高橋健二のレビュー一覧

  • 幸福論
    幸福とは何か。没時間性とは何か。どういうときが幸福なのかをヘッセ流に書いたものです。こういう幸福論もありかなと、しばらくはかぶれながら過ごしました。一理ある幸福論です。
  • 春の嵐
    卑屈で自尊心の高い主人公の失恋劇は武者小路先生の失恋節に通じるものがあって、私は非常に大好物です。案の定これも、とても面白かったのですが、途中主人公があまりに卑屈すぎて、ちょっと胃もたれ起こしてしまいました。だってヘッセの本当のメインはヒロインでなく親友との友情だもの!
  • ヘッセ詩集
    ぴたりとくるのがいくつかあった。

    でも真っ昼間に読むもんじゃないなあ。
    しんみりしてしまう。
    2011.5.25
  • 知と愛
    久方ぶりにヘッセをば。
    で読んだのだけど、読み終わった後泥のように眠った。
    読む力衰えてるのかもしれない。

    知と愛。
    原題はNarziss und Goldmund。

    修道院長になるナルチス(宗教家としてではなく、自らをあくまでも学者・思索家として定義しているのがこの人物の造形の肝ではないかと思...続きを読む
  • 青春は美わし
    あえて言いたい。
    青春は美わしくない、と。
    この本は初恋を軸にした小説が2篇収められおり、分量も少ないのであっさり読み切れると思う。
    ただヘッセの作品群においてそんなに重要ではないかと。
    初恋とかもうね・・・下らないでしょう。
    いや、男はそう思うしかないの。
    実際振り返ると美しいという感...続きを読む
  • ゲーテ詩集
    一言で言えば、「高ぶる感情」を言葉にした詩。
    全てがクライマックス。

    当時の音楽家が壮大な曲をつけたがるのもよくわかる。
  • 知と愛
    美しいしとても整っているしついでに萌えるし、良い小説。でも結局『デミアン』の一展開に留まるように思う。それを超えた内容はない。
  • 春の嵐
    少年時代の淡い恋が、暴走した橇と共に過ぎ去ったとき、不具になったクーンは音楽に志した。魂の叫びを綴った彼の歌曲は、オペラの名歌手ムオトの眼にとまり、二人の間に不思議な友情が生まれる。やがて彼らの前に出現した永遠の女性ゲルトルートをムオトに奪われるが、彼は静かに諦観する境地に達する・・・。

    あとがき...続きを読む
  • ゲーテ詩集
    有名な魔王の詩も載っているし、
    好きだなと思える詩もありました。
    個人的には愛ばかり語られている詩は好きじゃなくて、
    そういう詩の方が多いんだけど。

    月に寄す が気に入って、それをネットで調べたら、
    ミヒャエル・エンデ氏がこの詩の月とアポロの行った泥の地表の月と
    同じ物だろうか?と読者に質問を投げ...続きを読む
  • ゲーテ詩集
    小学6年生あたりで読んだんだと思う。姉の持ち物で本棚にあるのは好きに読んでいいことになっていたので。
    今、じゃあどんな詩だったかというと覚えていないのだけれど、当時の私はとても感動していたということは覚えています。
  • 幸福論
    -幸福を体験するためには、何よりも、時間に支配されないこと、同時に恐怖や希望に支配されないこと-

    ノーベル文学賞受賞者、ヘルマン・ヘッセの晩年の随想・小品をヘッセと親交のあった訳者、高橋健二氏が「人生の意味をふかく具体性ゆたかにとらえているものを選んで訳出」した名冊。引用は本書タイトルにもなった「...続きを読む
  • 幸福論
    幸福とは相対化する対象があって初めて機能する感覚なのだろうか。
    今、幸福だと感じている人はそれそのものに対して幸福を感じているのか、それとも誰かとあるいは過去の自分と比較して幸福であると感じているのだろうか。
    幸福を定義づけられるほどの哲学も持ち合わせていないので、そんなものは場合によるし人それぞれ...続きを読む
  • ゲーテ詩集
    あざけりや侮りを忍ばねばならぬのでしたら、私一人で忍びます。
    私はあの方をよく存知、あの方も私をよく存じています。それは神様もよくご承知であります。

    いかなる人間も神々と力競うべからず。

    人間は気高くあれ、情け深く優しくあれ!

    我々にはいろいろ理解できないことがある、生き続けていけ、きっとわか...続きを読む
  • ヘッセ詩集
    初期作品(1902年)から後期まで多くの美しい作品が多い。
    Weil ich dich liebe.
  • 郷愁
    よ、読みにくかった。喉の通りにくさはコントレックス並み。
    生まれ持った性質には逆らわないのが賢明よ、って話。
  • ゲーテ詩集
    ガンダムXか何かの影響で気付けば買ってた。当時の私意味不明。
    年齢的にもちょっと意味不明だった。今読んだら違うんだろうなあ、と思ってる……
  • クヌルプ
    クヌルプの自由な放浪生活と人柄に憧れます。
    その代償も書かれていますが、どんな人生にも代償はあると思う。
    個人的に好きな本。
  • 車輪の下
    色々な要素が詰まった青春小説。子供の気持ちを省みることなく勉強させる大人たち、誰にも理解されないと感じることで至る孤独と虚無、一歩外の世界に出て出会う新しいタイプの人間(友達)、勉強ができることによる身の丈以上のプライドとそれとは対照的な力仕事をしてる人たちの自然な振る舞い、小さい頃の友達とのまった...続きを読む
  • 幸福論
    【本書より】人間が生活の苦難や危険のただ中にあってもそういうものを楽しむことができるかぎり、つまり、自然や絵画の中の色彩の戯れや、あらしや海の声の中の呼びかけや、人間の作った音楽などをたのしむことができるかぎり、また、利害や困難などの表面の奥で、世界を全体として見たり感じたりすることができるかぎり、...続きを読む
  • 春の嵐
    ここまで描けるとは…!漫画でいうと一こまの中にぎゅっと情報を詰め込む。あの暖炉?の間のシーン 嵐の中で叫ぶとその声は聞こえない。