高橋健二のレビュー一覧

  • シッダールタ

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    早熟の天才が世俗に染まり、老いて己の道を開く、というストーリーだけども川からすべてを教わるという知恵が身に染みた。何度でも読みたい。写経したい。

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    2025年12月28日
  • シッダールタ

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    釈迦の出家以前の名、シッダールタの名を冠した主人公の話。主人公シッダールタはあくまでも釈迦を題材にした架空の人物なので史実としての釈迦からは自由にシッダールタの人生や内省が描かれていきます。悩みや苦しさと向き合いながら内省が深まっていく人生を描くのはヘッセの真骨頂という感じですが、本作品では東洋哲学的な苦難と悟りとが詩的に、リズミカルな文章で表されていて、これは翻訳の仕事も素晴らしいと感じますが、ヘッセの最高傑作の一つといえるのではないかと思いますし、インドはもちろんのこと、世界中で宗教を問わずに愛されてきたのも頷けます。

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    2025年12月24日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    アウグストゥスが特筆すべき作品。
    童話という形式の中に、人生の真理が静かに語られていることに感動した。大人になって失いかけていた純粋な感性や、物事の本質を見る目を取り戻すきっかけになった。シンプルな物語だからこそ、心の深いところに届くものがある。美しさや優しさを大切にする心を、改めて思い出させてくれた作品だった。

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    2025年12月22日
  • 車輪の下

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    とても面白かった。
    ヘッセには他の作品には見られないギラギラとした魅力がある。
    大人たちが期待などの善意(残酷な名誉心)によって主人公が苦悩に陥ってゆく?描写が印象に残った。
    また読みたい

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    2025年11月18日
  • 車輪の下

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    「読書は役にたたなかった。」

    かつて偏差値70を超えてた私、
    本作の主人公と自分を勝手に重ね合わせるという愚行に走った末、見事に撃沈、感傷の海の藻屑と化す(…)
    太宰の「大人とは、裏切られた青年の姿である」という格言が思い起こされる

    殺傷能力が高すぎる傑作

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    2025年11月07日
  • 車輪の下

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    内容自体は重たい。成功した著者の自叙伝らしいから、色んな深い意味がある。自分自身を全く性格の違う2人に分けていたり、人生こうなっていたかも、という思いもあったのだろう。悩む気持ち、解放された安心、改めての絶望感、少年から青年になるころの危うい心の動き、立ちはだかる世間、期待、許せないプライド、周りへに嫉妬、大人になってからでも思い出させられた。文章がうまい。古い訳だろうけど、分かるわーとなっている。もう読まないかもしれないけど。人間の性格、本性を描ききったと思う。少年の心は危ういね。

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    2025年10月23日
  • デミアン

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    ネタバレ

    自分自身に達することこそが、人間の真の目的であるという主張に感動した。この世には自分を偽りながら生きて、自分がわからなくなっている人々が沢山いる。そんな時、孤独が自分と向き合うきっかけになり、ひとを成長させるのかもしれない。
    また、幼少期のシンクレールが二つの世界を持っているという場面にすごく共感できた。家庭と学校とでは世界が全く違うんだよな。

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    2025年11月02日
  • 車輪の下

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    季節の移り変わりがりんごの状態でわかるのが可愛い。あの子と出会ったのは収穫の時期、ほろ苦く思い出すのはりんご酒ができたばかりの時期。

    登場人物の名前すぐ忘れちゃうけど、キャラクターの色がうまいこと書き分けられていて名前わからない状態でも誰が誰かなんとなくわかって感動した。

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    2025年10月09日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    ## ひとことまとめ

    模範少年ハンスの苦しみと、美しい自然

    ## 感想

    周りの大人の期待に翻弄されて、頑張りすぎて壊れてしまうハンス。
    大人もハンスも含めて、こういう人は今も、むしろ今の方が増えているかもな、と思う。
    競争はますます激しくなり、人は疲弊し、しかし世の中では争いは絶えない。
    誰かに勝つこと、しかもそれが自分でなく自分の子どもを勝たせて悦に入ることが、どれだけの人を幸せにするのか。
    少なからず、自分の子は幸せではないのではないか。
    人には、その時々にしかできないことがある。
    それをしっかり楽しみ味わうことを怠ると、後からは取り返せないことが多い。
    自分の子どもには過度な期待を

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    2025年09月26日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    これが作者の持ち味だなとホントにおもったのです。自我の強さとそれにともなう挫折みたいなところからファンタジーと甘い生活への憧れへとゆくが届かないんだ。

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    2025年09月17日
  • デミアン

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    文学国語の問題集にあって、気になって読んだ。

    後半になるにつれて難しい言葉は増えるが共感できる内容が多かった。

    人間関係、考え方の差異など私達が生きる中で通る道を別の視点から追体験できる本。

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    2025年09月04日
  • 青春は美わし

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    ヘッセの平和なロマン主義が楽しい。
    特にラテン学校生徒の物語は短編ながらも、
    あどけなさの残る少年の恋の情熱の目覚めから、
    愛の美しさへの深い理解に達するまでの経緯が
    素晴らしく綺麗に綴られている。
    最高な読書だった。

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    2025年08月31日
  • シッダールタ

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    ネタバレ

    「考えること、待つこと、断食すること」
    本質なんだなと思う。(断食する行為自体が本質とは思っていないが)
    繊細で人間的な明と暗。読みやすく、広く翻訳され世界中の方に宗教を超えて愛読されている理由がわかる一冊でした。

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    2025年08月30日
  • 車輪の下

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    有名な小説で10代の頃からタイトルは知っていましたが、40代で初めて読んでみると予想外の内容にびっくりしました。子供から遊びやゆとりを強制的勉強により奪うことへの警鐘。時を経た現代においてもいまだ通じるものがあります。ドイツのシュバルツバルトに行ってみたい。

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    2025年08月24日
  • シッダールタ

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    人生で大切にすることをシッダールタさんが言語化してくれました。
    この本で特に学べたことは、言語化されたものを読むだけでは血肉にならないということです。それを本を読む事で学んだ気になっているのが皮肉ですが…

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    2025年08月14日
  • デミアン

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    ネタバレ

    幼年時代に属していたのは道徳的で明るい、アベルの世界。クローマーはそれと対照的な闇の世界にシンクレールを引き込むが、本当の意味で対照的なのは、そのクローマーからシンクレールを救ったデミアンの、カインの世界なのか。
    デミアンの神は、善と悪を併せ持つ神。道徳的でないものを排除するのではなく、清濁併呑のアプラクサス。平和に道徳的に生きるアベルと違い、カインは来たるべきものに備え、必要とあらば平和から人々を追い出す準備をしていた。そのカインのしるしをもつ者は、新しいもの、孤立したもの、来たるべきものを自然に受け入れる準備がある。その準備とは「私たちのめいめいがまったく自分自身になり、自分の中に働いてい

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    2025年08月05日
  • デミアン

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    Demian
    Hermann Hesse, 1919

    ヘッセの「デミアン」は誰もが聞いたことのある一冊、意外と短いので同じような少年、青年にも読んでほしい。読みたかった。
    じっくり、急がず成長する。100年経っても普遍的な物語。

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    2025年08月06日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    読み終わったあとに、考えれば考えるほどじわじわと面白味が増す作品。教員は、優秀なものを生み出した「自分」に酔いしれるような生き物である、ぜひこの世にいる全教員の見解を聞いてみたい。
    ハイルナー、教員の皮肉的存在な地位で、ずっと己を貫き通すような人間だったから、特に学校を出たあとも周囲の目なんてそこまで気にせず生きていったんだろうと思う。満足に好きなことを、詩を書いて。一方反対の地位にいるハンスは車輪の下で押し潰されるような違和感を抱えながらも従い続けて、競争に勝つために学習にばかり目を向けて、自分の好きな釣りや幼少期楽しかったこと、ふと思い出すももうほとんどそんなものは殺してし何が楽しくて何が

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    2025年07月19日
  • シッダールタ

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    シッダールタが人間の喜び、悲しみ全てを経験して得た『梵』について自分の人生を重ねて考えさせられるヘッセの宗教的体験の集大成。

    シッダールタの「愛」のために生きる小児人とは自分は違う人間だという若気の至りから、カマーラと出会い「愛」を覚え、人間の本能的な「愛」に溺れて小児人的価値観に染まっていく青年時代、目的もなく小児人として金と欲を満たし続ける生活をした中、ヴァステーヴァと川の教えを経て最終的に行き着くのは、時間という概念は存在せず、過去も未来も同時的に存在するという気づきであったのは、この本を読んだ全ての人間の人生の救いとなる結末だったのではないかと大変感動的であった。

    私は今、社会での

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    2025年07月10日
  • シッダールタ

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    二十年ものインド思想の研究を経て、自身の宗教的体験の告白としてシッダルータを通して象徴的に美しく描かれていた。

    変な宗教教育(母方、キリスト教、父方、仏教)をちょっとばかし受けてきた自分としてはすんなりと頭と心に入ってきた。

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    2025年06月12日