高橋健二のレビュー一覧
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ネタバレ師弟関係のような緊密な人間関係に注目するヘッセではなく、1人の人間の変遷に注目するヘッセだった
粗野な家系に生まれた自然を愛する田舎者の主人公が、変わり者の叔父に勧められて学問の道へ進むことになる
しかし中高では周りに馴染めず、1人屋根裏部屋で本を読んで詩を書いて過ごしていた
大学に進学してからは音楽と芸術を愛する快活な友人ができ、そこを経由して芸術家である想い人もできた
そんな友人は卒業旅行の数日後に川で溺れ死に、想い人は別の人が好きだった
学生生活で唯一得られたものは友情だとも言っていた主人公は打ちひしがれて
酒に溺れるようになった
それでも歴史批評と詩作とを続け仕事にしながら、学者友人の -
Posted by ブクログ
シッダールタとゴーヴィンダの修行の話かと思ったら、要はヘッセ自身の宗教的体験の告白、とはいえ実際にインドへ行ったとかではなく、心の内面の修行
だから第一部と第二部では書かれた時期が異なるとの事、
欲のまま生きる人間らしさを通り抜け、川からの語りを、自身の言葉を遮る事なく聞き続けてくれる川渡しのヴァーズデーヴァとの出会い、再会、悟りを開くとは、ことば、とは、なかなか深い
短い文章だが時間がかかる、そして再読必須かと
今はまだ星3つ、本当に理解するには時間が必要
「きのう私は、考えること、待つこと、断食することができる、とあなたに言いましたが、そんなことは何の役にも立たない、とあなたは思い -
Posted by ブクログ
ネタバレ学問と理性と秩序を象徴するナルチスと、芸術と感情と自由を象徴するゴルトムントを主に進んでいく。修道院で出会った2人は、ナルチスが憧れられる指導者として、ゴルトムントが憧れる生徒として関係を深めていく。ゴルトムントはある日ナルチスに母を忘れていることを目覚めさせられ、芸術に向いていることを諭され、旅に出ることになった。
自由で快活な好青年ゴルトムントは、森の冷たさや恐ろしさや飢えと情欲と女とを知り徐々に大人になっていく。女の元を転々として愛を学んでいたゴルトムントは、ある日翻訳家として騎士に雇われそこ姉妹の姉と愛を育む。妹にバレ、妹も参戦したその日に騎士に追放された。次に同じお気楽で打算的な放 -
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依存から自立へ向かう過程があまりにも生々しくて、読んでいて正直しんどかった。
シンクレールの思春期は、友人関係に揺れ、両親との距離にも違和感を抱えながら、デミアンという存在に救われていく。でも読み進めるうちに気づくのは、デミアンは「外から与えられる導き」ではなく、自分の中に取り込まれていくものだったということ。
特に強く残ったのは、「善だけでなく、悪や衝動も自分の一部として認める」という感覚。言葉にするとシンプルだけど、実際には逃げ場のない重さがある。
自立するというのは、綺麗な自分だけで生きることじゃなくて、そういう矛盾や衝動ごと引き受けて、自分で自分を導いていくことなのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ヘッセの作品は「車輪の下」「デミアン」「知と愛」以来だと思う。かなり前に読んだ記憶。
この作品は正直、個人的には読みやすくはなかった。「人間」と「荒野のおおかみ」に自己分裂した中年男の、現代社会での苦悩が続く。市民的に生きられないと言うものの市井に住み、社会に呪詛を投げかけるも社会からも逃れられない。とある女性と出会い変化していくのだが、ラストのある種の幻想的なシーンの連続は難解に感じた。
さて、文庫のあとがきで訳者が、この書が「ヒッピーの聖書」に祭り上げられた、と書いていて驚いた。確かにヘッセが時代を先取りしていた部分は、この作品を読めばよく分かる。しかし、私の生まれるかなり前に存在して