高橋健二のレビュー一覧
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ネタバレ解説に小説としてのストーリーはないが、散文詩としてのまとまりがある、と記されている。その通りで筋らしいものはない。1部はクヌルプの気障なところが見える。2部は友との哲学的対話。3部がメインだろう。この最期に感じたクヌルプの人生の決着が、この小説の最も重要なシーンだと思われる。普通の人のように、人生に対して建設的に臨めなかったが、周囲に子供っぽい笑顔を振りまくクヌルプらしい人生だった、というわけだ。
「彼は才能があったのに、何故落ちぶれてしまったんだろうか」という問いに対する答えがこの小説にある。
落ちぶれた人クヌルプ…しかし彼は落ちぶれてなどいない。
自由気ままな旅人だ。解説にはエリートより -
Posted by ブクログ
見どころがありそうなだけに惜しい作品。1クール目だけはおもしろいアニメみたいなかんじ。もっと跳躍できそうなのに、やはりいつものヘッセである。
クヌルプの漂白の人生。彼は美青年で気ままで不思議なところがあり、かならず娘っこたちの目にとまる。彼のときおり口ずさむ詩や、生活をいとなむうえではいくらも役にたたない手先の器用さは「人々の息苦しい生活に一脈の明るさとくつろぎをもたらす。」
作者のいうことを鵜呑みにすれば、そうなのだろう。けれどもぼくにはこのクヌルプという人物が真から人を和ませることのできる人物とはとても思えない。なぜなら彼の性格はやはりヘッセ的気難しさであって、それがクヌルプの柔和な性 -
Posted by ブクログ
メルヒェン/ヘルマン・ヘッセ 読んだ。
解説にもあるとおり、母から授かった無償の愛と死生に対する考察が混じりあって、価値観の放擲がなんどとなくくり返される。憧憬と回帰に関する一貫したテーマのなかで、短編集ながら連作を思わす生活くささが妙に生々しい。
メルヘンとはなにか、読みすすめるうちに何度となくこう自問したくなる。この一冊の中に読み取るべきものは『アヤメ』のなかで、他作品とくらべてスローダウンした筆致で書かれてあるのでページを戻りながら読むとわかりやすいが、読み終わってそこに答え(救いのようなもの)をもとめるなら「ノー」と言わざるを得ない。
たち返ることが必要で純粋なものに同調し、なじむこと -
Posted by ブクログ
ゲーテの格言といえば、大学生の頃に気に入ったフレーズがあって就職活動のノートに貼付けていた。なんていうか、自分が流されないようにするために。
そして今再びゲーテの格言に触れて。格言というものは、その時々で自分の心が反応するものが違って、自分を顧みるうえで面白い。
当時のお気に入りはコレ▼
「人生の5原則」
すばらしい人生を築きたいと思ったら
過ぎ去ったことは気にせず
腹を立てないように努め
いつも現在をたのしみ
とりわけ誰も憎まず
先のことは神様に任せること
当時は、「自分の心のあり方」にすごく関心があったのだと思う。
そして、新たに関心をよせたフレーズはコチラ▼
・人間のあやまちこそ人