石井睦美のレビュー一覧
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あらすじ不要の有名児童小説。
そういえばちゃんと文字で読んだことがなかったかもしれない。
初めて「幸福の王子」の物語を知った時、なんて美しい話なんだと思った記憶がある。数十年経って改めて読むと、ツバメが可哀想になってきた。ツバメはただ王子の我が侭を聞いてしまったが為にその命を犠牲にしたのだ。1晩だけでツバメをエジプトに行かせていれば、彼は死ななかったかもしれない。王子が分け与えた宝石や金だって、貧乏な人は1晩で豪遊して使い切ってしまうかもしれない。貧しい人の心が清いなんてもはやフィクションの中だけの話だ。そんなことを考えてしまった。結局、いくら悔い改めた王子であろうと人である以上自分勝手な部 -
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中二で父親を亡くしたぼくは、母親と妹のために毎日ごはんを作ることになる。そんなぼくに妹が友達とのデートを斡旋するのだった。
実に爽やかな物語。草食男子のぼくの恋愛ものかと思いきや、兄妹の関係が主体の話でした。
妹からキャベツくんなどと呼ばれるほどに所帯染みて地味めのお兄ちゃんと、ズケズケとものを言うけれど素直なところもある妹。お兄ちゃんが好きだから自分の一番の友達と付き合って欲しいと思ったのか。お兄ちゃんを知らない人に取られたくないからなのか。そんな妹の気持ちが垣間見えて何とも甘酸っぱい。
でも端から見ると言いたい放題の妹に翻弄される兄という感じでもあるし、妹のそんな部分を受け容れている兄の姿 -
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ネタバレ退屈していたアリスは、チョッキを着た白ウサギを追いかけて穴の中へ。たどり着いた世界では、体が大きくなったり小さくなったり、不思議な生き物達がいたり、トランプの女王様とクローケーの競技をしたりするなど、それはそれはおかしな事ばかりが起こっていた。
以前アメリカのファンタジー作品の『オズの魔法使い』を読んだ事がありましたが、今回はイギリスのファンタジー作品が読めて嬉しいです。退屈していた時に、突然謎の白ウサギさんが現れて、穴に飛びこんだらどんどん落ちていって…。この発想がすごいと思いました。でも、これが世界名作劇場作品として放送されなかったのが残念です。こんなに世界的に有名な作品なのに、もったいな -
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「愛しいひとにさよならを言う」というタイトルがすごくよくて手にとったのだけど、揺るぎないのに静かでやさしい物語で、読んだ後なんだか背筋をすっと伸ばして歩きたくなるような気分になった。
親子だったり恋人だったり夫婦だったり
人生におけるパートナーとなる関係はいろいろあるけど
それはずっと一緒じゃなくてもよくて、むしろその時々にいろんな人と支えあってもいいんだなとか思いながら読んでいたけど、それをチチが「一緒に生きてくれたひと」と表したのがとてもよかった。
主人公である「いつか」のお母さんは、母親としては頼りなくてあぶなっかしいのだけど、自分の大事なものをちゃんと大事にすることができる人に描か -
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石井睦美さんの童話ですね。
石井睦美さん(1957年、神奈川県生まれ)
児童文学作家、絵本作家、翻訳家。
絵は、高橋和枝さん(1971年、神奈川県生まれ)
絵本作家、挿し絵画家、画家。東京芸術大学教育学部美術科卒業。
『おはなし12か月』シリーズの7月ですね。
七月です。
青い空に真っ白な雲が、
ぽこぽことうかんでいます。
はなもり公園に、はなもり小学校二年一組の
なかよし三人組、りえ、みな、ゆかが
あつまりました。
公園であそぶやくそくをしていたのです。
「あついね。」
「ねえ、もっとすずしいところに行かない?」
「すずしいところって?」
「いいからいいから、つい