グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • 順列都市〔下〕

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    ネタバレ

    単純セルで形成された秩序と法則が、仮想世界の生き物によって乱され崩壊していく。
    正直23回失敗したとか失敗と分かっている世界だの、言っている意味と理屈がよく理解できなかった。

    ピーとケイトの数千年に1回の計算、外界から切り離され保たれる主観と流れていく「実世界時間」。圧倒的なスケールでこの中で1番好きなカップル。

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    2020年05月12日
  • 順列都市〔上〕

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    一言で言うと難解。
    仮想現実の中で実体をスキャンして、それを元にしてコピーとして生きる人々。コピーなのに感情を持ち、あたかも生きているように振る舞う。
    更に人工宇宙まで作り出し、そこに惑星と生命を作り出し、進化させるとは。
    これだけのことをこなすコンピュータパワーがあるとは現状を考えると考えづらい。そして電力も。
    でも、コピーとして生き続け、実体のある人々を支配している?と言う姿はある意味ホラーでしかないかもね。
    そんな未来が来るのか?と思いながら読んだので、内容が今ひとつ入ってこなかった。

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    2020年05月06日
  • 順列都市〔上〕

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    自分をスキャンし、架空都市に配置した「コピー」の人格は自分なのか。処理速度の低下で17分の1に、30分の1に、5万分の1の「主観時間」で遅くなった、さらに逆再生、ランダム化された意識は、自分の体感と思考は、自分のままなのか。分子より大きな段階でモデル化され学習され調整された「反応」と「行動」は、果たして本当の自分なのか。
    コピーされた自我とオリジナルの同一性で悩む人々。オートヴァースで再現された進化生活環。真の目的と、永遠の自我。将来たしかにこういう技術が生まれ、こういう問題が起きるかもしれない。
    それを考えるのも楽しいけど、問題に直面した人の心理的な葛藤よりも、その技術を元にどんな社会と大衆

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    2020年05月04日
  • クロックワーク・ロケット

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    いやー時間がかかった。
    私が小説読むのにここまで時間がかかるとは。
    それはひとえにその難しさ故。
    プラス、『エターナル・フレイム』よりストーリー的に惹かれなかったからかな。
    ★2にするか悩むところ。

    世界観が素晴らしいのは間違いない。
    理解できるかどうかは別として、架空の世界のその完成度の高さは今まで読んだどの作家の作品よりも高い。
    私はその完成度の高さが理解できない頭脳の持ち主なので、したがってこれを理由に★をたくさんつけるのはちょっと違うかな、と思う。
    理解できたら素晴らしいんだろうけどなー。

    地球人とは異なる主人公たちは理解できるんだけど、
    頭が自分の世界から完全に切り離せないので

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    2020年02月10日
  • 祈りの海

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    「祈りの海」「貸金庫」「キューティ」SF的でいて愛とは人間とは何かをわかりやすく問うものが多かった。科学的には分かっていても、解明されてしまっても人間は動かせない何かがあるのだ。
    貸金庫の、特殊な設定で、それを法則を見つけ慣れていく主人公が面白かった。
    繭、繭の中で、赤ん坊は何から守られているのか。すべてがホルモンやDNAで調節できるとしたら、ジェンダーは左利きは、「正常」以外はどうなってしまうのか。
    誘拐、僕になることを、人格を全くコピーできる世界は、「自分」の認識とは何か。逆に、何を他人と判断するのだろう。スクリーンの妻が毎日苦しんでいたら、病みそう…
    100年ダイアリー無限の暗殺者、ミト

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    2020年02月10日
  • エターナル・フレイム

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    ★4としたいのはやまやまだけど、これを★4にしたらそれは見栄になってしまう。
    難しいんだよ。
    面白かったけど。
    『クロックワーク・ロケット』読んだ後で変えるかも。

    お恥ずかしいながらSFマガジンでグレッグ・イーガンの作品を初めて読み、
    これは私の好きなタイプ、
    と早速一冊の購入を決意。
    調べると見覚えのあるタイトル、『エターナル・フレイム』が。
    以前テレビでカズ・レーザーが好きと言っていて、一瞬興味が湧いた本だ。
    というわけで購入。
    購入後三部作の真ん中だと気づく。
    まあでも一作品は一作品だから大丈夫だろう…、
    と思ったけどあまり大丈夫じゃなかった。

    ”物理法則が違う”とは書いてあったけど

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    2020年02月10日
  • ビット・プレイヤー

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    ネタバレ

    「七色覚」★★★
    「不気味の谷」★★★
    「ビット・プレイヤー」★★★
    「失われた大陸」★★★
    「鰐乗り」★★★
    「孤児惑星」★★★

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    2019年10月19日
  • しあわせの理由

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    you have easy to image about the lady panther. but about Panther lady you can? however, , I can't easy understand. The caresses painted by Fernand Khnopff.

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    2019年01月07日
  • 順列都市〔上〕

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    細かい論理は正直、理解の範疇をこえてる。誰かわかりやすいパワポとか作ってほしい。でも、オートヴァースが生み出す仮想生命は、他のSF作家によるスピンオフが見てみたい。複数の登場人物の視点で書かれる本作だが、それぞれが絡み合っていく過程は秀逸。

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    2018年09月25日
  • 祈りの海

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    テクノロジーの発展により、進化した機器や科学的知見をもとにストーリーを記載。作者の構想に現実はまだまだおいついてない。

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    2018年05月23日
  • 祈りの海

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    優れた作品だが読者を選ぶ、私には分かりにくい
    表紙   3点小阪 淳   山岸 真編・訳
    展開   6点2000年著作
    文章   4点
    内容 510点
    合計 523点

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    2017年05月01日
  • TAP

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    現代最高のハードSF作家と呼ばれているグレッグ・イーガンの初期短編集。元々は河出書房の「奇想コレクション」の一冊として日本オリジナル編集されたといういきさつもあり、SF風味の薄い「奇妙な話」系の作品も多く含まれています。一読しての印象は、
    「イーガン、分かりやすい話も書けるんだ・・・」
    ということヽ( ´ー`)ノ冒頭の「新・口笛テスト」は本当にシンプルなワン・アイディア・ストーリーのSFで、キャラクターの造形もわかりやすく、何だかイーガン読んでる気がしないなーと思いましたヽ( ´ー`)ノ

    でも、読み進めると確かに「イーガン節」とでも言うべき独特の世界観が広がってきて、結局はあの手応え十分なイ

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    2017年02月06日
  • ゼンデギ

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    脳を非侵襲的スキャンして仮想環境に仮想人格を構築する話。前半は中東の政治的な革命の話だが、そもそも、部隊が中東である必要はあったのかよくわからん。

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    2017年01月26日
  • 順列都市〔上〕

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    ネタバレ

    自分をスキャンして電脳空間で永遠に生きる時代を描いたもの

    我々の意識は過去→未来へと流れていくように思えるが、それは本当なのか(記憶を失いつつ過去に戻ることと区別がつかない)、全く同じ神経回路が複写された時、自意識はどこにいくのか、などの哲学的な問題についても著者の関心の赴くままに書かれている

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    2016年09月17日
  • ゼンデギ

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    ネタバレ

    「脳スキャン技術により開発されたVRシステム〈ゼンデギ〉――マーティンは幼い息子のため、そこに〈ヴァーチャル・マーティン〉を作るが……」
    というのが帯文。読み始める前は、ヴァーチャル人間が当たり前のように存在する世界で人間の存在を脅かすような大事件がおきるのかと期待したが、実際はヴァーチャル人間が作れるようになるまでの技術的な苦労話と、息子のために自分のヴァーチャル分身を作ろうとして、それはイカンと死の直前に気づいた父親の、哀愁漂う物語だった。

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    2016年01月24日
  • ディアスポラ

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    いやー、まいったまいった。全然わからんかった!わけのわからんことを考える人が世の中にはいるもんだなぁ。
    人格をソフトウェア化して、仮想都市で生き続ける世界。星の終わりによる不可避の終末。それから逃げる/新たな世界に進出する過程「ディアスポラ」を描く。
    なんやようわからんかったけど、最後の方に主人公たちは一応の安全への道を手にいれるのね。新しい世界への切符を手にいれる。でもそれを得る過程でみつかった、さらに先を行く人「トランスミューター」を追いかけることを選ぶ人がいて。まだ見ぬものを求めるって、なんなんだろうね。こんな世界に生きている人がいるんだろうなぁ。

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    2015年12月29日
  • 順列都市〔上〕

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    仮想現実に自分の”コピー”を創造することでコンピュータのリソースが続き、ソフトウェアが止まらない限り半永久的に生きられるようになった世界。
    そんな中で一人の男がとある計画のために動き出す――。

    認知科学とか、機械工学とかに精通している人は問題ないかと思うがそうでないとなかなか入っていくのに時間がかかる。
    だが、読み込んでいくうちにどんどん深みにはまり、気がつけばイーガンの作中に沈んでいる自分に気付く。
    上下巻分かれているわけだが、上巻の終わり方が卑怯すぎる。もちろん、いい意味でだが。

    生命とは?自我とは?
    常に問いかけ続けてくる。

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    2015年09月02日
  • 白熱光

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    ネタバレ

    物理実験のパートは、文字だけで表すには厳しいと感じた。ラケシュとロイがいつ会うのか、期待していたのだが…。あとがきの、4つの勘違い全てと同じ勘違いをしていることがわかり、再読しようか悩み中。

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    2015年06月17日
  • 順列都市〔下〕

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     下巻の展開は、上巻を読み終えた時点での想定とは大きく異なるもので、これはかなりの衝撃だった。マリアとダラムが物語の主軸を担う点は上巻同様に変わらないが、その他の登場人物の物語はそれと交わることなく、並行して進んでいく。そしてより大きな問題が順列都市に出現し、その根本を揺るがす大転換がもたらされる。この意外性こそ、この小説が他の小説とは一線を画す点なのだろう。
     認識により世界が変革されるという観念が、本書終盤の鍵となる。悪貨は良貨を駆逐するとは言い過ぎかもしれないが、真実もまた相対的なのだという主張が見え隠れする。これを読んで、以前に聞いた次の話を思い出した。それは経済活動に関する新しいモデ

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    2015年04月08日
  • 順列都市〔上〕

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     人物のスキャンが可能となり、電脳世界で生き長らえることが出来るようになった世界で、自己とは何か、生きるとは何を意味するかに迫る物語。『順列都市』の世界において鍵となるのは、次に挙げる三つの概念である。第一に、現実。これはボトムアップ型の概念であり、素粒子のスケールから計算された物理法則に従う世界を指す。これをコンピュータ上で再現するには膨大な計算力が必要で、『順列都市』の世界においても不可能である。第二に、コピー。これは現実の生理学をブラックボックス化することで、計算を単純化し仮想現実を可能にするトップダウン型の概念である。世界中の富豪たちが自らのコピーを作り、死ぬ間際にスキャンすることで、

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    2015年04月08日