高橋健二のレビュー一覧

  • 荒野のおおかみ

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    ユング心理学の「影」の概念についての本を読んだ直後だったので、かなり一面的に「影の克服」の物語として読んでしまったが、それが主題であることはたぶん間違ってないと思う。実際にヘッセはユング心理学に高い関心があったというし。私はこの小説で影は一つではないことを知った。あるいは1人の人の中の影にも多様な姿かたちがあることを理解した。平面的なものにとどまっていた影の概念の理解が深まり、驚きとともに嬉しい手応えがあった。物事の理解を深めるのは何も学術書だけではないのだなあ。物語を通して疑似体験できることはとても有意義なのだと実感した。物語としても、仮装舞踏会でのヘルミーネとの恋の踊りは本当に感動した。読

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    2017年01月14日
  • ヘッセ詩集

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    小説よりも自由で、ヘッセという人物の文体が限り無く課されていると思う。詩人になりたくてしょうがない、詩を書くより他ないと知った少年の心根が最初から最後までにじみ出ている。
    永遠の旅人。とどまることのできない時の中で、失われていった青春への憧れとのはざまを漂いながら今を過ごしていく。どこまでいっても今を生きていたから、時間の経過で詩人として成長していく様というよりかは、はじめから、ずっと一貫して流れていく様を見つめているといった感じ。何にもなじめず、どこにも安らぎを見いだせず、そんな自分を抱きしめるより他ない、やせっぽちの少年。
    小説では、じっくり考えて構成して、ひとつの表現を獲得していくのに対

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    2016年12月31日
  • 知と愛

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    ヘッセの人生というのは、常に知性と感覚のせめぎ合いだったのだろう。この激しい二項対立を抱えて生き続けたと言ってもいい。知るとは何だ。目の前にあるこの美しい景色を感じるこの心はなんだ。彼は幼い時からそう思う心を非常に大事にしてきたに違いない。彼にとって学問は感覚抜きに行われる、純粋に抽象的なものであったのだろう。なぜ、感じられもしないそんなことをしなければならないのか。どこまでも素直な彼にとって、こんな理不尽なことはない。彼はそうして何もかも捨てて飛び出していくのであった。
    旅に生き、流れのなかに生き、とめどないひとの世でさすらうということは、別れが必然であり、定住はできない。ひとが好きなのに、

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    2016年08月21日
  • 春の嵐

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    ネタバレ

     才能あふれるオペラ歌手であるムオトは、親友のクーンが自分の妻であるゲルトルートに恋をしていることに以前から気が付き悩んでいた。
     ある日ゲルトルートは病気になり休養のため実家に帰ることとなる。しかし期日を過ぎてもゲルトルートは戻ってこない。その背景には彼女の薄汚い父親とクーンによる陰謀が隠されているのにムオトは気づいていた。
     愛するゲルトルートが自分の元へ帰ってこないことに絶望したムオトは酒びたりになり、今では舞台の前に酔わなければ歌も満足に歌えない状態になってしまう。
     頼むゲルトルート、帰ってきてくれ。君がいないと僕は生きていけないんだ。
     次回『ムオト、天国への帰還』――そうだ、ゲル

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    2016年07月12日
  • 荒野のおおかみ

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    ALFEEの高見沢俊彦さんの推薦図書ということで、高校時代に買ったんですが、当時の私には難しくて読み進められず、序文だけ読んでそのままだったんですが、32歳になった今、やっと、読み終える事が出来ました。 不思議な事に当時はよく分からなかったのに、今になると、感銘を受ける箇所が幾つか有るんですよね。 ハリーハラーと私に共通点が有ると気付けたからでしょうね。 高校生時代は私自身が自分という人間がどういうものか、よく分かって居なかったんだろうなと思います。 因みにALFEEの曲に『春の嵐』という曲が有る。

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    2016年01月20日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    童話集と呼んでも差し支えない内容の寓話がぎっしりと詰まった作品。スケールが大きい、哲学的な(ブッ飛んだ)話も多いが、いくつかの話には共通点が見られる。
    「アウグスツス」と「アヤメ」ではそれが特に顕著だと思う。
    壮年期を迎えるに当たり、幼年期に持っていた宝を失ってしまったことに気付き、自身にとって大切なものが何かを探し、老いてようやく辿り着けるというプロセスが非常に似ている。
    就職活動で悩む人や、自分の仕事に疑問を感じている人に読んでほしい話だ。

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    2016年01月09日
  • 知と愛

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    知と愛、ナルチスとゴルトムント、一見反芻する立場の二人が互いに惹かれ合う姿を描いている物語。あとがきにあるように、この2つは永遠のテーマでもあるからそれをこのように物語として完成させた本書は素晴らしい。

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    2015年09月02日
  • 郷愁

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    ヘッセの出世作だが、「車輪の下」の後に読んだので、特段に強い印象は受けなかった。
    良くも悪くも「小説」といった内容で、個人的には、心に残るようなインパクトに乏しかった。

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    2015年03月30日
  • 春の嵐

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    ただいなくなってしまった人のことや、過ぎ去ったことを忘れず、痛みを内包しながらも、距離を埋めず、穏やかに生きて行く二人の姿に胸が痛くなった。

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    2015年03月26日
  • ゲーテ格言集

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    まさに金言の宝庫。しかも幅広い分野に造詣が深い。詩人らしくインパクトある言葉をコンパクトに表現しているので、一読してガツンと響く。『太陽が照れば塵も輝く。(「格言と反省」から)』なんて言葉をのっけから見せられたら吸い込まれないわけがない。さすがに愛や宗教については時代背景と地域性が強すぎて理解を超えてた感がある。

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    2015年01月03日
  • ゲーテ詩集

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    ゲーテ読んでみたくて。
    ランボーのような乾ききってどこまでも突き抜けていくようなするどさ・勢いは感じられなかった。落ち着いていて、目に映るものを静かに見守るような…
    収録されている詩の多くに漂う物語(ロマンス)は、ものすごく劇的で大衆受けを想定して書かれたもののように感じる。一方で無題のものは警句的なものが多く、短い中で確実に突き刺さってくる。
    いくつかの詩に見られるが、かなり読み手・読者に気を使っている。あれほど的確な警句を発せられる人物が、それほど気にかけ、苦心してことばを紡ぐのだから、まだまだ彼のいる世界に、こちら読み手は届いていない、そんな気がする。やさしいようでどこか絶望しているよう

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    2014年12月13日
  • ゲーテ詩集

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    【本の内容】
    向学心に燃え、たゆまぬ努力によって、生涯、自らの宇宙観を拡充していったゲーテの作品は、尽きざる泉にも似て、豊富多彩をきわめる。

    喜怒哀楽、叡智、恋……人間性への深い信頼にささえられ、世界文学に不滅の名をとどめるゲーテの抒情詩を中心に、物語詩、思想詩の代表的な作品を年代順に選び、彼の生活を背景に、その大宝庫を楽しむことができるよう編まれた独特の詩集である。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満

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    2014年10月04日
  • ゲーテ格言集

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    読書録「ゲーテ格言集」5

    編訳 高橋健二
    出版 新潮社

    P83より引用
    “仕事の圧迫は心にとってきわめてありがた
    いものだ。その重荷から解放されると、心は
    一段と自由に遊び、生活を楽しむ。仕事をせ
    ずにのんびりしている人間ほどみじめなもの
    はない。そんな人はどんなに美しい天分もい
    とわしく感じる。”

     目次から抜粋引用
    “愛と女性について
     人間と人間性について
     行動について
     幸福について
     経験の教え”

     世界中に影響を与え続ける芸術家の著作か
    ら、心に響く言葉を選び抜いた一冊。
     愛についてから日々の生活についてまで、
    時に気持ちを落ち着け時に奮い立たせる名言
    が収録されていま

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    2014年06月28日
  • メルヒェン(新潮文庫)

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    文豪・ヘッセが美しい言葉でつづるおとぎ話。一番最初と一番最後の話が良かった。言葉の裏にある物語の真意には気づけてないかもしれないけど。いやー、本当にヘッセは文章が美しくて読みやすい。その読みやすさゆえさらさらっと読んでしまっているんだけど。そのうち再読しよう。ヘッセの瞳で見る自然や世界はどうなんだろうっていつも思う。2012/177

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    2013年11月15日
  • 青春は美わし

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    人の記憶って忘れられるから良いものなのかな
    恋して、振られて、立ち直れるのは「忘れ」られるからなんだよねきっと
    人生辛いことあっても、いつか和らぐのは忘れられるから

    まーもちろん
    記憶として、思い出としては残るけど
    ずっと辛いまんまじゃないもんね

    辛い出来事乗り越えて、
    いつの日か、辛い出来事を思い返して笑えるってなんか素敵だよね

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    2013年11月10日
  • 知と愛

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    ネタバレ

    知と愛、論理と芸術という相反する二元性を描いた作品。
    互いの相反する役割を認識し、忘れ得ぬ友情を育みながら別々の世界で生きて、互いを認め合うところにまで到達した二人に賞賛を与えたい。ゴルトムントは最後まで求め続けてきた母の偶像を作り上げることができなかったが、彼の死によって彼自身の人生とその芸術が完成されたような感覚を得た。人生に対する美学を感じた作品だった。

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    2013年10月03日
  • 荒野のおおかみ

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    ヘッセの自伝的要素を含んだ作品。非常に良かった。『車輪の下』のような系譜ではないものの作家として円熟期を迎えつつある作者の魂の叫びが聞こえるような。秋になるとヘッセが読みたくなるのは読書の秋のせいかしら。2013/289

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    2013年09月25日
  • 春の嵐

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    久々に海外古典を読んだ。 ヘッセの書く文章は本当に美しい。 風景描写も、心理描写も。主人公の内面の成長がわかる後半は特に素晴らしい。2011/087

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    2013年09月13日
  • 春の嵐

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    不具になってから、満たされない思いを抱きつつも、音楽家として穏やかで落ち着いた人生を歩む主人公。ヘッセらしい優しい物語。

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    2013年05月22日
  • クヌルプ

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    もう一度、また少したったら読みたい。
    ありのままを受け入れること、そうなれるまであとどれくらいかかるだろうか。

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    2013年04月27日