グレッグ・イーガンのレビュー一覧
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自分をスキャンし、架空都市に配置した「コピー」の人格は自分なのか。処理速度の低下で17分の1に、30分の1に、5万分の1の「主観時間」で遅くなった、さらに逆再生、ランダム化された意識は、自分の体感と思考は、自分のままなのか。分子より大きな段階でモデル化され学習され調整された「反応」と「行動」は、果たして本当の自分なのか。
コピーされた自我とオリジナルの同一性で悩む人々。オートヴァースで再現された進化生活環。真の目的と、永遠の自我。将来たしかにこういう技術が生まれ、こういう問題が起きるかもしれない。
それを考えるのも楽しいけど、問題に直面した人の心理的な葛藤よりも、その技術を元にどんな社会と大衆 -
Posted by ブクログ
いやー時間がかかった。
私が小説読むのにここまで時間がかかるとは。
それはひとえにその難しさ故。
プラス、『エターナル・フレイム』よりストーリー的に惹かれなかったからかな。
★2にするか悩むところ。
世界観が素晴らしいのは間違いない。
理解できるかどうかは別として、架空の世界のその完成度の高さは今まで読んだどの作家の作品よりも高い。
私はその完成度の高さが理解できない頭脳の持ち主なので、したがってこれを理由に★をたくさんつけるのはちょっと違うかな、と思う。
理解できたら素晴らしいんだろうけどなー。
地球人とは異なる主人公たちは理解できるんだけど、
頭が自分の世界から完全に切り離せないので
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「祈りの海」「貸金庫」「キューティ」SF的でいて愛とは人間とは何かをわかりやすく問うものが多かった。科学的には分かっていても、解明されてしまっても人間は動かせない何かがあるのだ。
貸金庫の、特殊な設定で、それを法則を見つけ慣れていく主人公が面白かった。
繭、繭の中で、赤ん坊は何から守られているのか。すべてがホルモンやDNAで調節できるとしたら、ジェンダーは左利きは、「正常」以外はどうなってしまうのか。
誘拐、僕になることを、人格を全くコピーできる世界は、「自分」の認識とは何か。逆に、何を他人と判断するのだろう。スクリーンの妻が毎日苦しんでいたら、病みそう…
100年ダイアリー無限の暗殺者、ミト -
Posted by ブクログ
★4としたいのはやまやまだけど、これを★4にしたらそれは見栄になってしまう。
難しいんだよ。
面白かったけど。
『クロックワーク・ロケット』読んだ後で変えるかも。
お恥ずかしいながらSFマガジンでグレッグ・イーガンの作品を初めて読み、
これは私の好きなタイプ、
と早速一冊の購入を決意。
調べると見覚えのあるタイトル、『エターナル・フレイム』が。
以前テレビでカズ・レーザーが好きと言っていて、一瞬興味が湧いた本だ。
というわけで購入。
購入後三部作の真ん中だと気づく。
まあでも一作品は一作品だから大丈夫だろう…、
と思ったけどあまり大丈夫じゃなかった。
”物理法則が違う”とは書いてあったけど -
Posted by ブクログ
現代最高のハードSF作家と呼ばれているグレッグ・イーガンの初期短編集。元々は河出書房の「奇想コレクション」の一冊として日本オリジナル編集されたといういきさつもあり、SF風味の薄い「奇妙な話」系の作品も多く含まれています。一読しての印象は、
「イーガン、分かりやすい話も書けるんだ・・・」
ということヽ( ´ー`)ノ冒頭の「新・口笛テスト」は本当にシンプルなワン・アイディア・ストーリーのSFで、キャラクターの造形もわかりやすく、何だかイーガン読んでる気がしないなーと思いましたヽ( ´ー`)ノ
でも、読み進めると確かに「イーガン節」とでも言うべき独特の世界観が広がってきて、結局はあの手応え十分なイ -
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いやー、まいったまいった。全然わからんかった!わけのわからんことを考える人が世の中にはいるもんだなぁ。
人格をソフトウェア化して、仮想都市で生き続ける世界。星の終わりによる不可避の終末。それから逃げる/新たな世界に進出する過程「ディアスポラ」を描く。
なんやようわからんかったけど、最後の方に主人公たちは一応の安全への道を手にいれるのね。新しい世界への切符を手にいれる。でもそれを得る過程でみつかった、さらに先を行く人「トランスミューター」を追いかけることを選ぶ人がいて。まだ見ぬものを求めるって、なんなんだろうね。こんな世界に生きている人がいるんだろうなぁ。 -
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下巻の展開は、上巻を読み終えた時点での想定とは大きく異なるもので、これはかなりの衝撃だった。マリアとダラムが物語の主軸を担う点は上巻同様に変わらないが、その他の登場人物の物語はそれと交わることなく、並行して進んでいく。そしてより大きな問題が順列都市に出現し、その根本を揺るがす大転換がもたらされる。この意外性こそ、この小説が他の小説とは一線を画す点なのだろう。
認識により世界が変革されるという観念が、本書終盤の鍵となる。悪貨は良貨を駆逐するとは言い過ぎかもしれないが、真実もまた相対的なのだという主張が見え隠れする。これを読んで、以前に聞いた次の話を思い出した。それは経済活動に関する新しいモデ -
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人物のスキャンが可能となり、電脳世界で生き長らえることが出来るようになった世界で、自己とは何か、生きるとは何を意味するかに迫る物語。『順列都市』の世界において鍵となるのは、次に挙げる三つの概念である。第一に、現実。これはボトムアップ型の概念であり、素粒子のスケールから計算された物理法則に従う世界を指す。これをコンピュータ上で再現するには膨大な計算力が必要で、『順列都市』の世界においても不可能である。第二に、コピー。これは現実の生理学をブラックボックス化することで、計算を単純化し仮想現実を可能にするトップダウン型の概念である。世界中の富豪たちが自らのコピーを作り、死ぬ間際にスキャンすることで、