あらすじ
季節や行事をテーマにした童話のシリーズ「おはなし12か月」。
1年12か月、各月の行事や季節感をテーマにした創作童話を、12人の豪華執筆陣に書き下ろしていただきます。
七夕をテーマにした「七月七日はまほうの夜」は、ゆか、みな、りえの、女の子3人組が主人公。3人は、暑さをしのぐために行った神社で、古い小屋を見つけた。そこで出会ったおばあさんが、流れ星になって落ちてきた織姫さまだと聞かされ、「織姫さまが天に帰れますように」という願いごとを書いたたくさんの短冊を笹に飾る。すると……。
●シリーズ「おはなし12か月」の特色
・直木賞、野間児童文芸賞等、多数の受賞作家や、「青い鳥文庫」のベストセラー作家など、現代を代表する一流童話作家の書き下ろし。
・物語の楽しさを味わいながら、日本の豊かな季節感に親しむことができ、その季節や行事に愛着がわきます。
・高畠純氏、田中六大氏ほか、イラスト陣も豪華。すべての場面にイラストが入っていて、低学年から、ひとりで読めます。
・巻末に収録した「まめちしきのページ」で、行事の背景も学べます。
・朝読にもぴったりのボリュームです。
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Posted by ブクログ
石井睦美さんの童話ですね。
石井睦美さん(1957年、神奈川県生まれ)
児童文学作家、絵本作家、翻訳家。
絵は、高橋和枝さん(1971年、神奈川県生まれ)
絵本作家、挿し絵画家、画家。東京芸術大学教育学部美術科卒業。
『おはなし12か月』シリーズの7月ですね。
七月です。
青い空に真っ白な雲が、
ぽこぽことうかんでいます。
はなもり公園に、はなもり小学校二年一組の
なかよし三人組、りえ、みな、ゆかが
あつまりました。
公園であそぶやくそくをしていたのです。
「あついね。」
「ねえ、もっとすずしいところに行かない?」
「すずしいところって?」
「いいからいいから、ついてきて。」
「あ、もしかして、はたおり神社?」
「そう、はたおり神社だよ。」
「あの小屋はなんなの?」
「ものおきみたいだよ。」
「たんけしよう。」
「うん、わくわくしてきた。」
小屋の中はがらんとしていて、まんなかに
たったひとつ、なんだかわからないものが
おいてあるだけだったのです。
「あ、うごく。」
三人ががたがたとゆすりだしたそのときです。
「らんぼうにあつかうでない。」
という声がきこえました。
「それは、はたおりの道具じゃ。」
なんと、あらわれたのは
としをとった、おり姫さまです。
三人組と、おり姫さまのお話です。
三人組の冒険が、織姫との出逢いとなり、織姫にかけられた魔法を、三人組が協力して解くというメルヘンです。
高橋和枝さんの可愛らしいのどかな絵が、物語を飾ります。
七夕の物語を、楽しいメルヘンに仕立てあげて、心温まるお話になっていますね(=^ェ^=)