阿部智里のレビュー一覧
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ネタバレ外伝、短編集
「しのぶひと」…真赭の薄と済尾の話
そんな事があったとは!と驚いてしまった。
千早も良く人を見てるね。
「すみのさくら」…浜木綿が浜木綿になるずっと前、
若宮の悪友になるまでのこと。
子どもの頃に一緒の二人を想像すると楽しい。でも、
今もきっと変わらない関係なんだろうなというのが、
真赭の薄の描写でわかる。
若宮のさくら、見てみたい。
「まつばちりて」…二人の能筆家の話
これは悲しかった。でも、若宮・雪哉・澄尾が飛び
回る山内の世界ではこうして他の八咫烏にもそれぞれ
人生があり、必死に生きてるんだと、山内の世界観に
深みを与えた。
「ふゆきにおもう」…雪哉の実母と育ての母の -
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「玉依姫」を読んでから3ヶ月も経ったのが悔やしい。
これは、山内(八咫烏)視点で見た「玉依姫」で語ら
れた出来事とその時(と前後に)山内では何が起こっ
ていたかの話。
「玉依姫」を引っ張り出して読み直しながら、照らし
合わせながら読み進めた。
山神の怒りで死んだ烏は?若宮を庇って大怪我をした
のは?「玉依姫」で気になってた部分を含む様々な事
が判明します。
金烏が忘れている部分も。
全てが終わった後の若宮を見て、あの状況下の山内で
あの立場でそこにいた雪哉の絶対的存在を考えて、浜
木綿の言葉を噛み締めて、人にはそれぞれ役割がある
のだとしみじみ思った。
これが第一部終了のよう。
どういう二部 -
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ネタバレ1冊読むごとに、不安のまま終わっていたシリーズでしたが、今回はちょっと明るい未来が見える終わり方なのがよかったです。雪哉視点がなかったからでしょうね。
今までちょこっとずつ垣間見えていた、長束様のお坊ちゃま感がよく分かった回で、翠寛とのやり取りが、ほほえましくて小休止になりました。読み始めて早々、路近の周りへの関りが酷すぎて苦しくなっているところ、救われました。
いろいろな視点、いろいろな時間、そして場所がありました。登場していない時でも、今まで出てきた人物がどこかで存在しているのだなーと、思いながら読んでいく作品というところが凄いです。今回もおもしろかったです。 -
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ネタバレ一つ一つの短編は短い。しかし、ここまでの関係性やシリーズ二部に繋がる部分を深掘りしているので各編大事に読んだ。以下だらだらと感想。
かれのおとない
訪ひ おみまい、とむらい
茂さんの妹(みよし)の結婚前日に雪哉が訪ねる話。回想の中の雪哉の姿と今のギャップが悲しい。茂さんの死が猿との全面戦争への雪哉の決断に与えた影響の大きさを再確認した。
ラストのみよしの言葉に楽園への決意を固める様子は切ない。
さ百合花の歌、これからも会いたいからこそ今誠実に対応するのですと言う意味らしい。雪哉はみよしを、個人として支えてあげたかったのだと思う。しかし、みよしは自分ではなく民に誠実でいて欲しいと願った。それを受 -
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追いかけている八咫烏シリーズ。
前巻での謎がこの巻でようやく理解。
シリーズ最大の衝撃!と帯にあるように、とにかくいろいろなことが盛りだくさん。
明留の思いが痛くて。
明留の場面を電車で読んでいたので、胸が詰まり、ぐっと耐えた。
裏切りとトカゲの尻尾切り……
辛くて、悲しくて……
誰か助けて!と言いたくなる。
八咫烏シリーズは、既に10冊を読破した。シリーズは続編として?続いているけれど、ただの続き、ではなく、続巻で過去に戻り、前巻の謎が明かされたりする構成になっている。
普通なら混乱しそうだと思うのにそれはなく、なるほどねーとなるので不思議。
雪哉が変わっていく様が寂しく、悲しくもあ -
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ネタバレGPSの進歩により、灯台がその役割を終えていっているという事実を初めて知った。
「海と灯台プロジェクト」協力のもと、灯台が存在することの意義を、その土地のあらましや歴史、灯台を守ってきた人々にスポットライトを当てることで言語化した、6名の作家さんによる紀行文。
作品を読みながら旅行気分に浸れるので愉しい。作家のみなさんが灯台の中の螺旋階段を登り、灯台室に入られる場面のわくわく感が伝わってきた。フルネルライトを初めて検索したが、見事なライトであった。
灯台の父と呼ばれるイギリス人のブラントンさんという方が、菜種油で火を灯す木造の灯明台が主な海の道標だった日本に、西洋式の灯台をもたらした。また -
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ネタバレ解説大森望氏。相変わらず解説者が熱くてためになる情報満載。
日本のファンタジー作品を列挙。
小野不由美『十二国記』既読
茅田砂胡『デルフォニア戦記』既読
上橋菜穂子『守り人』既読
荻原規子『西の善き魔女』既読
須賀しのぶ『流血女神伝』→知らない
雪野紗衣『彩雲国物語』→アニメのイメージ
菅野雪虫『天山の巫女ソニン』→知らない
乾石智子『オーリエラントの魔導師』→知らない
→女性作家が多いイメージ。未読含め読んでみたい。
松本清張賞
岩井三四二、山本兼一、葉室麟、青山文平など歴史時代小説作家や牧村一人、本城雅人、三好昌子も気になる。
本作、アニキっぷりが凄まじい茂さんのファンになるのではな -
ネタバレ 購入済み
山内の外が普通に現代日本だったのが驚きだったし、そこまで話が広がるとは思わなかった。
今作の主人公と山神の終着点は感動的だったが山内はどうなってしまうのだろうか。