高橋健二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレあんまり格言集とか読んだことがなかったんですが
たまにはと思い読んでみました。
途中まで…愛とか,人間性とか,宗教とか…あんまりピンと来なかったんですが…。
「うーん,確かに,いいこと言ってるんだろうな,でも琴線に触れるような感覚はないなー」と思いながら読み後半へ突入。
「人生について」「経験の教え」「人生の憂鬱」あたりに差し掛かったら,あれ,面白い!と思えてきました。
思うに,自分が抱えてる問題や悩みに近いことだったりすると,
ハッとさせられるんでしょうね。
格言集に実用性を求めるなら,ただダラダラと最初から最後まで読むよりも,悩んだときに自分の悩みに近い部分を読む,それがいいのかもし -
Posted by ブクログ
ヘッセは「デミアン」しか読んでおらずまた記憶も曖昧な中、新聞記事で見かけ気になったので読んでみた。ゴルトムントがナルチスによって目覚めて放浪の旅をはじめてからの年月が頁を割いているが、ゴルトムントの傍らにはいつも愛が、つまりナルチスがいたということ。それがヨハネの像に結びついた場面を読んで、愛と芸術を心に抱きながらも表わそうとしたものが精神のひとナルチスだということに心震えた。終盤の対話で「自分を実現する」という部分があったがとても興味深くて夢中で読んだ。これまでの物語によってこの対話がより際立っていた。
(素晴らしい読書体験だったのは間違いないのですが、やっぱりどうにも難しくて何一つ理解でき -
Posted by ブクログ
ネタバレ『車輪の下』で知られる
ヘルマン・ヘッセのエッセー集。
正直とっつきにくく、何度も挫折した。
ただ、触れて行く中で、
次第に味わいが増した。
幸福を少年期のあらゆる束縛を
離れた一瞬にして永遠たる時の中に見出す。
まとめると『幸福は 時間を離れた 時の中』といったところでしょうか?
【今日の一冊11『幸福論』2016/01/09】
『車輪の下』『ガラス玉演戯』で、
知られるノーベル賞作家
ヘルマン・ヘッセのエッセイ集。
タイトルとなった「幸福論」、
宮沢賢治「永訣の朝」を彷彿させる
「マルラのために」など14編。
その中から、
「日本の私の読者に」に
ついて、少しご紹介を。
195 -
Posted by ブクログ
童話集ということで宮沢賢治的なロマンチックな世界観をイメージして読んでみたら、初っ端からいきなり子どもに読ませてはいけないような話で、何ともヘッセらしいと思ってしまった。
全編に共通することだけど、これは疲れた大人向けの作品集と言えるだろう。
ヘッセの魅力はドロドロとした怨念にも似た感情を見事なまでの美文で表現しているところにあると思うのだけど、それはこの作品集に所収されている短編童話でもその本領を発揮している。
ここまで詩的な美しさがありながら読み易い文章を書ける人もそういないと思う(もちろん翻訳も素晴らしいのだろうけど、原文で読める能力がない自分が本当に惜しい)。
特に印象に残った -
Posted by ブクログ
この訳を「メルヘン」じゃなくて「メルヒェン」にした高橋健二はエライ!!どっからどーみても絶妙にメルヒェン。穏やかで情熱的な話の展開とか、優しい登場人物がいまいち甘やかしてくれないところとか、どーにもドイツ文学。なにより美しい。
アウグスツスが一番人気みたいですが、わたしは詩人がとても興味深かったです。
男の人が男主人公でえがく求道小説というのは読んでいて「自分勝手だなあ!」と思ってしまうことが多いのですが、この話は前半多少汗臭いものの全体的に童話っぽくてなんとなく可愛らしい。とても短い話なんだけどちゃんとポエティックで、ラストはゆっくりと息を吐いてしまいました。
五感全部で小説を読んだのは -
Posted by ブクログ
狭い故郷を離れ都会に出たアルプスの自然児ペーターは、文筆家として身を立てるが、都会の文明に失望し、幻滅を感じるようになる。この彼を救ったのは、美しい少女エリーザベトへの愛と、姿は醜いけれども美しい魂を持った身障者ボピーへの愛の奉仕であった。ボピーの死後、自然に包まれた故郷へ帰ったペーターが、そこで見出したものとは──。
物語の中で、彼は幾度か大切な友の死を経験することになる。そして彼の恋は、いつも片想いで終わってしまう。
彼の人生の中で幸福かと言われる時期はないように見えてしまうけれども、大切な友と過ごした時間は、彼にとってとても大切なものであったのではないだろうか。
幸せになってほしいと、