小松和彦のレビュー一覧

  • 呪いと日本人

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    再読した本。
    発行が平成26(2014)年7月で元になった単行本の発行が1995年8月なので、さくっと10年前の本であり、30年前の本でもある。
    再読した時に面白い本というのは、意外と少ないものなのだが、これは文句なしに面白い。構成も良く、文も読みやすくて魅力的だ。著者である小松和彦氏の文章は、ある意味魅惑的なのが欠点でもある。するすると読める分だけ、理解していないのに理解出来てしまっているような、そんな錯覚が否めない。
    再読した上で、当時はこのあたりを錯覚していたなーなんて感じたところが多々あり、そういう意味でも読み返してよかった。10年前の私は、かなり表面的に読んでいたように感じるし、中世

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    2025年03月29日
  • 異界と日本人

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    人びとは文明の進化と共に異界への関心をなくし、その住人であった妖怪は中世後期には付喪神、江戸時代には死者が姿を変えた幽霊へと変わっていく。創造力が奪われる現代こそ異界への関心が人間の心を豊かにしてくれるのかもしれない。

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    2024年12月24日
  • 呪いと日本人

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    紫綬褒章受章した、シャーマニズムとか妖怪論とか民間信仰が専門の研究者の本なんだけど、すごい面白い。こういう分野こそ日本が凄く表れてるなと感じる。狗神っていう天海祐希の映画に出てきた狗神の話も実話として出てきた。

    小松和彦
    1947年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター所長。埼玉大学教養学部教養学科卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(社会人類学)博士課程修了。専攻は文化人類学・民俗学。2013年、紫綬褒章受章


    私が調査のとき出会った、村外から祈禱をしてもらうためにやってきた女性は、犬神に取り憑かれて二十年以上も苦しめられたという。その症状をくわしく聞くことはできなかったが

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    2023年11月17日
  • 妖怪学の基礎知識

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    知識が整理できた

    小説でも漫画でも映画でも妖怪が好きなので、しかもこの著者は第一人者だし、セールで安かったこともあり、購入してみた。
    基礎知識と言いながら、広く深く情報が網羅されていて、しかも適切に解説されているので、頭の中が整理された気がする。
    初心者にも通の人にもオススメです。

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    2021年11月05日
  • 村を守る不思議な神様 永久保存版

    Nao

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    人形道祖神への愛情が伝わる

    研究資料ではなく取材を記録したものなので読みやすいです。ですが取材をしないとわからないようなもの(独特な呼び方や、その町の歴史や道祖真の成り立ちなど)が多く記載されています。また、1800年代に同じく秋田を訪れて人形道祖神を調査した菅江真澄の文献と照らし合わせて取材をされていて、昔の道祖神や集落の様子がどのように今の状態に変化したのかもわかるようになっています。
    地元の方々の、人形道祖神への信仰がよくわかる本でした。エピローグに収録されている、鶴田の復活したショウキサマの話はグッとくるものがありました。
    民俗学に興味がある程度の私でも、楽しく、そしてもっと知りたいと思える本です。
    プロジェクト

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    2021年09月26日
  • 神隠しと日本人

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    読む程もっと知りたくなる

    小松さんの本は何冊か読みましたが、どれも語り口がわかりやすく、内容に惹き込まれてしまいます。
    民俗学や文化人類学などもっと知りたくなる入門書のような本書ですが、専門書となるときっと歯が立たないので(笑)小松さんに中級者向けの本を書いてほしいな〜なんて思います。

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    2019年11月14日
  • 妖怪たちのいるところ

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    狐に化かされたような
    不可思議な部分もゆるせる
    大判でとても綺麗な妖怪絵です
    解説も 博学で読んでいて面白いです
    水木先生の絵は
    やっぱりすごいですよね
    まるで見てきたように描いてあるもんなぁ
    見てきたんだろうな~と思えるほどでした

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    2019年02月27日
  • 神隠しと日本人

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    現在では失踪とか蒸発という言葉で表現される現象そのものは変化があるわけではない。筆者はこれを神隠しにあったものとして受け入れるというユニークなアプローチを採ることによって、神隠しの本質を浮き彫りにしてゆく。

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    2017年01月03日
  • 妖怪 YOKAI ジャパノロジー・コレクション

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    妖怪展行ったときに衝動買いしたやつ!解説も小松さんだし素敵な妖怪画がいっぱいでしあわせだった…文字少なめでインパクト強いひと言がページめくると書かれてるのもとっても良かった…
    詳しくはないけど国芳がすきだなって前から思ってて、妖怪展で暁斎と芳年も素敵だなめっちゃすき!って思ってたら、二人とも国芳の弟子でびっくりした…そりゃすきだわ…
    このシリーズ他にも出てるみたいなのでそっちも読みたいな〜!

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    2016年12月15日
  • 鬼がつくった国・日本~歴史を動かしてきた「闇」の力とは~

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    日本の歴史と、それを闇の側から支えてきた「鬼」の事を小松和彦氏と内藤正敏氏が語り合った対談集です。「鬼」と言っても、伝承的な鬼から、総称的な鬼~権力の外にいた、まつろわぬ民~に関して。対談は多方面に渡るので、この本から単語を拾って興味分野を掘り下げる導入として最適です。

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    2013年09月13日
  • 鬼がつくった国・日本~歴史を動かしてきた「闇」の力とは~

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    著者の民俗学にはまったキッカケの本で、私が買ったのはカッパ・サイエンスでしたね。鬼の外部性の話はとても説得力があって面白かったですよ。

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    2013年01月06日
  • 日本の呪い~「闇の心性」が生み出す文化とは~

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    『鬼が作った国・日本』とともに、15年ほど前にカッパ・サイエンスとして新書で出ていたものが文庫化されたものです。オカルト本ではありません。なかなか読みやすい優れた社会史・風俗史であり、民俗学の立場から日本を捕らえなおした小松民俗学の最適の入門書です。『異人論』や『悪霊論』なども今では文庫本化されているので、こちらもオススメです。

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    2013年01月04日
  • 妖怪学の基礎知識

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    妖怪が好きなので、とても勉強になり面白かった!
    妖怪は信仰・畏れの対象だったのが、江戸時代から娯楽の対象となったというお話が印象的。
    そもそも妖怪(昔はこう呼ばれなかったが)とは日常的な論理では解釈できないものの総称だったけれども、エンターテインメントと結びついて、キャラクター化したとのこと。
    他にもたくさん、たくさん興味深い知識がもりだくさんです。

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    2012年10月08日
  • 日本妖怪異聞録

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    個人的にとても興味深く読めました。
    大変読みやすく面白かったです。

    小学館?だったけ?の連載物の再録ということで仕方ないのですが、欲をいうと参考文献や橋姫神社などもう少し踏み込んで書いて欲しかったです。著者も字数制限の中での…とおっしゃっているので仕方ありませんが…

    他にもこの小松さんの本を読んでみたいと思いました。

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    2011年11月30日
  • 京都魔界案内~出かけよう、「発見の旅」へ~

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    さすがは1千年以上の歴史を誇る京都。
    あちこちに「魔」の空間が存在する。
    しかしその「魔」と上手に付き合っているんで、現在もこの町は元気なのかも知れない。
    これこそ京都を知る真のガイドブックでしょう。
    写真も豊富やし。

    ウォーキングで夜の産寧坂に行った嫁が走って帰ってきたときがあった。
    この本を読んで合点がいった。

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    2009年10月04日
  • 神隠しと日本人

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    神隠しを凄く丁寧に読み解いているので、面白かった!!たくさんの資料を提示したり、神隠しの正体、条件なんかも事細かに分析。でもって、結局神隠しは妖怪の仕業とするのではなく、合理的・・・とゆぅか、現代の目から神隠しをきちんと分析していて、「事象」としてのそれがよくわかりました。文章自体も凄く読みやすいので、「神隠し」とゆぅ言葉に惹かれたら一読の価値ありです!

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    2009年10月04日
  • 怪と幽 vol.009 2022年1月

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    テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
    タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
    タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
    あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
    そして、2025年現在、ピンピンしておられます

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    2025年09月14日
  • 謎解き妖怪学 角川選書ビギナーズ

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    「妖怪学」の創始者である小松先生による、妖怪学の入門書。恥ずかしながら著者のことはこの本に出会うまで知らなかった。可愛らしい表紙につられて何の気無しに購入した本だったが、非常に面白く、著者の別の本も読んでみたくなった。

    何を隠そう、小学生の頃の夢は民俗学者だった。妖怪が大好きで、自由研究では河童について何冊も本を読んで調べて発表した。あの夢を追わなくなったのはどうしてだったっけ…

    さて、今でこそ妖怪人気は不動のもので、研究分野としても確立されつつあるが、小松先生が研究を始めた頃はそうではなかったらしい。妖怪について研究してる人なんていなかったとか。民俗学の大家である柳田国男はいたけれど、そ

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    2025年05月30日
  • 謎解き妖怪学 角川選書ビギナーズ

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    人類学者民俗学者妖怪学者小松和彦先生による「妖怪学」入門書(思えば小松先生の著作は1980年代から読んでいるな)。「妖怪」そのものではなく「妖怪学」がどんなものかを教えてくれている。日本の妖怪の多彩さ、先生の学問遍歴が語られ、妖怪学の方法を、妖怪関連絵巻物の謎解き、絵巻物の謎を解くところから見えてくる日本の歴史、妖怪としての狐と狸の分析を通して具体的に示してくれる。講演を元(そういえば一度先生の講演にも行ったな)にしているのでとても分かりやすく、すらすら読める。読めば「妖怪学」が好きになるぞ。

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    2025年04月28日
  • 謎解き妖怪学 角川選書ビギナーズ

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    とにかく読みやすい。
    角川選書ビギナーズということで、初心者向けであるのはたしかだけれど、『初心忘れるべからず』の気持ちで読むのに最適でもあると思った。また発行が令和6年12月ということもあり、紙媒体としては最新の情報が組み込まれているのも魅力。
    そして、著者がどういう立ち位置で『妖怪』というものにアプローチしているのかが明確なのも良い。それが曖昧だと、どこか据わりが悪く、また書かれている文章にも懐疑的にならざるを得ない。そういう意味でも素晴らしく誠実な本だと思う反面、文章が上手いので丸め込まれている感覚もしていたりする。一読者が丸め込まれたとて、たいしたことはないのだが、化かされている気持ち

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    2025年03月01日