グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • しあわせの理由

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    SF短編集。好みの作品と好みでない作品がはっきり分かれた。全体的にはそうきたか〜となる展開が多く楽しいが、最後2編の「血をわけた姉妹」「しあわせの理由」が特に好み。いずれも違った形で読者に問題提起をしてくるような話なのが印象的。「しあわせの理由」では、自分とマークの違いはどれほどなのか、違いのグラデーションのどこまでが自分の人生といえるのか…というのを考えるとぞっとして楽しい。

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    2024年12月27日
  • しあわせの理由

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    12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、全九篇を収録した日本版オリジナル短篇集。

    あらすじを書こうとして難しすぎてそのまま引用してしまった……。
    SFではあるけれど、世界観がその形をとっているだけで、読んだ後に心に残ったのは自分の持っている価値観のゆさぶられだった。

    なにが面白かったかを説明しようと

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    2024年11月23日
  • ゼンデギ

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    これまで自分が読んできたイーガン作品と一味違う感じ。イランといいAIといい、ネタの鮮度は落ちていない

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    2023年10月28日
  • ビット・プレイヤー

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    前半はちょっと中途半端な話が多かった。もっと世界観広げてもよかったのに。

    最後の孤児惑星はとてもおもしろかった。

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    2023年05月21日
  • 祈りの海

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    イーガン二冊目、引き続き読みやすいと評判の短編集を手に取りました。読めば読むほど、イーガン好きだなあと思いました笑。とりあえず次は『宇宙消失』を読もう。

    イーガンを調べている中で、最近「文藝」で特集が組まれたとのことで、その刊読みたいな~と思っていたところ、あれこの表紙は…と家にあることが判明笑。特集の一つにアニメ平家物語があって、それで買っていたんですね。今年一年ハマった平家物語から、イーガンにバトンが渡されたような、そんな気がしました。2023年はイーガンイヤーになるのかな?
    イーガンは日本で謎に人気が高いということで、え~こんなに面白いのに、、と思いつつ、英語でおすすめSF記事を探すと

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    2023年01月01日
  • ディアスポラ

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    めちゃくちゃ読むのに時間かかった。そして全部理解できたとは言い難い。それでも「読んでよかった、SFってすごい」と唸らせる。宇宙はどのように広がっていて、人類はそれをどのようになら体験・知覚できるだろうかという想像力の限界に挑むハードSFの極地。

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    2022年12月22日
  • しあわせの理由

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    ゆる言語学ラジオより

    本質本とだけあって、結構ハードでした。
    翻訳本もあまり読まないから言葉遣いとか慣れてなくてだいぶ字が滑ったりしたけど、何とか読みました。

    内容もあんまり触れたことのない切り口。これはスルメ本になりそう。

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    2022年08月11日
  • しあわせの理由

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    ネタバレ

    表題作『しあわせの理由』
    脳の幸福を感じる部分が、脳内の腫瘍により過剰になりすぎた男の話。
    手術で腫瘍を摘出しなければ命の危機という絶望的な状況にも関わらず主観的には幸福感と万能感で満たされた日々を送る。しかし手術が成功し命の危険が無くなり不自由のない生活が訪れた後、自身の生活において一切の幸せを感じることができなくなってしまう。
    後の手術で、何に対して幸福を感じるかを自分自身で選択できるという状況になるが、幸福や興味の対象を自分でボリュームつまみを回すかのように選択することで得た幸福は本当の幸福なのか…

    人間にとっての幸福とは極めて主観的なものであるということをストーリーを通して再認識した

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    2022年07月11日
  • エターナル・フレイム

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    読んだ。なんとか読んだ。
    必死に文字を追っているだけの読書なのに、なぜか面白い。
    難しすぎて全然理解できないけど、それでも読もうと努力したくなる作品。

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    2022年04月16日
  • シルトの梯子

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    イーガンの描く世界を理解するのは難しいのですが、とうとう宇宙までソフトウェア化してしまったようです。

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    2021年11月18日
  • しあわせの理由

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    想像することすら困難ないつものイーガンではなく、分かりやすい作品が大半の短編集でした。”量子サッカー”という競技はなかなかイメージ付きませんでしたが。人の意識とか命とか何か根源的なところを問うのはいつものイーガン。

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    2021年11月18日
  • しあわせの理由

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    ◯難しいSFのお話もあれば、普通の物語として面白いものなど、お菓子の袋詰めみたいな短編集。
    ◯個人的にはチェルノブイリの聖母がSF感がなくて面白い。ハードボイルド探偵小説的な良さがある。
    ◯一番気になっていたボーダーガード。出だしの量子サッカーでだいぶ痛めつけられたものの、後半は人類に普遍的なテーマである死と、それを乗り越えた人類の苦悩を描いていて興味深い。想像もつかない未来だから、登場人物の考え方に納得できないように書いているのか、あまり共感はできない。
    ◯しあわせの理由は感情ですらコントロールできる場合、それはもはや人間の感情といえるのか、というテーマを読み取れる。ボーダーガード共々興味深

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    2021年06月06日
  • 順列都市〔下〕

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    現在の統計的な手法で物事を類推していくAIではなくて、完全に自律思考ができるAIが生まれたらどうなるのか、想像するのが恐ろしくなる作品。特にラストの辺りは…。読んだのは5年くらい前でしたが、今読み直すとまた別の感想を持つだろうなと思います。この本の初版が1994年というのにも、とてもびっくりです。
    コピーの話を見ていると自己とは何だろうかとも思いました。

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    2021年01月12日
  • 祈りの海

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    ネタバレ

    短編集。一編毎に全く違う世界が描かれていて、多彩さに驚きました。
    それぞれの環境の中で、アイデンティティ、私というものをどこに求めるかが突き詰められていて、読みごたえがありました。

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    2020年09月05日
  • しあわせの理由

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    初イーガン。オチまで読んでもわからなくて「?」となったりもしたけど、総じて面白かったし、予想よりずっと読みやすかった(なのにわからないという、ね)。
    どうせ忘れてしまうから、1編ごとに簡単に感想を書いたけど、こうしてみるとやはり、人間の生の意味とか自由意志とか、思考(あるいは感情)とはなにかという、SFらしい壮大なテーマが流れているのを感じます。

    「適切な愛」事故に遭って危篤の夫を救うため、摘出した脳を胎内で(!)保存することを選ぶ女性。その決断に至るのは、保険が下りるかいなか、経済的に見あうかどうか。それもリアルだし、保存に至る過程もリアルだし。新井素子の「あたしの中の」を思い出しつつも、

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    2020年06月09日
  • 祈りの海

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    ハヤカワ文庫
    グレッグイーガン
    祈りの海

    科学とアイデンティティの対立を描くハードSF短編傑作集。共通テーマは「科学の時代に自分のアイデンティティを確立できるか」

    各短編 SFでしか描けない状況のアイデンティティを描いている
    *霊のアイデンティティ
    *DNA操作により生まれた赤ちゃんのアイデンティティ
    *自身のバックアップがいる人間のアイデンティティ
    *母胎システム管理により消滅させられる同性愛者のアイデンティティ
    *決められた未来を生きる人間のアイデンティティ
    *医師不要の時代における医師のアイデンティティなど

    感動したのは 同性愛者のアイデンティティ「生まれつきのものであり、それを

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    2020年04月08日
  • 白熱光

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    中盤までは、ほぼ苦行。いや、これは修行なんだと自分に言い聞かせながら読み進める。そこから先はランナーズハイのようなもの。物理学とか幾何学とか理解の次元を超えた先にイーガンの良さがある。と、分かったつもりで読み終わった後に、あとがきの誤解ポイントの解説で撃沈・・・。でも、本作に登場する箱舟居住者たちのように、知識欲を刺激される作品だった。

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    2019年10月18日
  • ビット・プレイヤー

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    イーガンの作品を完全に理解するのはかなり難しい。特に科学的な説明はよほど知見がないと理解できない。でも、作品は面白く感じる。それは、物語のベースがしっかりしているから。物語の根底にある人間ドラマ(人間ではない生命もいるけれど)があるからだと思う。現代の問題を切り取って、それをSFにしている感じだ。「七色覚」は自分の視覚を拡張するアプリの話だし、「不気味の谷」は未来の相続問題のように思える。とはいえ、難しいのは難しい。雰囲気で読む中短編集である。

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    2019年09月11日
  • ビット・プレイヤー

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    読みやすイーガンなほうだと思うけど、それでもたまにつらい時がある。
    身体感覚の拡張についての「七色覚」アンドロイドの権利にまつわる「不気味の谷」ファーストコンタクト系「孤児惑星」などどれも手ごわくも、おもしろい。
    一見ぶっ飛んでいて、あっという間に5万年が経過したりするのだけど、その実登場人物たちの感情はとても現代的で、理解できる。不思議な作家だ。
    未読の「しあわせの理由」も読んでみようと思う。

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    2019年07月10日
  • ビット・プレイヤー

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    イーガンについて私などが何を申すことがありましょう…まあ、何をいってもイイガン!と私の米子弁魂が主張しますので展開しますと、まんず文系女子には科学・天文・IT的設定説明はいっさい意味をなさず、ただ流れ行くものを立派じゃのうとうっとり眺めているにすぎない。でもその中で描かれる人間性が、感情が、とてもリアルで胸を打つので、その世界に私も属するもののように感じるのです。

    未知の世界に足を踏み入れるとき、愛する人にかたわらにいてほしい。まるで相容れない世界で助けてくれた誰かのために隠れて泣く。
    データとなって深宇宙を渡ろうが、ゲーム世界の登場人物として目覚めようが、生きよう、謎を解こうとする人間の魂

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    2019年06月14日