高橋健二のレビュー一覧

  • デミアン
    なんかめっちゃ好きだった。
    後半全然意味わかんなかったからいつかもう一回読みたい。
    全人類にすすめて感想をききたい。
  • デミアン
    文学少年少女であれば避けては通れないヘッセの名作。ということを知って興味が湧いたので読んでみた。
    読み進むほどにぐいぐいと引き込まれていった。親が築いてくれた清く正しい世界から足を踏み外してしまったときの恐怖感、戸惑い、親に対して生まれる初めての疑念と失望は、(何歳のころだったかは思い出せないけど)...続きを読む
  • 知と愛
    原題は『ナルチスとゴルトムント』。知と精神の世界に生きる師ナルチストと、愛と芸術の世界に生きるゴルトムントを描く。ゴルトムントは修道院に入って神に帰依するはずだったが、ナルチスの影響により、愛や芸術の世界に目覚め放浪の旅に出る。清く正しい世界を目指した者が愛欲に溺れ廃退していく姿に、正直戸惑いはあっ...続きを読む
  • シッダールタ
    「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」とは、あまりに有名で、あまりにも示唆的な方丈記の冒頭である。そこんとこ詳しく教えて下さいよ長明さん、とばかり方丈記を手にとっても大したことは書かれておらず、がっかり。そんなあなたは、本書を読むべき。よもや続きはこんなところにあったかと驚く。

    ...続きを読む
  • 郷愁
    ヘッセの処女作。自然を愛するペーターの成長を描いた作品。失恋や親・親友の喪失など、人生の壁に何度もぶつかりながら、強く、清く、正直に生きようとする。ヘッセの他の作品と比べると、自然に対する細やかな美しい情景描写が特長のひとつではないだろうか。小説を読みながら、自然に溶け込むような一体感をも感じる、素...続きを読む
  • シッダールタ
    シッダールタという求道者が悟りの境地に達するまでの体験を描いた作品。あらゆる師の教えは決して彼を満足させられなかったが、自らの体験と苦悩を経て、すべてをありのままに受け入れることでシッダールタは悟りの境地に達する。高尚な言葉で綴られた書物よりはるかに、この本の中に真実が隠されているような気がする。ま...続きを読む
  • デミアン
    幼少期から思春期、青年期と成長する過程での自己との向き合い方や自我の探究が繊細に表現された名著。自己認識は全て自分自身と対峙し、対話し、断絶することと思い続けること学び、苦難を乗り越えることにより辿りつくもの。つまり、ストーリーは全てシンクレールのインナーコンフリクトだったのではというのが25年ぶり...続きを読む
  • 春の嵐
    不慮の事故で片足が不自由になってしまったクーンという男の話。不運を嘆きながらも、作曲の喜びに目覚め、人生を必死に切り拓いていこうとするクーン。また、彼と親友との間に現れた女性を巡っての複雑な人間関係も描かれている。“最も不幸なことを捨ててしまうことは楽しかったことを捨てることよりもつらい。避けがたい...続きを読む
  • ゲーテ格言集

    心の成長

    一部ご紹介します。
    ・常に良い目的を見失わずに努力を続ける限り、最後には必ず救われる
    ・歴史を書くのは、過去を脱却する一つの方法である。われわれが歴史から得るところの最上のものは、それが引き起こす感激である。
    三千年の歴史から学ぶことを知らぬ者は、知ることも無く、闇の中にいよ、その日その日を生...続きを読む
  • 知と愛
    フォロワーさんのお勧めで読みました。知に生きる人ナルチスと愛に生きる人ゴルトムントの物語。物語はゴルトムントの生涯を追う形で展開されてゆきます。数々の女性達との愛の戯れ、あてどもなくさすらう日々。移ろう季節の美しさを目の当たりにし、または飢えと寒さに喘ぎ、芸術家てして才を開花させ、得た名誉によって定...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    私の人生が積み木だとしたら、1番下の土台になるようなそんな本。

    宇多田ヒカルの好きな本に掲載されてたのを観て読んでみた。

    心がスパーッとひらけるような、まっさらになるような、またスタートしたいと思えるような…

    激しく感情に揺さぶられて、自分が自分じゃなくなった時にまた読みたい。

    覚えておきた...続きを読む
  • シッダールタ
    ヘルマンヘッセが書いた、古代インドを舞台とした真理を求める人の話。

    名前はブッダと同じだが、本書では別人。
    しかし本書内ではブッダとも邂逅するので、同世代の設定。

    シッダールタは高名なバラモンの家庭に生まれ、幼い頃から教育された宗教的・哲学的教育を瞬く間に吸収する神童であった。
    周りからは偉大な...続きを読む
  • デミアン
    「鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという」(本文より)


    シンクレール少年が、善性と悪性の混在する世界で悩み苦しみながら自己確立していく成長物語。
    その道中には導き手としてさまな人物...続きを読む
  • シッダールタ
    無人島に行くなら持っていきたい一冊。シッダールタが堕落していく場面が、読者皆の人生の一場面と重なるような気がして救われた気持ちになった。(それにしてもシッダールタの堕落ぶりや行動にはツッコミを入れたくなる箇所は多々あるが笑)シッダールタはまさに自燈明を体現しており、自己ととことん向き合って悟りを開い...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    特別な愛読書。ビーズで飾った、手縫いのブックカバーをつけて、手もとに置いています。   …訳者の高橋健二氏が解説の最後で述べられているように、 ヘッセの書いたものの中で最も美しいものの一つ、だと思います。  短編集。 私は、 別な星の奇妙なたより  という物語が、一番好きです。
  • 郷愁
    田舎から都会へ、そして都会から田舎へ。
    出会った人々との思い出が、詩人らしい主人公に幸福を与えてるのだとすると、彼は故郷に帰った後も満ち足りた生活をするはずである。
    南風のように煩わしい経験が何か情熱に変化されたり、甘酸っぱい恋が青春の価値を保証したりする、と思う。

    郷愁、故郷を想う気持ちがどれほ...続きを読む
  • シッダールタ
     読み終えることが目的の読書でなく、読んでいる時間の豊かさを感じさせる読書体験だった。
     本作はブッダの生涯を描いた作品だと思っていたが、途中でそうではないことに気づいた。この話の主人公シッダールタはブッダとは別の、悟りを目指す男なのだ。ブッダは脇役として登場する。ベン・ハーのイエスのように見切れる...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    ヘルマン・ヘッセの『メルヒェン』に収められている、「アウグスツス」に不覚ながら涙した。

    アウグスツは、生まれた時に「誰からも愛さずにはいられないように」と母親から願いをかけられ、その通りになる。

    子どもの彼には、天使の歌声が聞こえた。

    しかし、誰からも愛されるあまり、彼は傲慢になり、
    あらゆる...続きを読む
  • 春の嵐
    2019/2/17

    翻訳 高橋健二先生

    ゲルトルートはこの小説に出てくる女性の名だ。

    ラストの数行でボロボロと泣いた。
    歳をとってから青春を思い出すと苦いことも多々あったのに美しく感じる。
    歳をとるということはそういうことなのかな。



    主人公クーンは、ソリの事故で足を怪我し身体障害者となる...続きを読む
  • シッダールタ
    ヘッセの中でも抜群に好きで、何かにつけて読み返してしまう。シッダールダが読むたびにキレキレで堪らない。
    声に出して読みたい。師匠を老人呼ばわりし始めるクダリは、いつも声を出して笑ってしまう。