成田良悟のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“棺から現われた血が、流暢な書体となって壁に文章を綴りあげる。そのシュールな光景を前に、隊員達は完全に言葉を失っている。そんな読者をお構いなしに、今や巨大なノートとなった白い壁に、血は己の身を使って次々と新しい英文を生み出していった。
【ありがとう、本当にありがとう!いくら感謝の言葉を述べようとも、この万感の思いは尽き果てる事は無い!あのまま棺の暗闇に閉じ込められていたら、我輩は間違い無く死ぬところであった!我輩は感謝する!再びこうして日の光に巡りあえた幸運を——神と、悪魔と、そして何より棺桶の蓋を開けてくれた聖職者諸君に対してだ!】
御丁寧にも『!』を多様して、血は感謝を精一杯相手に伝えよう -
Posted by ブクログ
1700年代完結編です。
伏線が入り交じった構造は相変わらず刺激的で、鳥肌ものでした。
注目すべきキャラはやはりヒューイ・ラフォレット。
確かに彼の行動は世間を騒がすものでしかありません。
しかしその奥に感じるのは「愛」という純粋な原動力。
どんな異形をとっていても憎めない存在・・・・・・
そういう彼だからこそ、三百年の間色んな信者を抱えていられたし、エルマーみたいな輩をずっと親友として見る事が出来る。
そこが彼とフェルメートの根本的な違いではないでしょうか。
なにがともあれ、ヒューイとその仲間達が積み重ねた様々なものが遠い未来に訪れるバカ騒ぎを明るい方向へ導いてくれるはずだと、今はそう信 -
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Posted by ブクログ
嵐の前の静けさ。池袋戦争、ついに十一作目。
千景の男っ気と正臣の成長ぷりに感激し、杏里と新羅が酷い目に遭う場面で絶句、そして帝人とウザヤの悪人面に涙する・・・・・・とにかく忙しい巻でした。これからは沙樹や静雄、青葉や双子、そしてマフィアの面々が動き出す様ですが、やはりセルティの心境が一番気になる所ですし、門田の証言も興味深いものになりそうで、益々目が離せない展開です。
追伸:後書きによると首シリーズは未だ未だ続きそうです。長年の成田ファンとしてこれ以上良いニュースは望めません!・・・と言いたい所ですが、実は酒シリーズをもう少し長めに引っ張ってもらえたらなーと強く希望している者でして、まあ別 -
Posted by ブクログ
前巻が、子供と大人の話だったのに対して、今回はその中間であり、物語の中心というよりちょっと外れた人の話。
物語の外周を廻っているようで、誰もかれもしたたかで、癖があってすごいです。
とはいえ中間あたりのストッパーであるドタチンも、静雄も身動きとれずにいる。
故に、物語は純粋にねじれていく。
うん、結局静雄もストッパーなんだろうな。まぁ、彼の場合は、全てを薙ぎ払い焼き払って平地にしてしまうような納め方だけど。
そして火種がなければ、それを作り、燃料が足りなければたしていく、臨也。
「人ラブ」と相変わらずうそぶいているけど、どうやら人ラブだからこそ、人外ものにを嫌悪してるっぽい -
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