高橋健二のレビュー一覧

  • クヌルプ

    Posted by ブクログ

    気ままに生きる人間でちょっと理解しがたい所もあった。
    周りを見下している節もあったが、最後に自分の生き方を肯定してもらって死んでいく。普通の生き方を嫌がってたが、それでも迷いはあったのだろう。
    やっぱり理解が難しい人間だった…。感想が難しい。何を読んだかよく分からなかった。

    0
    2024年05月08日
  • 青春は美わし

    Posted by ブクログ

    青春は美わし の方はあまり刺さらず。
    街に帰ってきて出ていくまでを描いた作品だけどあまり目立った事は起こらなかったように思う。

    ラテン語学校生はとても良かった!テンポもよく、流れもスッキリしていて読みやすい。
    他のヘッセ作品と似たような境遇の主人公だが、珍しく主人公が思いを寄せる女性からの視点からも描かれていた。彼女が主人公を裏切って(あまり裏切りという感じはしなかったが結果的に)しまった際に彼女からの謝罪があったのが印象的。クヌルプではこのフォローがなかったから彼は放浪の旅に出ることになってしまったわけだし。

    主人公が成長していく過程とその成長した結果がとても好きな作品です。
    生き物を飼

    0
    2024年05月10日
  • 春の嵐

    Posted by ブクログ

    人間の無力さ、強さ。人生における孤独。青年時代と老年時代。テーマは刺さったが物語としては退屈だった。
    青年時代は利己主義、老年時代とは他人のための生活・・これには思うところがあり納得。
    そこまで大人な人間がどれだけいるのだろう。現代は、まさに利己主義が拡大している。いわば子供のままの大人が沢山いる状態だなと思う。

    0
    2023年10月20日
  • 郷愁

    Posted by ブクログ

    大阪の古本屋で出会った本。

    雲を眺めるのが何よりも好きだった。
    田舎から都会に出て多くのことを経験し、
    きっとこう言った出会いや葛藤が個人としての等身大の経験な気がして、親近感が湧く。
    田舎の世間の狭さや、都会の寂しさ。
    人生そのものがネタとなる詩人という職業は永遠の憧れ。

    0
    2023年06月02日
  • クヌルプ

    Posted by ブクログ

    「早春」「クヌルプの思い出」「最期」の3編から成る。

     年上の初恋の娘に裏切られた時から、クヌルプの漂泊の人生が始まる。旅人となり放浪する彼は、自然と人生の美しさを見いだす生活の芸術家となり、行く先々で人々の生活に灯りをともす。肺を病んで雪の中で倒れ、人生を後悔する彼に、神は彼らしく生きたと語りかける。

    「早春」「クヌルプの思い出」と読み進めていて、この話の何が名作なんだろうかと、正直疑問に思った。クヌルプは、私には、わがままで厚かましく、自己中心的が過ぎるような気がした。誰もが彼を好いて、きれいな子供が屈託なく生き進んでいるかのように評し、放浪している彼に喜んで手を差し伸べている。それが

    0
    2022年09月30日
  • グリム兄弟とアンデルセン

    Posted by ブクログ

    研究者としてのグリム兄弟、旅人としてのアンデルセン。童話作家としての認知しかなかったけど、こんなに作品の背景が違うのかと驚いた。それぞれの人生も興味深い。

    0
    2022年08月05日
  • 春の嵐

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    障害を負ってしまい、普通の恋愛もできなくなってしまった主人公と、彼を巡る人々の人生が淡々と描かれる。ゲルトルート、ムオト、両親、ブリギッテなど、障害者ではない体をもつ人々も、結局のところいろいろなものを失っていく。この淡々さが良いですね。
    主人公の母親と友人の友情が破綻する、利己的な友人とのエピソードって、極端に書かれてるけど、ああ、こういう母親の友人みたいな人リアルでも存在してそう…。

    0
    2022年04月23日
  • 知と愛

    Posted by ブクログ

    やっぱりヘッセの小説には女性的・母性的なものへの憧れやコンプレックスが満ちている。真面目な人だったんだろうな。

    0
    2022年04月14日
  • ゲーテ格言集

    Posted by ブクログ

    最近ショーペンハウアーの本を読み、ゲーテの引用が多くあることに気がついた。調べてみるとショーペンハウアーはゲーテとの出会いに「生涯で最も幸福だった出来事」の一つとして数えているらしい。
    相当親しい友好関係を築いていたのだろう、数多く引用があったことから考えが似ているのだろうと思い読んでみた。

    この本はゲーテの思想を手軽に知れる本。深く知りたい方には物足りないが初心者にはお勧めだ。
    内容は各テーマごとに短い文や詩が記されており、短い文ながら的を得たものが多くある。中には理解し難いものもあるが、そういったものは気にせず読み飛ばして良いと思う。
    難解なものは後にもう一度読み返した時理解できれば良い

    0
    2022年03月29日
  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

    最初の方は文章がちょっと読みづらくて、読み進めるのに時間がかかったが、途中からどんどん読みやすくなってきた。
    人間は言葉とか思想じゃなくて、実際の経験の中で失敗したりして学ぶし、成長するんだなと思った。

    0
    2022年03月27日
  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

    隅から隅までヘッセ。それもかなり宗教寄りのヘッセ。訳の影響もある気がするけど、最初は読み辛い。慣れるとそうでもない。宗教っぽくて一段上から物を言ってる感じなんだけど、結局のところ人間は人間らしくいるのが一番、そう言ってるように思える。人間界、ふるさとの心地良さ的な。川の声なんて川のすぐそばじゃないと聞こえない。人の声、人の心もまた同じ。感じる力を研ぎ澄ませ。

    0
    2022年03月26日
  • 荒野のおおかみ

    Posted by ブクログ

    相変わらず難しい。ヘッセの小説はいつも難しい。でも、引き込まれる。どんどん読んでしまう。結局難しくて、読み終わってもボヤッとしたまま。僕にとってはそれがヘッセ。それがヘッセのいいところ。
    反対派は賛成派に寄りかかってる。黒が白に寄りかかるように。夜がなければ朝もない。変り者も時間も何もかもが、そうではないものに寄りかかってる。そういうことなのかも知れない。

    0
    2022年02月25日
  • ヘッセ詩集

    Posted by ブクログ

    ヘッセの全詩集から抜粋された代表作。この詩集には、ヘッセ自身の孤独感、寂寥感といったものが強くまとわりついているように感じる。彼の小説には、家庭の温かみを描いたものが少ない。この詩集でも、そうした絆や人との触れあいのようなものがほぼ感じられない。ヘッセらしいと言えばらしいのだが、今の私ではなかなかシンクロできなかった。それにしても、これだけの叙情的な詩を訳すのは難しかったのではないだろうか。

    0
    2022年01月09日
  • 知と愛

    Posted by ブクログ

    『目標はこうだ。
    自分が一番よく仕えあるところに、
    自分の流儀や特性や天分が
    最上の地盤と最大の活動の分野を
    見出しうるところに、
    常に自分を置くことだ。』
    ここの部分がすき。

    0
    2022年01月08日
  • 車輪の下

    Posted by ブクログ

    ハンスの不幸は周囲の人たちが彼を理解していなかったということ以上に、彼自身が自分のやりたいことやりたくないことを理解できていなかったことなんじゃないかと思った

    0
    2024年09月08日
  • ゲーテ格言集

    Posted by ブクログ

    「言え、どうしたらスズメを追い払えるかを」と園丁が言った。「それに、毛虫や、さらにカブト虫の族や、モグラや、ノミトビヨロイ虫や、黄バチや、ウジ虫や、これら悪魔の子を?」―― 「そのままにしておけ。そうすれば、たがいに食いつくし合う。」 上手い例えに関心しました。

    0
    2021年08月06日
  • メルヒェン(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    大人向けの創作童話集。8編収録。自然の美しい描写で心が洗われたり、生や死などに関する観念的な語りかけによってその世界にどっぷり浸れたりするような素晴らしい作品たちである。いつの時代でも心に響く内容で、かつ、文体も柔らかいため、子どもから大人まで幅広く楽しめるのではないだうろか。

    0
    2021年08月02日
  • 荒野のおおかみ

    Posted by ブクログ

    ▪️印象に残った言葉やシーン
    荒野のおおかみの論文に書かれていた「ハリーが一つないし二つの魂あるいは人格から成り立っていると思うのは空想に過ぎない。人間はみな、十、百、千の魂から成り立っている」。

    ヘルミーネがハリーに対して言った「あんたは精神的なものが高く発達しているかわりに、いろいろな処世術が酷く遅れている。思想家ハリーは百歳だけど、踊り手ハリーは半日そこらの赤ん坊。同じくらい発育の悪い小さな兄弟たちも含めて、これから私たちが育てていく」。

    ハリーの人格や魂が分裂してできた、老人、青年、女性、強いの、弱いのなどの多数の駒が、将棋盤の上で遊んだり、戦ったり、同盟を組んだり、結婚したりする

    0
    2021年04月18日
  • 青春は美わし

    Posted by ブクログ

    翻訳された本だからなのか、登場人物の感情の表現が淡々としている印象だった。物語自体は短いのですぐ読み切れるが、ドラマチックな展開を求める人にはあまりオススメではない。

    0
    2021年02月03日
  • シッダールタ

    Posted by ブクログ

     シッダールタは釈尊の出家以前の名前であるが、これは別の求道者の話。
    シッダールタはバラモンの子であるが、普通のバラモン僧になる気はなく、父の反対を押し切って、沙門(苦行僧)の仲間入りをする。
     修行のなかで無我を目指し、誰よりも無我に近い所に辿りつけるが、疑問を感じる。ある日、仏陀に出会い、この世で一番尊敬出来る師だと思った。親友は仏陀の弟子になるが、シッダールタは「教えられる」ということには興味をもてなくなり、一人、仏陀からも沙門の仲間からも離れて修行を続けようとする。
     虚しさのあまり、考えぬいた結果、自我に目覚め、町のほうへ歩いて行く。随一の遊女カマーラに出会い、愛について教えを乞う。

    0
    2020年12月05日