阿部智里のレビュー一覧
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ネタバレ気になってた!っていう人たちの話でとても面白かった。
特に、松韻の「まつばちりて」と雪哉の二人の母たち「ふゆきにおもう」が好き。
「まつばちりて」は、松韻の成長による気付きが切ない。なにも知らないままだったら、生きていけたとかもしれないのに⋯。
純の想いも辛い。愛が憎しみに変わるとはこのことだ、を体現したような話。
そして女性と男性との平等とは何か、というのも考えさせられる。
「ふゆきにおもう」は、なぜ梓が冬木のことを悪く言わないのかがすっきりする。
冬木は雪哉みたいな人で、本質的なものを見ることができるとても賢い女性だった。
梓はそんな冬木が大好きで、冬木も梓を可愛がっていて。この2人だけで世界は完結していたのに。
そこに本人は不本意とはいえ、突如割り込んできた雪正。最初から梓が好きだったから仕方ないとはいえもうちょっとうまくできんのか!と思ってしまった。
でも冬木の心を持って、梓に育てられたから雪哉は捻くれつつも家族を大事に思う男に育ったんだろうな。
これから第二部読むけど、梓に育てられた部分を支えに、雪哉が闇落ちしないことを願う。 -
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ネタバレ金烏と同じように、玉依姫も代々の記憶を持って、体を乗り移っているようで。
でも志帆の意志や感情は消えてなくて、
そうすると若宮もやっぱり感情はあるんじゃないかな。護衛が山神に殺されてしまったとき、感情がないようには思えなかった。
死んでしまった護衛が誰かも気になる。。
雪哉、無事でいてくれ。。
志帆の他人の幸せが自分の幸せ、っていう考え方は、素晴らしいのかもしれないけど、身内は辛いなとも思う。
自分の幸せを考えて欲しいって、親や祖母の立場から望むのは当然で、でも志帆本人の幸せとはまたずれるから悩ましい。。。
志帆は椿とともに滅ぶことを選んでしまったけど、それが本当に幸せなんだろうか。。難しいな…。
そして、山神が滅んだあと、山内はどうなるんたろう。不穏な終わり方で続きが気になる。
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ネタバレ面白かったー!!
前作と対になった作品で、桜花宮に来ない若宮なにしてたんだよ、に応えてもらった。
大変だな若宮、と思って、姫様達への誠意もわかった。
だけどやっぱり殴りたいよね若宮を。特に雪哉にはその資格がある。無理かもしれないがぶん殴ってやれ。
若宮の考えの裏を敵に読まれたかと思ったらまたそこも若宮の掌で…的なインフレが多くて、最後までドキドキした。
この話は忠誠とは何か、大切に思うものはなにか、がテーマとして語られていて、其々が其々の心に従っていて、とても気持ち良い。すれ違おうが、殺されかけようが、皆が皆筋が通っている。理解できるかは別として。
そんなところがとても良かった。
最後の雪哉の若宮への想いが熱い。
知らないところで死ねだなんて、親愛以外の何物でもないじゃない!!!
次作も楽しみ!! -
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ネタバレ既出の個人や出来事の背景だったり、後日談など、
楽しめた。まだ詳しくは描かれてない人物や出来事
については、この先がとても楽しみになった。
『かれのおとない』…雪哉の勁草院時代からの親友・
茂丸の妹・みよしの話
茂丸の家族のこと、そこへ度々訪れてきた雪哉のこと、
そしてあの山神の怒りが爆発した後のこと…雪哉がど
ういう気持ちで過ごしてたかを少しだけ想像できた。
悲しかった。
そして山内を守るという雪哉の覚悟と、楽園の烏で会っ
た雪哉が少し理解できた気がした。
『ふゆのことら』…雪哉が勁草院に入ってきた時に嫌
な顔をした先輩・市柳の話
雪哉とのいざこざと、市柳が勁草院行きを決めるまで。
市柳の雪哉描写に「ひどい!」と思ってしまったw
『ちはやのだんまり』…そのまま、千早のダンマリ。
可愛い妹・結が彼を紹介するが、千早がダンマリを決
め込む。真緒の薄と明留が立ち会うが、明留も千早な
みに結の事を妹のように思って心配するのが伝わって
きて微笑ましい。勁草院を出た後も繋がりがあって嬉
しかった。
だからこそ、雪哉と千早の間に何があったのかが気に
なった。
『あきのあやぎぬ』…夫を亡くした環が幼子二人を
連れて側室に入る話。
真緒の薄と明留の兄・顕彦の側室になるんだけど、そ
の顕彦がかなり面白い。とんでもない数の側室がいて、
どうなの?と思ったけど、真緒の薄と明留に恥ない兄
でした。
『おにびさく』…鬼火灯篭を作る登喜司の話
良かった。温かい気持ちになる良い話だった。
『なつのゆうばえ』…南家の夕蝉の話
大紫の御前の生い立ちを知る。
皆それぞれ、色々なことを経験して、乗り越えてきた
んだとしみじみ思った。
『はるのとこやみ』…楽人の双子・伶と倫の話
東家の浮雲(あせびの母)との話だけど、この母娘は
本当に…
『きんかんをにる』…奈月彦が愛娘と金柑を煮る。
やっと紫苑の宮が堂々と登場。
賢くて、強くて、かわいらしい。
雪哉とのやり取りから、信頼関係の厚さがわかる。 -
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ネタバレ八咫烏シリーズ外伝 烏百花 蛍の章
本編シリーズで「ここ気になる」というところを狙ったような短編集。
1.しのぶひと
『弥栄の烏』で出てきた、真赭の薄と雪哉の縁談話にまつわる話
2.すみのさくら
『烏は主を選ばない』で出てきた、浜木綿の両親にまつわる話
3.まつばちりて
後に記載
4.ふゆきにおもう
雪哉の実母と養母にまつわる話
5.ゆきやのせみ
シリーズ3作目『黄金の烏』の後、4作目『空棺の烏』の前までにあった、若君と雪哉のエピソード
6.わらうひと
第一シリーズ終了後(弥栄の烏後)の真赭の薄と澄尾の話
の6話構成です。
【ピックアップして感想】
3話目の『まつばちりて』は非常に最近散見される議論ような内容につながるなぁと思った話です。
金烏の妻である大紫に使える女性の中で、女性としての性を捨てて、男性として宮中にはべる「落女」という存在があります。
(いうなれば、宦官と逆の存在かな?)
その落女としての主人公である“松韻”と、
その同僚である男性文官(蔵人と呼ばれる)の“忍熊”の物語である『まつばちりて』なのですが、
忍熊は落女という存在が気に入らず、松韻に対して難癖をつけてくる。
↓ネタバレ注意↓
その言い分としてp.129〜
「どれだけ男の格好をしようが、お前達はどっからどう見たって女だぞ。しかも男であるとされながら、後宮には出入りできるし、断髪まで強制されている。建前ですら男扱いが徹底されていない状況で、女扱いするなと本人ばかりが息巻いている」
p.230
「女であることを誇るなら、女の格好のまま、女の官人のして働けばよいではないか」
この言い分の主張というのは、
フェミニズムをどう捉えるかという問題でもあるのですが、、、
現在日本では、
“男は仕事をして稼ぎ、女は家庭を守るもの”という考えから“男女平等として、働きたい女性は平等に働ける社会へ”に変わり、
その結果、女性が働く機会が増え、働くことの方が一般化し、
一方で、女性の性としてしかなし得ない出産関連はそのまま負担がありつつ、
子育ての面・家庭での面も、男性に振り分ける割合として、働きに対する“男女平等”と同等までは達していない。
その“男女平等だから社会へ”という主張と
実際に女性が請け負っている負担のねじれの問題を、
忍熊は突いているんですよね。
またトランプ大統領が、「性別は男女のみ」と発言し話題になりましたが、
そういう部分での、どうしても性別による体の向き不向きもあれば、脳の仕組みによる向き不向きもあるところでの、
性別という区別の問題の話でもあるなぁと思いました。
それがスルッと受け取りやすく読めるのは、
そもそも昔の日本のように、八咫烏の世界がそもそも男の役割・女の役割で当たり前の世界の話だと認識してるからでしょうね。
【全体として】
本編の中で気になったところを補う短編で、
特に真赭の薄と澄尾に関しては、本編で気になるのに描ききれないところだったので、
この烏百花の初めと終わりに描いていて、第一シリーズが落ち着いた気持ちになりました。
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ネタバレ年数が経った後の山内、新章…ということで、なぜか
私は、もう雪哉には会えないと思っていた。
だから会えたのは嬉しかった。
40を過ぎた雪哉は想像通り立派だったけど、その身
を山内のためだけに捧げていて、それが少し寂しかった
かな。でも、とても雪哉らしいと思った。
それ以外の選択をするとは考えられないと思うほど。
他にも懐かしい名前がちらほら。
所有権を持ったはじめもなかなか曲者で…侮れない。
雪哉が信頼してる頼斗だから大丈夫だと思いたいけど、
心配。
トビがどうなるのかも気になる。
雪哉ははじめから、はじめは雪哉から学ぶことがある
んじゃないかと思う。
山内の存続のために和解も協力も出来るんじゃないか
という希望を持って続きも読みたい。
紫苑の宮?? 調べてしまった。
今後の展開も面白そう。