高橋健二のレビュー一覧
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青春は美わし の方はあまり刺さらず。
街に帰ってきて出ていくまでを描いた作品だけどあまり目立った事は起こらなかったように思う。
ラテン語学校生はとても良かった!テンポもよく、流れもスッキリしていて読みやすい。
他のヘッセ作品と似たような境遇の主人公だが、珍しく主人公が思いを寄せる女性からの視点からも描かれていた。彼女が主人公を裏切って(あまり裏切りという感じはしなかったが結果的に)しまった際に彼女からの謝罪があったのが印象的。クヌルプではこのフォローがなかったから彼は放浪の旅に出ることになってしまったわけだし。
主人公が成長していく過程とその成長した結果がとても好きな作品です。
生き物を飼 -
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ノーベル文学賞受賞作家ヘルマン・ヘッセの代表作。日本では一番読まれている印象だが、解説に拠ると本国独逸ではヘッセ作品の中では第八位らしい。
神童ハンス・ギーベンラートが幼少期のスパルタ的教育を経て晴れて入学した神学校での生活とそこでの挫折及びその後。
ハンスが神学校に入学するまでは何て退屈な小説だろうと思った。叢で飛蝗を捕まえて釣りに興じるシーンなど、何の必要があるのかと首を傾げたものだが、読み進めるにつれて作中で殆ど唯一ハンス少年が心から主体的な生を楽しんでいる場面だったと解る。
確かにハンスには天稟があった。然しそれゆえに施された教育の数々は必ずしもハンスの望んだものでは無か -
Posted by ブクログ
10年前くらいに買って、当時は最後まで読めず。年をとったら読むとすらすら読めました。
あらすじとしては将来有望な若者がまわりの環境に流されてどんどん堕落してしまうお話。
これってよくある話だと思うんです。小さい頃は夢も希望もあって、将来も嘱望されていたけど、気づいたら凡庸な人生で終わってしまう、何者にもなれなかった的な。どちらかというと何かつぶされるよりも、上には上がいる現実を知ってつぶされるパターンのほうが多いですが。
ハンス(主人公)の場合、彼のつぶしたのは家庭と学校(先生)になります。(実は友人のハイルナーかもしれないけど、それはおいといて)なのでメッセージとしては、家庭と学校は本 -
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「早春」「クヌルプの思い出」「最期」の3編から成る。
年上の初恋の娘に裏切られた時から、クヌルプの漂泊の人生が始まる。旅人となり放浪する彼は、自然と人生の美しさを見いだす生活の芸術家となり、行く先々で人々の生活に灯りをともす。肺を病んで雪の中で倒れ、人生を後悔する彼に、神は彼らしく生きたと語りかける。
「早春」「クヌルプの思い出」と読み進めていて、この話の何が名作なんだろうかと、正直疑問に思った。クヌルプは、私には、わがままで厚かましく、自己中心的が過ぎるような気がした。誰もが彼を好いて、きれいな子供が屈託なく生き進んでいるかのように評し、放浪している彼に喜んで手を差し伸べている。それが -
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Posted by ブクログ
最近ショーペンハウアーの本を読み、ゲーテの引用が多くあることに気がついた。調べてみるとショーペンハウアーはゲーテとの出会いに「生涯で最も幸福だった出来事」の一つとして数えているらしい。
相当親しい友好関係を築いていたのだろう、数多く引用があったことから考えが似ているのだろうと思い読んでみた。
この本はゲーテの思想を手軽に知れる本。深く知りたい方には物足りないが初心者にはお勧めだ。
内容は各テーマごとに短い文や詩が記されており、短い文ながら的を得たものが多くある。中には理解し難いものもあるが、そういったものは気にせず読み飛ばして良いと思う。
難解なものは後にもう一度読み返した時理解できれば良い