説ながらに「なるほど」と頷いてしまうこともしばしば。50も近づいてきて、未だどこか作曲家になる夢を懐き続...続きを読む
  • 郷愁
    まず「郷愁」というのは意訳であるが、原題は「ペーター・カーメンチント」というひとりの名もなき男の自叙伝である。故郷はカーメンチントの原点でありいつも彼とともにあるが、本人が認めるのは最後の最後である。チューリヒ編、バーゼル編、アンジ編、バーゼル・ボピー編(パリは大胆に割愛されている!)振り返るとそれ...続きを読む
  • 青春は美わし
    淡々とした文体で故郷の美しさ、青年の心の移ろい、初恋の苦味が描かれた本だった。青春のかがやかしさが感じられる素敵な文章が続いており、読んでいてとても心地よかった。ただ、少し無機質に感じられのは、翻訳された文だからなのだろうか。
  • デミアン
    2021年12冊目

     ヘッセの作品は文学として完成されたものなので抵抗なく読めるし、主人公は皆確固とした「自己」があり、他の登場人物や環境の変化によって揺さぶりをかけられる。本作そのぶよぶよとした感覚を存分に味わうことができて楽しかった。
  • デミアン
    シンクレールが明暗の世界で様々な障害にあい内面に秘める葛藤や苦悩を繰り返し、自己追求をする物語です
    なかなか哲学的かつ抽象的な表現が多かったため理解するのに苦労しましたね
    友人のデミアンは神秘的でミステリアスな雰囲気があり良い意味でも悪い意味でもシンクレールの人生に多大な影響を及ぼしていたと思います...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    今年は毎日読書をしようと決意し、手始めに高校時代に大好きだったヘッセの本の中で、短編集で最も読みやすいこちらを再読です。

    物語は、割と共通点があり、
    アウグスツス、笛の夢、アヤメ、は人生の歩みを進める中で失っていく悲しみと感慨。
    詩人、ファルドゥムは更に大きな時間から人間の営みを観察しています。
    ...続きを読む
  • シッダールタ
    読めるが初回は理解しにくい。
    まだ早いかな、しっかりと感想を言葉で表せるようになるまではきっと2回目以降になる、、
    率直に、人の出会いや別れ、再会とは、奇遇であるということ。
  • シッダールタ
    真理に近づく為には実体験、経験こそが必要。教えられることだけでは決して近づくことはできない。
    自発的に行動を起こし、失敗(経験)を繰り返し、自分の答えを導き出す事ことが必要。

    傾聴することが大切。

  • デミアン
    読んでいる最中ずっとしんどかった。主人公シンクレールの懊悩には、共感できる部分もそうでない部分もあったのだけど、これは書いてるヘッセ自身がしんどかったんじゃないかなあ、と思った。
    若い頃の、自分が自分じゃない感じ、身の置き所のない不安感、自分をめちゃくちゃに汚したいけど神聖でもありたい感じ、が一文一...続きを読む
  • シッダールタ
    観念的、哲学的内容ではあるが、非常にわかりやすく書かれていて面白かった。
    禁欲にて解脱を目指すのではなく、あるがままを愛していくという無意識の呼吸のような悟りにシッダールタは達するまでの話。
  • デミアン
    非常に深い本だった。少年が成長していく過程を描く小節。途中で出会う人物がどれも非常に深い。宗教観と哲学的に深い本だった。終盤に戦争、時代的に第一次世界大戦を指している、を皮肉として間接的に批判している。自己追求が今作の主軸であり、なかなか良かった。
  • 青春は美わし
    ラテン語学校生の方が主人公の内心と行動が大胆で面白かった。失恋したばかりだったのでこの本のおかげで立ち直れた気がした。ありがとうヘッセ。
  • 春の嵐
    若い人は利己的で何か理想と食い違うと自殺したりする、でも、自分の命が他者と繋がってることを知っているものは安易に自殺したりしない

    年を重ねてゆくと満足感や幸福感は他者の役に立つことで得られることをしる、
    人生自体は空である、

    なるほどな、、、
  • シッダールタ
    バラモンの息子として生まれたシッダールタが父と決別し、友ゴヴィンダと沙門となり、ブッタと出会い友と別れ、カマーラとの快楽と、カーマスワーミからもたらされる物欲に溺れ、逃げて、川にたどり着き、渡守となり、息子と出会い逃げられ、友と別れ、友と再開する人生を賭けた旅の物語!

    仏陀と同じ名を持つシッダール...続きを読む