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Posted by ブクログ
若君の余裕ある振る舞いがカッコいい。
相手より何枚も上手で、すべてを見通しているかのような強者感がある。
何が起きても、結局は若君の掌の上なのではないかと思わせる安心感が心地よかった。
ただ強いだけではなく、人間らしい一面も描かれているからこそ、その存在に惹かれる。
雪哉もただ振り回されるだけでは終わらない。
若君の狙いを理解し、機転を利かせて何度も危機を切り抜ける姿が頼もしく、その成長が物語をさらに面白くしていた。
登場人物たちは皆、それぞれに思惑や意外な一面を抱えている。
善人とも悪人とも簡単には言い切れず、人を決めつけることの危うさや、相手を侮ることの恐ろしさを何度も突きつけられた。
また、前作『烏に単は似合わない』の印象も少し変わった。
あの作品の仕掛けはフェアプレー・ミステリとは言い難いと思っていたけれど、宮中の策略や人間関係の複雑さを示す役割も果たしていたのかもしれない。
続編を読んだからこそ、「あれで良かったのだ」と納得できた。
さまざまな思惑が交錯する終盤は圧巻だった。
忠誠とは何かを考えた末に雪哉が下す選択には深く考えさせられる。
前作はあまりにも綺麗に完結していたので、「同じ面白さはもう作れないのでは」と思っていた。
しかし本作は前作とはまったく異なる方向性で、それに劣るどころか、それ以上に夢中になって読めた。シリーズとしての期待を大きく超えてくれた一冊だった。
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