高橋健二のレビュー一覧
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ネタバレ市民的なものを嫌う隠者が、わざわざ最も市民的で規則に囚われた生活をしているものの提供する家に住む。
狼(本能的と厭世的)とハリー(市民的で俗物的)の2面性の板挟みになり、どちらも身を投じて楽しむことの出来ないハリー。前半では「狂人しか立ち入り禁止!」という自分と通ずる張り紙を見つけて、入る方法を模索するが、ついぞ入れることは無かった。
ある日飲食店に行った帰りに、墓に立ち寄ったら(この辺うろ覚え)狂人しか立ち入り禁止!を掲げていた男が葬式の参列者として参加していた。話しかけてみるが、なんのことか分からないとしらを切られてしまう。その帰りにハリーはオオカミに内心笑われつつ、旧友である教授にで -
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10歳の少年シンクレールが、明るく正しい父母の世界と、漠然と憧れていた暗い悪の世界、この明暗2つの世界を揺れ動きながら、年長の友人デミアンとの出会いにより自我を求めていく成長過程を描いた小説でした。
正直なところ、翻訳された文章に手こずり、私には少々難解な小説となってしまいました。結局ストーリーを追うばかりで、シンクレールやデミアンの心の動きをつぶさに感じとることが出来ませんでした。明暗2つの世界、自我の確立など、哲学的な内容であったにも関わらず、翻訳が原文の直訳なのか原文に書かれているであろう比喩的表現の翻訳が読み難く、内容が十分に伝わってこないのは残念でした。テーマは誰もが成長期に経験す -
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中学生のころに読んだはずであるが、いまいち内容を覚えておらずあらためて読むことにした。
著者のヘルマン・ヘッセは1946年のノーベル文学賞受賞者で、車輪の下は1905年の発表作品だ。
ヘッセの自伝的な作品とされるが、内容は結構ぐさりとくるものであった。
神学校入学からのその後の寮生活は暗澹たるシーンが続き、生々しい心理描写が綴られていいく。
自分は一気に読めず、数日に分けてこのあたりを読み進めた。
主人公の少年の置かれた環境は、逃げ場がなく、空気があるのに窒息してしまうようなものであったと思う。
そして、周囲の大人たちこそが、この作品のもう一つのキーになってくる。
架空の主人公な -
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主人公のクヌルプは、とても魅力的な青年に感じました。
作中に出てくる登場人物たちも、彼を慕っていて、彼が来ると食事やお酒を与え、寝床まで提供します。
しかし、彼はどこにも定住しません。人生に悩んでいるのです。
なぜ、彼にこんなに魅力を感じるのかは、理屈ではなかなか説明できませんが、最後の神様との対話で、その理由が少しわかった気がします。
それは彼が自分の生き様に対して、本気で悩む人だったからです。
最初の頃は、どちらかというと、物事を斜めから見るような印象が強いクヌルプですが、それは彼なりの物事に対する「真摯な態度」の表れだったのかもしれません。