高橋健二のレビュー一覧

  • メルヒェン(新潮文庫)
    頭を柔軟にして読むべし。そうでないと読みにくい。大人のための童話だと思うが、もしかしたら子供のほうがすんなりと受け止められるかもしれない。気づかされることが多かった。ヘッセらしさが充満している。
  • 車輪の下
    悲しく苦しい少年の心理描写が繊細に緻密に書かれていて、心が痛みました。
    愛溢れる子ども時代を送ることの大切さを実感しました。
  • メルヒェン(新潮文庫)
    読みにくい短編もあったけど、『アウグスツス』で一気に心惹かれて、凄く面白かった。
    『ファルドゥム』と『アヤメ』も好きだったな…
    大人の童話って言われているようだが本当にその通りで、宝箱にしまいたいような、温かさのある本だった。
  • 車輪の下
    ハンスの透き通ったうつくしさがこころに残る。入学試験では二番で入れるほど余裕があるのにすごく緊張しているところが自分と重なりすぎて胸がぎゅっとなった。神学校での学問、文化や芸術なども初めて知る部分が多くとても楽しかった。ハイルナーとの鮮やかな友情にときめきました。
  • 車輪の下
    【概要書き殴り】
    聡明で幼気な少年を、豊かな自然の生活から引き離し、功名心に駆り立てることで神学校に送り込んだ大人達。規則まみれで高慢な神学校の教師達。
    道半ばで心を病み郷里に帰った少年と親しく交渉する者もない。
    年上の娘の気まぐれに恋心を翻弄され、御し難い青年への過渡期に苦しむ。
    誰よりも優秀だっ...続きを読む
  • デミアン
    第一次世界大戦に巻き込まれていく中、母国ドイツに対して反戦を訴えたことで社会的な批判を浴びたヘルマン・ヘッセ。初めて、自己の内面の追求というテーマに正面から取り組み、自身の罪に悩めるシンクレールに、罪を悪か善かで二分すること以外の選択肢を与える存在としての友人デミアンが、人生を通して関わってくる。夢...続きを読む
  • デミアン
    中学3年生のとき、父に手渡されたヘッセの『デミアン』。それからずっと、もうほんとうにずっと、私はデミアンの面影を追いかけている。
    文庫は父から引き継ぎ、わたしの本棚にある。高校1年、2年、3年、大学1年…毎年読み返した。(父がそう読んでいて、年々感じることが変化していった、と言っていたから)
    本当に...続きを読む
  • デミアン
    心を病んでいた時に読んだので心苦しくなる場面も多々ありましたが、デミアンの言葉やシンクレールの移り変わる心情が所々で私の救いになりました。
    また読みたいな。
  • 車輪の下
    この本は学生の頃に一旦手に取ったものの挫折した本です。 
    読んで名作だなぁと感じました。
    一人の青年が優秀で難関の神学校にも合格し将来有望だったのが、あるきっかけで崩れてしまった。
    多感な青年期がうまく描かれている。ハンス青年に共感できる面も多々ありました。青年が自然を愛し、博愛主義の優しい心の持ち...続きを読む
  • 車輪の下
    大好きな本の一つ まず風景描写がとても良い 主人公ハンスの苦しんでいる姿が昔の自分を見ているような気持ちになる 学生時代に読んだ時と、受験を終えてから読むのはかなり感じ方が違うなあと思った 上手く言語化できないけど、懐かしい気持ちになる本
  • デミアン
    ヘッセの本はあらかた読んだが、個人的にはこの作品が一番引きが強かった。

    見栄のためにホラ話をしたのがきっかけで秘密を抱えたシンクレール少年は、デミアンという転校生に助けられる。そのデミアンとの接近が、シンクレールの自立と自己の深淵を覗き込む動きを間接的に手助けし、彼は思想的にも成長していく。
    最後...続きを読む
  • シッダールタ
    聡明な、でも生きることに疑問を抱いている主人公が、さまざまなな体験を通して、ついには悟りを得る話。

    主人公の名はシッダールタで舞台はインドだけど、あの仏教の開祖仏陀の話ではありません。仏陀は別人としてシッダールタの前に現れます。自分にはなかなか難しくて、読むペースもゆっくりになったけど、読んで本当...続きを読む
  • 車輪の下
    ハンスのような勤勉な努力家がアカデミックになろうとするとハイルナーのような天才との差に落胆してしまうことはあるだろう。一見ハンスの方が社会で上手くやっていけそうに思えるが実際ハイルナーが成功する。かといってアカデミーの世界から離れるのは困難で、結局、元からアカデミーとは無縁の人々と同じように生きてい...続きを読む
  • シッダールタ
    時間は存在しない。
    世界をありのままに受け入れる。
    万物を愛し、繋がる。そこに善と悪、生と死という概念はない。
  • 車輪の下
    辛かった。主人公のハンスが最後死んでしまうような話だったとは。特に最後ハンスの死に顔が「ほとんど朗らかにさえ見えた」p259 とあってより悲しくなった。
    ヘッセのほぼ自伝小説ということだが、小説と現実の大きな違いは母親の存在の有無ということにひかれた。ハンスは心の救いがなかったために自滅という最期を...続きを読む
  • シッダールタ
     人が苦しみの中にあるとき、救いというものは、それほど多くあるわけではない。家族や友人の励まし。信じる教え。あるいは、大好きな景色や音楽。そして、大切にしてきた言葉。私たちは、苦しみをどう抱え、向き合い、乗り越えていくのか。
     もし一冊の本が、苦しむ誰かを支え、乗り越える助けとなるなら、本は、信頼す...続きを読む
  • シッダールタ
    聖人として生まれ(たと思いこみ)、聖人として真摯に学んだ青春。共に学んできた友と別れ、自分の道を歩み出した時、周りとの乖離を感じて、世間を知るためという口実で周りと一緒になって遊び、金を稼ぎ、気づいたら中年に。子を得たが、自分の思い通りにならない存在を前に自己受容を学ぶ。子育てを終えた頃、初めて聖人...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    フォロワーさんのお勧めで読みました。大人のための創作童話集ということで、全体的にお伽噺の雰囲気がありつつも扱ってるテーマは「愛し、愛されることの本当の幸福」であり、なかなか深い。どの作品もヘッセらしい幼年期/老年期の対比、または「老いて子供に戻る」といった人生の循環を描いてる。中でも一番感動的だった...続きを読む
  • シッダールタ
    ヘルマン・ヘッセの著書を読むのは初めてでしたが、非常に美しく著者の思想が表現されていました。
    本書の最後でシッダールタが親友ゴーウィンダに説教するときに、一つの真理は常に、一面的である場合にだけ、表現され、ことばに包まれるのだと説いています。つまり、善悪、優劣、喜怒哀楽などのことばは全てある側面から...続きを読む
  • デミアン
    われわれが一度きりの人間以上のものでないとしたら、われわれのだれもが一発の銃丸で実際に完全に葬り去られうるのだとしたら、物語を話すことなんか、なんの意味も持たないだろう。しかし、すべての人間は、彼自身であるばかりでなく、一度きりの、まったく特殊な、だれの場合にも世界のさまざまな現象が、ただ一度だけ二...続きを読む