グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • 白熱光
    中盤までは、ほぼ苦行。いや、これは修行なんだと自分に言い聞かせながら読み進める。そこから先はランナーズハイのようなもの。物理学とか幾何学とか理解の次元を超えた先にイーガンの良さがある。と、分かったつもりで読み終わった後に、あとがきの誤解ポイントの解説で撃沈・・・。でも、本作に登場する箱舟居住者たちの...続きを読む
  • ビット・プレイヤー
    イーガンの作品を完全に理解するのはかなり難しい。特に科学的な説明はよほど知見がないと理解できない。でも、作品は面白く感じる。それは、物語のベースがしっかりしているから。物語の根底にある人間ドラマ(人間ではない生命もいるけれど)があるからだと思う。現代の問題を切り取って、それをSFにしている感じだ。「...続きを読む
  • ビット・プレイヤー
    読みやすイーガンなほうだと思うけど、それでもたまにつらい時がある。
    身体感覚の拡張についての「七色覚」アンドロイドの権利にまつわる「不気味の谷」ファーストコンタクト系「孤児惑星」などどれも手ごわくも、おもしろい。
    一見ぶっ飛んでいて、あっという間に5万年が経過したりするのだけど、その実登場人物たちの...続きを読む
  • ビット・プレイヤー
    イーガンについて私などが何を申すことがありましょう…まあ、何をいってもイイガン!と私の米子弁魂が主張しますので展開しますと、まんず文系女子には科学・天文・IT的設定説明はいっさい意味をなさず、ただ流れ行くものを立派じゃのうとうっとり眺めているにすぎない。でもその中で描かれる人間性が、感情が、とてもリ...続きを読む
  • しあわせの理由
    イーガンは難解なイメージがあって食わず嫌いだったのだけど、もっと早く読めばよかった。
    解説にもあるように読者を観測者に見立てていることが、イーガンの本質なのかもしれない…と思って量子力学をちょっと勉強してみたくなった。しないけど。
  • ビット・プレイヤー
    - 孤児惑星(Hot Rock)
    この話はこの著者の十八番である惑星において一つの生物圏をそっくり創ってそこで繰り広げられる生物の話なのですが、相変わらずマクロからミクロな視点まで裏付けをしっかり整えている点が凄すぎます。
    核心にはオーバーテクノロジーなど存在するのですが、科学的整合性のあるまま想像...続きを読む
  • しあわせの理由
    短編集。
    表題作の「しあわせの理由」。
    脳内の化学物質でしあわせを自分でコントロール出来るようになったら…。
  • ひとりっ子
    イーガン作品は初めて読んだ。短編集。それぞれのエピソードのテーマは、人の意識、脳の領域に記憶や感情をインストールする技術、多元宇宙論、人造人間など。

    登場人物の会話が完全に理解できないのが難点だが、ストーリーは面白い。この本で書かれている技術はいずれ実用化されそうなものが多いと感じた。
  • 順列都市〔上〕
    SF作家の中でイーガンは特に興味があり、最初に読むものとしてこの初期作品を選んだ。イーガンは「難解」と言われたりするが、彼が作品中で設定している根本的なロジックさえ納得できれば、読み進める事はそれほど難しいとは思わなかった。この作品では主人公が「塵理論」を元に純粋な情報のレベルで世界を作るというもの...続きを読む
  • ひとりっ子
    『1984年』は2+2=5であることを証明するSFである
    と他の誰でもないこの作者が言うのだからそうに違いない
    それはともかく
    この作者の作品を久しぶりに読んだけれど
    SFとして最先端であるというより小説としての幅の広さが良くわからない感じ
    『ルミナス』のように小説らしいSF小説が書かれている一方で...続きを読む
  • ディアスポラ
    あまりの壮大なスケール。はっきり言って難しすぎてついていけない所があるが見事な大法螺イーガン節である。すばらしい。

    これまで読んだ作品と比べるとユッタリとしたストーリーで、解説の大森望氏が指摘するようなビークル号的古典的冒険譚の香りもある。もう少し異世界の細部をギリギリ書いて冒険譚風味を出して、と...続きを読む
  • クロックワーク・ロケット
    波長がどうとか理科の教科書みたいな図やそれについての登場人物たちのやりとりが出てきて読むのに苦労した。その辺は無理に全部理解しようとしなくても流し読みするくらいでいいと思った
  • シルトの梯子
    端からサルンペト則って何?と躓いて、第一部で理解の範疇外にあるかもと放置しかけたが、なんとか梯子を登り切りました。第二部に入ると良く判らないけれど、これって何かキレイだし、スゴイんじゃない?と爆発している芸術を楽しむ境地だった。^^;
    あとがきを読んで、判らなくても大丈夫と喜んだのだった。
  • 祈りの海
    読んでみたかったグレッグ・イーガンを初めて読んだ。ハードSFの大家の短編集。日本向けに選ばれたらしい。
    かなり難しいSFでよくわからないのが多いが、なぜか癖になりそう。

    以下は読書メモ:

    貸金庫
    宿主を転々と移る人。目がさめると意識が違う人に移っている。その間の記憶を書きとめて貸金庫にしまう。そ...続きを読む
  • ひとりっ子
    相変わらず読みにくい部分もあるが、表題作はよかった
    表紙   6点田中 光   山岸 真訳
    展開   6点2006年著作
    文章   5点
    内容 698点
    合計 715点
  • ディアスポラ
    大変な大作。作者はもちろんのこと、読む方にも根気と体力が強いられる。
    好きな場面はヤチマが自身の精神を統合し、「ヤチマ=自分」と理解する場面。というか、それまでの分裂した自我と子宮プログラムの中での精神の産出の描写。嵐の中の船のような気分になるけれど、いつ、どうやって私たちが、自己という世界とのリン...続きを読む
  • 順列都市〔下〕
    分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点
  • 順列都市〔上〕
    分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点
  • 祈りの海
    『宇宙消失』に比べると格段に読み易いイーガンのSF短編集。
    悲し過ぎる「キューティ」
    LGBT。正常と異常の意味を考えさせられる「繭」
    決められた未来の罠、ミステリとして秀逸な「100光年ダイアリー」
    人類皆兄弟か!?人類史を辿る「ミトコンドリア・イヴ」
    宗教体験の「祈りの海」

    後者2つは解説を書...続きを読む
  • アロウズ・オブ・タイム
    物理法則も生物学的にも異なる世界の科学者たちの冒険譚。図解入りで世界観を説明したりと難しげだけれど、旧概念の束縛とか政治で苦労しちゃったりするのはフツーかな。
    最後の最後にえらくさっぱりとハッピーエンド的にもっていかれて拍子抜けした。

    破滅が予見された時に方舟的なもので一部が助かる、異星人や遠い未...続きを読む