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Posted by ブクログ
“棺から現われた血が、流暢な書体となって壁に文章を綴りあげる。そのシュールな光景を前に、隊員達は完全に言葉を失っている。そんな読者をお構いなしに、今や巨大なノートとなった白い壁に、血は己の身を使って次々と新しい英文を生み出していった。
【ありがとう、本当にありがとう!いくら感謝の言葉を述べようとも、この万感の思いは尽き果てる事は無い!あのまま棺の暗闇に閉じ込められていたら、我輩は間違い無く死ぬところであった!我輩は感謝する!再びこうして日の光に巡りあえた幸運を——神と、悪魔と、そして何より棺桶の蓋を開けてくれた聖職者諸君に対してだ!】
御丁寧にも『!』を多様して、血は感謝を精一杯相手に伝えようとしているようだ。どうしてカルギラ達の事を聖職者と呼ぶのかは不明だが、おそらく白木の杭の破片を見て血が勝手に判断したのかもしれない。
自分を取り巻いている状況の危うさに気付き、カルギラは精一杯の虚勢を張って、部下達に向かって叫びをあげる。
「糞ッ!やばい!どっかに本体がいる!この血を操ってる本体を探すんだ!」
そんなカルギラの言葉を訂正するかのように、壁の血文字は次々とその姿を変化させる。
【何をしておるのかね、親愛なる諸君!私は"ここ"だよ!この血こそが我が現身!血こそ我なり!血こそ我輩の全てだ!】
更には『" "』と『傍点』までをも駆使し、血文字は自分こそが本体であると強調する。
「なッ……」
口をパクパクさせるカルギラを見て、血文字は補足をするように文を付け足した。
【信じるにせよ信じぬにせよ、我輩と意思の疎通を行うには我輩の身体を見てもらうしかないのだよ。残念な事に、我輩にはテレパス能力は無いのでね】”[P.104]
漸く手を出してみたりして。
登場人物が多いと聞くので自己流相関図作りつつ。
楽しい!本当成田さんの大人数動かすお話楽しい。
ミヒャエルは色んな人から好かれそう。
これからの展開も楽しみ。もっと大乱れしてほしい。
“「わああ、フェレット大変だ!フェレットが追いかけて来たよ!これって喜ぶべきこと?」
「……叩き落としましょうか?」
そう言いながらチラリと振り返ると、確かに後ろから自分の姿をした者が追いかけてくる。同じ体格なら物を背負っている自分の方が不利になる。
——それにしても、わざわざ私と同じ格好になるとは——なんと陰湿な奴なのだろう。
今はまだ離れているが、これ以上詰められたら念動力で足をすくわれる可能性がある。
より確実に逃げるには、横に抱えているミヒャエルを捨てる事なのだが——
「しっかり捕まってて下さい!」
——そんな事はできない。できるわけがない。
フェレットの強い思いとは裏腹に、ミヒャエルは胸ポケットからカメラ付携帯電話を取り出しながら叫んだ。
「ああ、笑ってる!あの偽フェレット笑ってるよ!珍しいから写真撮っとこう」
——捨てる。あと一回何かしたら捨てる!”[P.217]
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