高橋健二のレビュー一覧

  • 知と愛
    これまでに読んだ本の中でもかなり印象に残っている本。構成も、内容も、ほんとに完成されてる。ゴルトムントが、彼の少年時代を鮮やかに彩ったナルチスと絶妙なタイミングで再会するそのシーンでは感動で鳥肌立ちそうでした。住む世界は違っても、ほんとうの友というのはずっと友であり続けることができるんだ。
    人生にお...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    単なる童話には終わらない作品ばかり。「生きること」「愛すること」「死ぬこと」という、人生において誰もがいつかは直面する大きな、そして重要な問いについて、平易な言葉で厳粛に表現されている。愛すること・愛されることの恐ろしい側面を描いた「アウグスツス」、死へ向かう人の苦しみ、あきらめ、そして解放を描いた...続きを読む
  • 春の嵐
    切なく、やりきれない。昔はゲルトルードと主人公のことばかり身にしみたが、再読するとムオトの悲しみばかりが胸に迫った。彼を救えるのは、ゲルトルードではなく、主人公だったのに。
  • 知と愛
    素晴らしい物語です。
    理性と本能、それぞれの権化のようなナルチスとゴルトムントの友情とも愛ともいえない魂の巡礼のお話です。

    僕はゴルトムントの放浪生活には妙に影響を受けてしまいました。
    現在お遍路をしているのも原点はこの辺りにあるかもしれません。

    ヘッセを読むなら是非とも高橋健二訳をお勧めします...続きを読む
  • メルヒェン(新潮文庫)
    実は、いちばん好きなヘッセの作品集です。他の作品も、文庫になっているようなものはひととおり持っていたはずなのに、なぜか今は手元にありません。少し気恥ずかしくて(何がでしょう?)、実家に置いてきたままのようです。もう少し時間が経ったら、また読み返せるでしょうか。
  • 春の嵐
    人を愛する時の感情ってこうなるだろうなって共感できる文章です。
    うん。文章が好き。

    あまり本は読まないのですが、これは何度も読み返します。
  • 知と愛
    この作品を読んだのは10代の頃で、ナルチスとゴルトムントの間にある友情に深く共感しながら読んだ記憶があります。続けざまに何度も読み返した記憶も。若い頃は、自分の持っていないものを持っている相手に強く惹かれることがよくあると思うのですが、私自身が当時そういった状況にあったからこそ、ゴルトムントがナルチ...続きを読む
  • 春の嵐
    ヘッセの作品を読んでいたのはもう10年以上も前になるので、内容はなんとなくしか憶えていなかったりするのですが、この作品だけはタイトルを見るだけで込み上げてくるものがあります。不具者になった主人公の苦しみが自分と重なるのです。ヘッセの優しい眼差しや文体に救われていたのを思い出します。
  • 知と愛

    ヘッセの長編大作

    翻訳なので簡単には読みにくいが、非常に読み応えのある一冊

    修道院を抜け出し、芸術の道へと進む主人公の愛と友情の物語
  • 荒野のおおかみ




    2007.6.12の感想
    字が大きくなって読みずらかった。
    まったく出版社は余計なことをする。
    ヘッセのリズムが狂っちゃうじゃんか。
  • 春の嵐
    若き日の事故によって足が不自由になってしまったクーンの生活は、奔放な音楽家ムオト、美貌のゲルトルートに出会ったことにより変わっていく。
  • ゲーテ詩集
    いつも鞄に入れています。ゲーテの作品がほかのどの詩人とも違うのは、ただ美しいだけではなく、読者が普段意識せずになんとなく感じていることを代弁して「たしかに、そうだな」と思わせるところだと思います。よく理解できない詩も少しあったのですが、生き続けていけば分かるようになるのでしょうか。
  • ワイド版世界の大思想 第3期〈7〉ウェーバー
    版が違うかも。家のは新装版『世界の大思想』3 です。

    けして忘れない。
    「Ich kann nicht anders,Hier stehe Ich…わたしはここに立つ。他になしようがない。」と言う言葉を。
  • 知と愛
    人生を貫く二つの欲求である知と愛、それぞれを体現するナルチスとゴルトムント。出会い、別れ、邂逅する彼らの人生は、離れ離れのようで常に寄り添っているように感じられ、それは知と愛という相反するようでありながら共に真理である二つのものの在り方そのものとも思える。詩人を志したヘッセならではの豊かな詩情と、美...続きを読む
  • ゲーテ格言集
    約230年程前も今も私生活や生きている中での行動、悩みや思うことは、いつの時代も変わらないと思った。
    ゲーテがある行動に対して深く考察し、深く考えたような格言が並んでおり、今を生きる私達に深みを与えてくれるような言葉が多かった。
    難しいように思う格言もあったが、なるほど、と思えるような言葉も多く、心...続きを読む
  • 車輪の下
    ヘッセ作品ではこれが1番お気に入り。
    優等生だった主人公がどんどん落ちぶれて最後には…というストーリー。
    他の作品に比べて説明が丁寧という印象を受けた。描写に対してこれは~の暗示でといった解説が入るので読みやすかった。

    主人公が優等生だけど単なる優等生というかイイ子ではないのが良い。ヘッセ作品の優...続きを読む
  • シッダールタ
    仏教知識はほぼない自分でもとても楽しめた
    シッダールタが仏陀なのだと思ってたから仏陀が出てきて若干混乱
    仏陀っていっぱいいるのか…釈迦と仏陀はまた違うのか、仏教のこともっと知らないとなあ
    肉欲に溺れてギャンブル依存症ぽくなってたのも驚きで、でもそういう人だからこそ、この教えに悟りに辿り着いたというほ...続きを読む
  • ヘッセ詩集
    生老病死をテーマに書いたエッセイ、詩を選んで編んだ作品集「人は成熟するにつれて若くなる」の中の数編の詩に共感し、他の詩も読みたくなりこの詩集を手に取る。生きること、揺れる心を書きながらも、花、蝶、風、草、木。自然が溢れていてほっとする。18歳から70余歳までの詩が収録されている。通ってきた道だから青...続きを読む
  • シッダールタ
    主人公とお釈迦さまを同一人物と思い込み、最後につながりがあると予想して読んでしまいました。思い込みは駄目ですね。
    お釈迦さまが到達したところに、主人公が経験を重ねて辿り着く。
    思い込みが邪魔した部分があると思うので、もう一度読みたいと思います。
  • 青春は美わし
    ヘッセの描く青春は、いつ読んでもやさしい。
    すべてが愛しい思い出になってくれるような、自分の中に溶け込んでいく、強いるところのない、なめらかな時の流れ。
    「時と日は夏の雲のように軽く跡もなく過ぎ去って行った。一日一日が色どられた絵であり、さまよう感情であった。ざわめいてわき起こって来て輝くかと思うと...続きを読む