グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • ゼンデギ
    脳を非侵襲的スキャンして仮想環境に仮想人格を構築する話。前半は中東の政治的な革命の話だが、そもそも、部隊が中東である必要はあったのかよくわからん。
  • 順列都市〔上〕
    自分をスキャンして電脳空間で永遠に生きる時代を描いたもの

    我々の意識は過去→未来へと流れていくように思えるが、それは本当なのか(記憶を失いつつ過去に戻ることと区別がつかない)、全く同じ神経回路が複写された時、自意識はどこにいくのか、などの哲学的な問題についても著者の関心の赴くままに書かれている
  • しあわせの理由
    表題となっている「しあわせの理由」を含む、9作品が収録されている一冊です。小説が好きな人なら、読んでみる価値があると思いますが、内容的に少し難しく感じる事もあります。

    個人的に、一度でなく何度か読んでみて、少し理解できるような感じです。また、1作品の物語も長いので、全部読むには時間もそれなりに掛か...続きを読む
  • ゼンデギ
    「脳スキャン技術により開発されたVRシステム〈ゼンデギ〉――マーティンは幼い息子のため、そこに〈ヴァーチャル・マーティン〉を作るが……」
    というのが帯文。読み始める前は、ヴァーチャル人間が当たり前のように存在する世界で人間の存在を脅かすような大事件がおきるのかと期待したが、実際はヴァーチャル人間が作...続きを読む
  • ディアスポラ
    いやー、まいったまいった。全然わからんかった!わけのわからんことを考える人が世の中にはいるもんだなぁ。
    人格をソフトウェア化して、仮想都市で生き続ける世界。星の終わりによる不可避の終末。それから逃げる/新たな世界に進出する過程「ディアスポラ」を描く。
    なんやようわからんかったけど、最後の方に主人公た...続きを読む
  • 順列都市〔上〕
    仮想現実に自分の”コピー”を創造することでコンピュータのリソースが続き、ソフトウェアが止まらない限り半永久的に生きられるようになった世界。
    そんな中で一人の男がとある計画のために動き出す――。

    認知科学とか、機械工学とかに精通している人は問題ないかと思うがそうでないとなかなか入っていくのに時間がか...続きを読む
  • 白熱光
    物理実験のパートは、文字だけで表すには厳しいと感じた。ラケシュとロイがいつ会うのか、期待していたのだが…。あとがきの、4つの勘違い全てと同じ勘違いをしていることがわかり、再読しようか悩み中。
  • 順列都市〔下〕
     下巻の展開は、上巻を読み終えた時点での想定とは大きく異なるもので、これはかなりの衝撃だった。マリアとダラムが物語の主軸を担う点は上巻同様に変わらないが、その他の登場人物の物語はそれと交わることなく、並行して進んでいく。そしてより大きな問題が順列都市に出現し、その根本を揺るがす大転換がもたらされる。...続きを読む
  • 順列都市〔上〕
     人物のスキャンが可能となり、電脳世界で生き長らえることが出来るようになった世界で、自己とは何か、生きるとは何を意味するかに迫る物語。『順列都市』の世界において鍵となるのは、次に挙げる三つの概念である。第一に、現実。これはボトムアップ型の概念であり、素粒子のスケールから計算された物理法則に従う世界を...続きを読む
  • 順列都市〔下〕
    上巻は状況説明や登場人物の紹介に潤沢なページを費やしていましたが,下巻はそれらを踏まえてストーリーを展開していきます。
    もう一つの世界に自分を置くような感じで,世界観に酔いしれます。
    そこそこ難しいSFなので読みにくさは感じますが,SF慣れしたころにまた読みたい作品でした。
    「塵理論」についてあやふ...続きを読む
  • 祈りの海
    「貸金庫」★★★
    「キューティ」★★★
    「ぼくになることを」★★★
    「繭」★★★★
    「百光年ダイアリー」★★★
    「誘拐」★★★
    「放浪者の軌道」★★★
    「ミトコンドリア・イヴ」★★★
    「無限の暗殺者」★★
    「イェユーカ」★★★
    「祈りの海」★★★★
  • 白熱光
    奇数、偶数章で時間も空間も異なる世界が、時間軸は埋まらないながら、空間軸が重なりあう壮大な探求と真実にたどり着こうとする命懸けの研究のスペースオペラ。偶数章の世界が分かりづらく、スプリンターの概念図や簡単な地図が欲しかったし、ロイたちの挿絵があるともっと良かったと思う。
  • ひとりっ子
    収録作品は軸が合わなかった。
    思うに自分はアーサーCクラークの人類賛歌的なSFが好きなのであって、イーガンの作品の中心が数理であり、「魂」なんてものはまったく重要視されていないのが、合わないのかも。
  • 祈りの海
    「ぼくになること」で、人格模倣AIによる不死の獲得など、できはしないということが、示されていると思う。結局それは「ぼく」などではありえないのである。”スキャン”をこのように、捉えているイーガンの作品は読んだことがないので、新鮮だった。
    「繭」のようなハイテク探偵小説もので、かつ作品の要の原理が理解で...続きを読む
  • 祈りの海
    生命科学・時間・次元など幅広い分野を題材にしているSF短編集。全体的に暗いトーンで時おりゾクっとする怖さがあって面白かった。
  • 順列都市〔下〕
    最後のほうはよかった。しかし、どうしても全体を通しては面白いとは思えず。内容なのか、文章なのか。とはいえ上よりは展開も速く読み進めるのはそれなりだった。話の感想としてもいまいちつかめず。である。最後の崩壊する理論ないし理由は自分としては説得力に欠ける。
  • 順列都市〔上〕
    ・2040年代のアメリカが舞台のハードSF。
    ・ジャンルはサイバースペースもの。発達した仮想現実に意識をコピーし、コピーたちはほぼ人間と同じ生活を送る。コンピュータ資源の制限から、コピーの活動速度は実時間の1/17以下となっており、支払い能力のない者はさらに低速での生活を強いられる。
    ・コンピュータ...続きを読む
  • 順列都市〔下〕
    乱暴にまとめると、創造主(オリジナル)と創造物(コピー)の関係を描いた作品。

    SFはアイデアの宝庫であり、新しい技術によって発生するであろう倫理的な問題に取り組むジャンルでもあると感じる。このジャンルはかなり「実用的」な読みが可能。
  • しあわせの理由
    9編の短篇集で、その中でも表題作は、ものすごく根源的な問題について考えさせられる小説。
    ここで問われているのは、まさしく「しあわせの理由」だ。

    人間が感じる幸福感というのは、煎じ詰めれば、その正体は脳内の化学物質が惹き起こす化学反応の産物に過ぎない。
    たった数ミリグラムの脳内麻薬が、長年の修行の末...続きを読む
  • 祈りの海
    いまSFを読み漁っているけど、
    グレッグイーガンの作品が一番いい気がする。
    抵抗なく読めて、いろいろなことを考えさせられる。