高橋健二のレビュー一覧

  • ゲーテ格言集
    ゲーテの格言についてまとめられた書。
    とても深く、納得させられる言葉が多々ある。

    ・利己的でない好意的な行いが、最も美しい利子をもたらす
    ・生き生きした天分を恵まれながら、実際的な意図をもって手近なことを忘れぬ人は、この世の最もひいでた人である。
    ・誠実に君の時間を利用せよ!何かを理解しようと思っ...続きを読む
  • 郷愁
    ヘッセの作品を読めば、ヨーロッパのみずみずしい風景が呼吸しながら目前に現れる。処女作である本書も勿論例外ではない。また、甘く酸い青春の所々に表される主人公の抒情性に、思わず自分の体験と重なり感情移入して読んでしまう。ヘッセの全作品を貫く本質がうかがえる。
  • 幸福論
    読んだ印象は日常のささやかなことを綴るエッセイ。
    真面目だけどちょっとお茶目なおじいちゃんと話しているような気分になります。
    結構スキ。でも若い子には退屈かも知れない。
  • ヘッセ詩集
    詩人になれなければ、なにものにもなりたくないと言ったとされるヘッセの詩集。
    穏やかな心持ちで人生というものを見つめる1人の人間の心が見えてくる作品集。
  • 幸福論
    読んで幸せになれるような本ではないけれど、孤独な人の本だろう。
    ぼんやりと瞑想にふけるような気持ちにさせてくれる本だ。


    本は気分を変えてくれるが、気分が本を探してくれるということもあるんだと思った。ヘッセの作品はそういうものが多い
  • 郷愁
    地元を離れ詩人として生きる主人公の姿が、自分と重なる部分があり思わず読み入ってしまった。

    著書はヘッセ27歳の時の作品であることにも驚きを隠せない。
    というのもとにかく文章が綺麗で美しい。
    そして自然の描写が素晴らしく読んでいるだけで情景が思わず頭に浮かぶ。

    私みたいに田舎で育ち、一度地元を離れ...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    あんまり格言集とか読んだことがなかったんですが
    たまにはと思い読んでみました。

    途中まで…愛とか,人間性とか,宗教とか…あんまりピンと来なかったんですが…。
    「うーん,確かに,いいこと言ってるんだろうな,でも琴線に触れるような感覚はないなー」と思いながら読み後半へ突入。

    「人生について」「経験の...続きを読む
  • 春の嵐
    青春時代の経験は辛いことも楽しいこともあるが、それらを昇華し音楽として客観視できる形にしたことで、主人公はその経験を超えることが出来たんだと思う。私も作曲しますが、音楽はそのような役割を果たしたと思います。
    青春期の作品は今の自分とは違うものなんだけど、今の自分を創っている大事な部分だし、それが今は...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    すんなり心に入ってグッとくるものもあるが、大半がまだまだ難解。自分の経験や心情の変化に伴って、いつかピンっ!! とくる日を期待して何度も読み返していきたい一冊。特に【否定の否定】する文章形態が多く、「んで、結局どっち!?」と混乱。。。そんな頭ン中の迷路からスムーズに抜け出せるように読解力を鍛え、心も...続きを読む
  • 青春は美わし
    読んでいる間、故郷への甘い美しい感情と、淡い恋心への懐かしい回想が、くるくると体の中をめぐるような作品。
    ヘルマンヘッセは、文字で絵を描く作家である。
  • 荒野のおおかみ
    10代に読んだときよりもより内容が理解できた。

    ヘルマン・ヘッセは、大人になっても子供の心を持ち続けた稀有な作家と思う。
  • 郷愁
    とにかく、自然や主人公ペーターの周りの情景の描写が美しい。山間の小さな村も、湖も、街も、読んでいるだけで目に浮かぶくらい緻密で美しい表現。これまでに読んだヘッセの作品の中では、ストーリー的に大きな起伏がある方ではないが、全編にわたって「愛」と「死」による静かな感動が波のように押し寄せる作品だった。紆...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    外国文学というものがどうしても苦手なのです。そんな中オススメされたのがこの本でした。

    最初はやはり苦手意識が先行し、いつもよりは読むスピードがかなり遅かったのですがその中に紡がれている文章の綺麗さに、後半は割とスラスラ読むことができました。

    ものすごい感動があるわけでもないですが読んだ後、心に残...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    人生における様々な格言を集めた傑作集。読み終えることはなく、ことある毎に、何度も読み返し、その度に発見がある本です。
  • 知と愛
    ヘッセは「デミアン」しか読んでおらずまた記憶も曖昧な中、新聞記事で見かけ気になったので読んでみた。ゴルトムントがナルチスによって目覚めて放浪の旅をはじめてからの年月が頁を割いているが、ゴルトムントの傍らにはいつも愛が、つまりナルチスがいたということ。それがヨハネの像に結びついた場面を読んで、愛と芸術...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    高橋健二訳。染み入ってくる格言集ではあるが、抜粋ではなく原文できちんと読んだほうがもっと印象に残ると思う。
  • 青春は美わし
    異郷で放浪の生活を送り、帰郷した青年が故郷の美しさに改めて気づく。ちょうど実家に帰ったあとに読んだので、自分の地元のことを思い出しながら読みました。故郷を離れて暮らすことによって見えてくる故郷の美しさというのは本当にあると思います。
    同録の「ラテン語学校生」は、ヘッセ自身と重なる部分もある短いながら...続きを読む
  • 幸福論
    『車輪の下』で知られる
    ヘルマン・ヘッセのエッセー集。
    正直とっつきにくく、何度も挫折した。

    ただ、触れて行く中で、
    次第に味わいが増した。
    幸福を少年期のあらゆる束縛を
    離れた一瞬にして永遠たる時の中に見出す。
    まとめると『幸福は 時間を離れた 時の中』といったところでしょうか?

    【今日の一冊...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    童話集ということで宮沢賢治的なロマンチックな世界観をイメージして読んでみたら、初っ端からいきなり子どもに読ませてはいけないような話で、何ともヘッセらしいと思ってしまった。
    全編に共通することだけど、これは疲れた大人向けの作品集と言えるだろう。
    ヘッセの魅力はドロドロとした怨念にも似た感情を見事な...続きを読む
  • 幸福論
    短編集。
    お勧めは「幸福論」と「小がらす」。
    ストイックでもなく、エゴイストでもなく、ニヒルでもなく、なんともいえないすばらしいバランスを保った生き方。