小松和彦のレビュー一覧
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再読した本。
発行が平成26(2014)年7月で元になった単行本の発行が1995年8月なので、さくっと10年前の本であり、30年前の本でもある。
再読した時に面白い本というのは、意外と少ないものなのだが、これは文句なしに面白い。構成も良く、文も読みやすくて魅力的だ。著者である小松和彦氏の文章は、ある意味魅惑的なのが欠点でもある。するすると読める分だけ、理解していないのに理解出来てしまっているような、そんな錯覚が否めない。
再読した上で、当時はこのあたりを錯覚していたなーなんて感じたところが多々あり、そういう意味でも読み返してよかった。10年前の私は、かなり表面的に読んでいたように感じるし、中世 -
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紫綬褒章受章した、シャーマニズムとか妖怪論とか民間信仰が専門の研究者の本なんだけど、すごい面白い。こういう分野こそ日本が凄く表れてるなと感じる。狗神っていう天海祐希の映画に出てきた狗神の話も実話として出てきた。
小松和彦
1947年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター所長。埼玉大学教養学部教養学科卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(社会人類学)博士課程修了。専攻は文化人類学・民俗学。2013年、紫綬褒章受章
私が調査のとき出会った、村外から祈禱をしてもらうためにやってきた女性は、犬神に取り憑かれて二十年以上も苦しめられたという。その症状をくわしく聞くことはできなかったが -
購入済み
知識が整理できた
小説でも漫画でも映画でも妖怪が好きなので、しかもこの著者は第一人者だし、セールで安かったこともあり、購入してみた。
基礎知識と言いながら、広く深く情報が網羅されていて、しかも適切に解説されているので、頭の中が整理された気がする。
初心者にも通の人にもオススメです。
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人形道祖神への愛情が伝わる
研究資料ではなく取材を記録したものなので読みやすいです。ですが取材をしないとわからないようなもの(独特な呼び方や、その町の歴史や道祖真の成り立ちなど)が多く記載されています。また、1800年代に同じく秋田を訪れて人形道祖神を調査した菅江真澄の文献と照らし合わせて取材をされていて、昔の道祖神や集落の様子がどのように今の状態に変化したのかもわかるようになっています。
地元の方々の、人形道祖神への信仰がよくわかる本でした。エピローグに収録されている、鶴田の復活したショウキサマの話はグッとくるものがありました。
民俗学に興味がある程度の私でも、楽しく、そしてもっと知りたいと思える本です。
プロジェクト -
購入済み
読む程もっと知りたくなる
小松さんの本は何冊か読みましたが、どれも語り口がわかりやすく、内容に惹き込まれてしまいます。
民俗学や文化人類学などもっと知りたくなる入門書のような本書ですが、専門書となるときっと歯が立たないので(笑)小松さんに中級者向けの本を書いてほしいな〜なんて思います。 -
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試し読み
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- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
そして、2025年現在、ピンピンしておられます -
Posted by ブクログ
「妖怪学」の創始者である小松先生による、妖怪学の入門書。恥ずかしながら著者のことはこの本に出会うまで知らなかった。可愛らしい表紙につられて何の気無しに購入した本だったが、非常に面白く、著者の別の本も読んでみたくなった。
何を隠そう、小学生の頃の夢は民俗学者だった。妖怪が大好きで、自由研究では河童について何冊も本を読んで調べて発表した。あの夢を追わなくなったのはどうしてだったっけ…
さて、今でこそ妖怪人気は不動のもので、研究分野としても確立されつつあるが、小松先生が研究を始めた頃はそうではなかったらしい。妖怪について研究してる人なんていなかったとか。民俗学の大家である柳田国男はいたけれど、そ -
Posted by ブクログ
とにかく読みやすい。
角川選書ビギナーズということで、初心者向けであるのはたしかだけれど、『初心忘れるべからず』の気持ちで読むのに最適でもあると思った。また発行が令和6年12月ということもあり、紙媒体としては最新の情報が組み込まれているのも魅力。
そして、著者がどういう立ち位置で『妖怪』というものにアプローチしているのかが明確なのも良い。それが曖昧だと、どこか据わりが悪く、また書かれている文章にも懐疑的にならざるを得ない。そういう意味でも素晴らしく誠実な本だと思う反面、文章が上手いので丸め込まれている感覚もしていたりする。一読者が丸め込まれたとて、たいしたことはないのだが、化かされている気持ち