グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • ゼンデギ

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    ゼンデギ。主題は政治・宗教と人工知能だ。原著は2010年で、日本語訳が発行されたのは2015年だから、ChatGPTの台頭より少し前だが、扱っている倫理的な問題は現在のAIにまつわるそれと近いと思う。

    それはそれとして、父の息子を想う気持ちが…(´;ω;`)

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    2025年12月07日
  • しあわせの理由

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    イーガンはもっと難解で何のこっちゃわからん感じかと思っていたが、文章自体が思いがけなく読みやすかったので、理系の専門知識部分以外は問題なく理解できた。
    読んでいると人間という存在の悲哀を感じて、自分の人生を含めたこの世界をとても切ない気持ちで見てしまうようになる。
    全編に通じるテーマとして、人間は「自分のしたことは間違っていない」と思わないと生きていけない、という真理を感じた。

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    2025年11月09日
  • シルトの梯子

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    グレッグ・イーガンはハードSFの極北なので一般人の私には理解できるレベルでないのだが、自分の理解への助けに概略をまとめておく。

    二万年後の未来の話。人類は宇宙全域に播種し、もはや人格をデータ化しバックアップ、光速で移し替えたりでき肉体はもはや意味を持たず、肉体を持つことなく存在する人もいる。寿命も数千年にわたる。肉体ももはや男女の別はなく、性行為をしたい時はそれ用に性器を作り出す世界となっている。そういう世界が嫌で自らの肉体をコールドスリープし宇宙を漂流し続けるアナクロノートと言われる人類も登場、後に彼らが騒動を引き起こすこととなるのだが。

    ミモサにてサルンペト則(架空の物理法則)に基づく

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    2025年07月14日
  • 順列都市〔下〕

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    SF的アイデアの宝庫。
    科学的というよりは形而上学的に難解であり、登場人物の感覚や推論を理解しながら読むのが困難。
    人間の意識をコンピューター上にコピーするという、ありふれた出発点からは想像もつかないような展開と着地。

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    2025年01月05日
  • しあわせの理由

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    ネタバレ

     ハードSF作家としてよく名が挙がるグレッグ・イーガンの短編集。自分にとって初めてのイーガン作品だ。ハードSFという言葉から予測していた難解で合理的な科学的描写で埋め尽くされたような硬いイメージとは違い、意外にも容赦無く万物を物質的に還元していく科学に引き裂かれる人間の、不合理で、不完全で、柔らかな"こころ"が主題になった短編が多かった。全体的な感想としては、その"こころ"の探求が見事で、科学を通じてなされる哲学的な思案が心地良かった。

    ・適切な愛
      女は、事故で死にかけた夫の治療の為に、彼の脳のクローンを孕む事になるが、妊娠に起因する胎盤ホルモンの

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    2024年11月14日
  • ディアスポラ

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    初イーガン、あらすじがとんでもないこと書いてあるので気になって読んだ。最新物理学の上に架空の物理学が乗っかっていたり、幾何学の説明が図もなしに地の文で何ページも書かれていたりするがわりと読み飛ばしても主題は追える。主題の「そこまでテクノロジーで出来たとして、あなた(私)は何をしたいのか(するべきなのか)」は西暦3000年を待たずに、もう全人類に突きつけられつつあるのではないかと思う

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    2024年10月28日
  • ディアスポラ

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     「難解」という評価が定着している本作であるが、確かに私自身、読み終えてみて理解できたと言えるのは全体の3割程度というのが体感であった。しかし、私はそれでも本作を人に薦めたいと思っている。なぜなら、その難解さにもかかわらず、圧倒的に面白いからである。数学や物理学等のテクニカルタームの洪水をなんとか泳ぎ切れば、今までに感じたことのない読書体験ができたと思うはずだ。

     本作の主人公(であろう)ヤチマが人工生命として誕生する第1部はとりわけ難解で、数ページ読んだだけで心が折れそうにはなったが、知性を持った人工生命がいかにして生まれ、認識能力を獲得していくかが細密に描かれており、わからないながらも引

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    2024年09月25日
  • 白熱光

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    グレッグイーガンの小説の中でベスト5に入る。
    物理とバイオと宇宙がちょうどよく絡まってうまい。
    超物理理論はちゃんと理解できていないけど、迫力はわかる

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    2023年06月03日
  • しあわせの理由

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    ネタバレ

    初イーガン。どこから得たのか「グレッグ・イーガンは難解」というイメージがあって、SF歴3年目の中で読んだことがありませんでした。が、むちゃんこ面白いじゃん!!!と思いました。私好きだわこれは、と最初から思い、最後までそう思い続けられました(これは読みやすい本だということなので、この後他の本を読んでぐうの音も出なくなるかもしれませんが笑)

    「適切な愛」発想が度肝を抜かれたというか、文章力と相まって度肝を抜かれた
    【再読】子宮の中で夫の脳を孕む女性について。それを経ることで起きた変容。時間は流れていき、過去には戻らず、現在がある。

    「闇の中へ」好きだったなー…アイディアもSFという感じでわくわ

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    2022年11月21日
  • しあわせの理由

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    ・適切な愛 
    ・闇の中へ
    ・愛撫
    ・道徳的ウイルス学者
    ・移相夢
    ・チェルノブイリの聖母
    ・ボーダー・ガード
    ・血をわけた姉妹
    ・しあわせの理由

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    2021年12月26日
  • アロウズ・オブ・タイム

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    2段組み500ページが3冊、物理説明も難しくハードルの高い作品ではありますが、SF好き、新しいものやちょっと不思議なことが好きな人にはおすすめ。

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    2021年11月18日
  • クロックワーク・ロケット

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    主人公の姿態をイメージするのに苦労しました。手足を自由に生やしたりしてますが、骨や筋肉はあるようで不定形生物ではなさそう。ニョロニョロが大きくなった感じか?

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    2021年11月18日
  • 白熱光

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    異星人が自らの世界の天体力学を発見していく様はこの作品ならではなのですが、残念ながら解説HPを見ても理解できませんでした。もっとも、理解できなくてもストーリを追うのには影響ないです。超進化した人類はなんでもできちゃってすごいです。?

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    2021年11月18日
  • クロックワーク・ロケット

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    前半は三回くらい呼んだ。
    そこを超えると最後までやめられなくなる。

    この世界の物理よく分からないので、色々な描写が理解できないのだけど、それでもその世界に馴染んで仕舞えば、気にならない。

    イーガンの小説ではときどき性差別がとりあげられるけど、この世界と我々の世界がこれほど違うのに現れる差別を読むと、社会と生物の生理とには根本的に矛盾があるのかとも思う。が、これは作り話だ。

    物理法則が違うことでそこに棲息する生物はことなり社会の形も異なる。そこらへんの力技が見事

    物理法則については巻末に解説があったり、イーガン自身のサイトにも詳しい情報があるけど、わたしにはわかりませんー

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    2021年08月17日
  • しあわせの理由

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    初イーガン。まさに科学小説で、ハードSFとはこういうことか。面白かったものをいくつかピックアップする。「適切な愛」発想がすごい。初イーガンとしては適切な作品だったのでは。「道徳的ウイルス学者」皮肉なユーモアが利いたラストが良い。「位相夢」自分の意識をコンピュータ上に移植することについて。「血をわけた姉妹」SF要素は控えめで、現代ミステリでもありそうな筋書き。物語としての完成度も高い。「しあわせの理由」人間の感情は、所詮脳内の化学反応に過ぎないのか。

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    2021年04月04日
  • 順列都市〔上〕

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    この難解な本が理解できるようなり、この本を通して自分の成長を感じる。

    読まないからと売ったり捨てたりせずに残してて良かった。

    はっきり言って、用語について調べながら読まなければ、面白さよりも苦しさが勝ると思う。

    私がこの本を購入したのは、7年前。私はまだ高校生でした。当時放送が始まったソードアートオンラインをきっかけに「仮想世界」について興味をもち、この分野について調べていくうちにグレッグイーガンに辿り着きました。

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    2020年12月07日
  • ビット・プレイヤー

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    「鰐乗り」に価値あり。
    死が穏やかな眠りとしか語られていない。
    冒頭で濃厚な人生をいくら語られようが、
    融合世界で生まれ育った人達にとって1万年は、
    神の存在しない死へと向かうのに充分な時間なのか。

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    2020年05月28日
  • しあわせの理由

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    SEVENEVES以来のSFですが、すごいよかった。短編だからかな。でももうなんか、ジュンパラヒリあたりを読んでいる気分とあまり変わらないような短編もある。表題の「しあわせの理由」とかね。

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    2020年01月17日
  • エターナル・フレイム

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    グレッグ・イーガンの〈直交〉三部作の第二巻『エターナル・フレイム』を読み終わった…。なんという余韻…。これはある宇宙の物理学史であるとともに、性別とは何であるか(何であると考えたらいいか)を問いかけてくるな。すごイーガンの極地だと思うんだけど、これでまだ完結してないのである!

    この〈直交〉宇宙における主人公たちである人類は、女は出産時四つの子供に分裂して死ぬという世界なので、宇宙船〈孤絶〉の中においては四つ子になると人口の増加を招くので「飢餓状態にあれば二つ子出産になるかも」という通説に従い節食している。そんな極限ななかで、いろいろすすむ。

    人類はまだ、空間と時間が交換可能な宇宙についてほ

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    2019年12月24日
  • クロックワーク・ロケット

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    グレッグ・イーガンの〈直交〉三部作第一巻『クロックワーク・ロケット』。時空に関する物理法則が異なる宇宙とはどんな姿なのかを、論理的にとことん導出して見せてくれる一大ハードSF。また一人の科学者の一生の物語でもあり、生物が自身の特性とどう向き合うのかを見せてくれるドラマでもある。

    時間と空間が交換可能かついくつかの仮定をおき、そこから光の性質、物質のありかた、生態系の様相までを描き出す。「球面調和関数くらい知ってるよね?」みたいな顔して怒涛の推論議論を登場人物が繰り広げるところは圧巻である。

    そしてまた、恒星系ひとつが滅びるスケールの世界の危機を、物語開始時点では未解明の物理法則を解明するこ

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    2019年11月27日