新海誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の遠野貴樹の小学生時代、高校生時代、社会人時代の3つに分かれて描かれた作品。
小学校時代に自分と似た境遇だった明里と仲良くなり次第に惹かれていく。中学に上がり遠く離れた後も文通を続け、電車で3時間かけて会いにいくシーンは何とも言えず辛かった。そして貴樹は明里から別れ際に掛けられた言葉を忘れられずに生きていくことなる。
高校生時代も想ってくれる人はいたが応えられず、社会人時代も恋人はいたが上手くいかず。悪く言えばくよくよしてる男の話だが、その一言では片付けられないほど描写が美しく、現実ではそうだよなぁという心情や話の流れで辛いものの面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恋愛を軸にした年表のような物語。
少年時代の貴樹が明里に会いにいく1日が丁寧に描かれていた場面がすごく印象に残りました。好きな人と放課後に予定があるときの授業の身の入らなさだったり、そこまでの行先が心配でドキドキしているのかこれから好きな人に会えるからドキドキしているのかわからなくなる感じだったり、学生時代の恋愛でしか感じられない気持ちが切実に描写されていて、読んでいて胸がきゅーっと締め付けられました。
大人になるにつれて徐々に、自分のことを自分で決めなくてはいけなくなる。親の都合の転校を繰り返して流れに身を任せるしかできなかった貴樹が、初めて自分で決断して行動したのが、中学校1年生の明里に会いに行った日なのではないかと思います。勇気を出して大人への入口に立ったそんな日の最後に、明里からあの言葉を貰ったという背景も、ずっとあの言葉がお守りのようになっていた理由のひとつなのかもしれないなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと文章を読めていなかったので、体調がよく時間もあり、久しぶりに小説を最後まで読むことができて嬉しい。後半の物語が繋がってくるところまでは読んでいて難しかったけれど、ちょっとずつ伏線が回収されていくのがおもしろくて感動した。
特に、雨がどしゃぶりになった場面で、2人の心がようやくひとつになって、2人の高揚した気持ちが伝わってきてとても心が動かされた。きらきらとした2人の顔が思い浮かんだ。
この物語で私が気付かされたのは、多くの人がきっと心で思っていることと本当はこうするべきだと思っていることと実際の言動とが全部チグハグなんだということ。皆そういう葛藤を抱えてるということ。自分は人の言動がすべてだと受け取っていないか、ちゃんと裏側に別の気持ちがあるかもしれないと意識できるのか気になった。
怜美から見た翔太と孝雄の対比が印象的だった。いつもぶつかってしまう翔太は天邪鬼な言動がどこか怜美と似ていると思った。一方、孝雄は一緒にいて落ち着いて過ごせる感じで、怜美の好きになった清水さんと似ているのではないかと思った。清水さんがデザイナーだと知って、やっぱり似ていると思った。
また、まだ自由に生きている怜美はどこか子供っぽく、大人っぽくて自立していく孝雄とも対比されているように感じた。
この本はまだ幼い弟に選んでもらった。自分ではわざわざ映画化されているものを小説で読もうとしないなと思ったけれど、この本は小説で読んで良かった。
感想を書くにあたって、自分の語彙力の少なさと文章の幼稚さが残念で、もっと上達したいと感じた。小説の良さを細かな感情のニュアンスを失わずに言語化できるようになりたい。 -
Posted by ブクログ
映画を観てから原作を読んだのですが、個人的には「君の名は。」よりもこちらの方がしっくりきて、映画では拾いきれなかった気持ちの動きがちゃんと伝わってきて良かったです。
特に、主人公以外の視点が一人称で挟まるところが好きでした。すずめが後から聞いた話を思い返すような書き方で、その人の温度や空気感がふわっと伝わってくる感じがします。
映像の美しさはもちろん圧倒的なんだけど、小説だと「ああ、この時ってこういう気持ちだったんだな」と自然に理解できる場面が多くて、映画と小説がうまく補い合っている印象でした。
強いて言えば、すずめが旅の中で出会う人たちの背景やエピソードを、もう少し深く描いてくれても嬉しかったかも。そこが広がると、もっと好きになれた気がします。
読み終わったら、また映画を観返したくなる一冊でした。