高橋健二のレビュー一覧

  • クヌルプ

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    20世紀ドイツの作家ヘルマン・ヘッセ(1877-1962)の小説。1915年。

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    主人公クヌルプが昔の友人知人から尋ねられたように、私も「かつてのあなたがなぜいまは」と不躾な糾問に答えを濁して振り払ったことが何度もある。もちろんクヌルプのように落魄するほど振り切った生き方ができるわけもなく、傍から見れば私の生活もそこそこの形にはなっているのかもしれないが、それでも「ここは本当に自分の場所だろうか」「自分にはどこか別の場所があるのではないか」という「ここではない」不全感にずっと憑きまとわれて今日まで来ている。そしてそれを、臆病さだとか完璧主義だとか不寛容だとか、自分のパーソナリティに帰責

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    2026年01月01日
  • シッダールタ

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    とても難しい+仏教と言うものをあまり理解していないので中々読むのが大変だったのですが、やっぱり体験した先にあるのが経験なり知識になるんだな。

    すべてを体験した末の悟りか…?

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    2025年12月18日
  • 車輪の下

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    全七章に亘って、ハンス・ギーベンラートの柔く脆い青年期を綴る。

    周囲より少し勉強ができてしまったために過度な期待を背負い、踏ん張りが利かなくなったったとき雪崩のようにすべてがうまくゆかなくなる。

    冷たく静かに川を流れるハンス。
    吐き気も恥も悩みも取り去られた、ハンス。

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    2025年09月18日
  • 春の嵐

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    たまたまトニオグレーゲル、ヴェニスに死すを読んだ後にまた芸術家をテーマにした作品。ストーリーがどうと言ったことはないけれど、たっぷりと情景、心理描写を丁寧に描いてるのはせかせかした現代の作品にはない次元を感じます。こう言った作品を読むと、立ち止まる時間ができて嬉しい。

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    2025年09月05日
  • 車輪の下

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    神童の主人公が来る日も来る日も勉強を重ねて、合格した先にあるのもまた勉強を重ねる日々。自分がやりたいなと思ったことを心の中にしまい、やるべきことや求められていることに注力していく中で出会う、愛情や死の形、暴力や非行の形は彼の人生の中で「自分とはどのような存在であるのだろうか、何者であるのだろうか」という問い直しを与える。
    最後の方に彼が語る神童であったのに気づけば周りから遅れていたというところはどのような形であれ、色々な読み手の人生の思い直しにも一石を捧げるものであると感じた。
    働く喜び、人の役に立つ喜び、人を愛する喜び、最終に近づくほどに彼の中に少しずつ湧き立った感情は心の底から生まれた自分

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    2025年07月24日
  • 車輪の下

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    『車輪の下』。中学時代からずっと本棚に並んでいたのに手にとらなかったヘッセの小説。
    私も、「受験戦争」という言葉や「偏差値」という言葉が世間を騒がせていた時代に青少年時代を過ごした。片田舎で育ち、中学、高校、大学受験を経験したからハンスの境遇には少し近い。都会への憧れはあったものの自然の中で育った環境や思い出を否定することはなかった。
    主人公ハンスは、周囲の期待を一身に背負い、神学校というエリート養成機関で過酷な競争にさらされ、精神的に追い詰められていった。学校を追われた友の影響を受け、成績も心も落ちていった。
    エリート意識の揺らぎが思春期の揺れと重なり、繊細なハンスはどんどん病んでいく。

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    2025年07月04日
  • デミアン

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    裕福で光しかない世界に産まれた少年が密かに闇に憧れを抱く。嘘の悪さ自慢をしたらシンクレールに脅されて1時不幸に陥ったが転校生の年長者で神学校にいながらも聖書の内容を先生が教えるものと反した解釈をする不思議なデミアンに救われた。その後主人公はデミアンに惹かれっぱなしだったがある日デミアンが思考の深みに入った時から話さなくなり高校生になった。高校生になってから主人公は酒を飲んだり途中デミアンと出会ったもずっと堕落していたが途中自分にとって神と言えるような少女を見つけ絵を描き神と名付けピアノ奏者に出会い別れてからまた元に戻った。その頃にデミアンと再開し、デミアンの母と出会えた。母は主人公が信仰してた

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    2025年05月29日
  • 車輪の下

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    ヘッセの若い頃の作品です。
    実体験をもとに描かれているようですが、当時の時代の雰囲気を知ることができます。
    子供の教育について、一石を投じた作品で、現代にも通ずるものがあります。

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    2025年05月24日
  • 車輪の下

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    薄いのに読み応えがあった
    昔読んだ気がしたけど全然覚えてなかった
    なんというか、一章ずつ授業とかで読んで、みんなで話し合って噛み砕きたくなるような内容。
    メインストーリーとサイドストーリーが絡み合いすぎて、なんなら、サイドストーリーをたくさん繋げた話のように感じる。主人公は1人なんだけどね。
    賢い真面目な少年がこうなるなんて面白いよな。少年時代の詰め込み勉強や、学校のあり方の弊害だ。ハイルナーと話してみたかった。

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    2025年05月21日
  • 車輪の下

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     ヘッセの『車輪の下』が突きつける最大の問題は、教育制度が〈子ども〉を「人格ある一個人」として認めず、都合のよい記号へ還元してしまう点にある。多くの物語が〈従順な優等生〉か〈反抗児〉に子ども像を二分するなか、ヘッセはハンスを欲望と不安、優越感と傷つきやすさを併せ持つ等身大の存在として描いた。川辺で魚を眺める彼は順位や身分を忘れ、五感で世界を確かめるが、神学校合格直後にはまだ机に向かう同級生を見下し、成績表が貼り出されるたび密かに胸を張りながら怯える。この二面性こそ、人が成長過程で抱える本音と矛盾そのものだ。

     その揺らぎを歪めたのが寄宿制神学校という装置である。生活の隅々まで統制された環境で

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    2025年04月24日
  • 車輪の下

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    純粋に読んで良かった思った。
    というか自分が1番悩んで苦しい時に読みたかった。救いにはならなかっただろうけど、多分寄り添ってくれただろうから。
    私も未だ車輪の下から抜け出せず溺れている。

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    2025年04月23日
  • シッダールタ

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    難解な文章で書かれているのかなと思ったら、とても読みやすいの翻訳で、逆に驚いた。翻訳者の高橋健二さんが凄いんだろうとなと本文とは違うところで感心してしまった。仏陀になるべく修行するシッダールタであったが、愛に溺れて酒に溺れて金儲けに走り、やがては自ら命を断とうとする展開に驚いた。仏教には詳しくないので、最後に川を人生に例えて悟りを拓くかのような展開。一度で理解できなかったので、また読もうと思う。

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    2025年04月19日
  • デミアン

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    かなり哲学的であり、宗教的でもあった。集中して読む必要がある。自分にはやや難しく感じたので、数年後また読みたい。ヘッセの描く思春期の少年の葛藤や苦難がやはり好きだと思った また、ヘッセ自身はこんなにも自己と向き合っていたのかと驚かされる。

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    2025年03月28日
  • ゲーテ格言集

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    現在刺さった言葉はまだまだ少ないけど、たまにパラパラめくってみるのも、自分の成長を感じられて面白そう。
    “何かを批判するには、私は年をとり過ぎている。だが、何かをなすだけの若さは、いつでも持っている。”
    “半時間ぐらいでは何も出来ないと考えているより、世の中の一ばんつまらぬことでもする方がまさっている。”

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    2025年03月19日
  • シッダールタ

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    シッダールタ=ゴータマだと思っていたら、そんなことはなかった。全時代のシッダールタさん失礼しました。

    本作はどこかで、ヘッセによる東方の神秘を描いた作品、というような謳い文句で紹介されていた。
    さて実際はいかがか、と楽しみに読んでいくと、そのエロティシズムと聖人とは程遠そうなシッダールタの所業に、結局ヘッセもヨーロッパ人か…といくらか落胆する。
    しかし終盤に差し掛かり、シッダールタが川の声を深く聞く頃から、話に深みが増し面白くなる。
    それは作中にもあるように、初めから読んできたからであり、そしてこの私が感じた面白さを真に言葉に表すことはできないのだと思う。

    さて、ここまで書いてこの感じ方を

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    2025年03月18日
  • デミアン

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     自分の理解の範疇を超えた意見を受け止められるような人間でありたいし、過去に幸福や逃げ場を探し続けるのはやめようとも思った。
     文章については、直訳が多いのか比喩が多いのか、私の読解力が足りない故か、まわりくどく分かりにくく感じてしまった。翻訳者のバイアスがかからないように訳すのも素敵だけれど、翻訳者の解釈も混じった文章も魅力的なのになと思った。

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    2025年02月05日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    自分の命を人質にすることで生きやすくなってしまったりとか、何となく見下していた肉体労働を楽しんでしまったりとか。自分の本当にしたいと思ってることや意思がどんどん周りの環境に負けていってしまう感じが、僕自身とダブりすぎてしんどくなる。
    僕もこのまま車輪の下敷きかもな

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    2025年03月01日
  • 幸福論

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    難しかった。
    生きていく中で関わる人に対して抱くヘッセの尊敬の心が、とても純度が高くて嘘がないように感じた。
    そして時折押し寄せてくる、景色が頭の中で綺麗にうかぶ描写が幸せだった。

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    2024年12月20日
  • 青春は美わし

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    非常に上品で豊かな翻訳で、読みやすい。繊細な心情と情景の描写が印象的。どちらかと言うと、『ラテン語学校生』の幼さの残る純粋さが好きだった。憧れと期待、そして少しの高慢さが初恋らしく瑞々しい。何年経っても大切に取っておきたい、淡く光る小さな宝石のような恋。格好悪くても、実らなくても、その痛々しさとほろ苦さが何よりも美しいと思った。

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    2024年12月06日
  • 車輪の下

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    ネタバレ

    15歳の頃、学校の推薦図書のような雰囲気でやむを得ず読み、とにかくつまらない本だと思った。

    「果たしてあの本はそこまでつまらなかったのか」と30歳の頃に思い、再び購入して読み直してみたが、やはりつまらなかった。

    「あれから30年、今読んでもつまらないのか?」と思い3たび読んだ45歳。
    とうとう興味を惹かれ面白いと思った。
    それは、私が親になったから。

    ハンスが自分の息子だと思ったら、実に切ない。
    未来に満ち溢れた若者を、大人たちが寄ってたかってだめにする。
    自分が若い頃は、この本の大人たちへの反感が強すぎて胸糞が悪く、つまらなく感じたのだと思う。また田舎の牧歌的な情景の描写が長すぎて退屈

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    2024年12月13日