グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • しあわせの理由

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    イーガンは難解なイメージがあって食わず嫌いだったのだけど、もっと早く読めばよかった。
    解説にもあるように読者を観測者に見立てていることが、イーガンの本質なのかもしれない…と思って量子力学をちょっと勉強してみたくなった。しないけど。

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    2019年06月13日
  • ビット・プレイヤー

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    - 孤児惑星(Hot Rock)
    この話はこの著者の十八番である惑星において一つの生物圏をそっくり創ってそこで繰り広げられる生物の話なのですが、相変わらずマクロからミクロな視点まで裏付けをしっかり整えている点が凄すぎます。
    核心にはオーバーテクノロジーなど存在するのですが、科学的整合性のあるまま想像力をここまで広げられるものかと毎度驚かされます。。

    - 鰐乗り(Riding the Crocodile)
    他者・別文化圏・意思疎通すら取れない生物とも認識できないものに対して communicate を中心におき、ホモ・ソーシャルとも言えるものの生き方について記載した短編。(タイトルもそういうこ

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    2019年05月26日
  • しあわせの理由

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    短編集。
    表題作の「しあわせの理由」。
    脳内の化学物質でしあわせを自分でコントロール出来るようになったら…。

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    2019年05月15日
  • ひとりっ子

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    イーガン作品は初めて読んだ。短編集。それぞれのエピソードのテーマは、人の意識、脳の領域に記憶や感情をインストールする技術、多元宇宙論、人造人間など。

    登場人物の会話が完全に理解できないのが難点だが、ストーリーは面白い。この本で書かれている技術はいずれ実用化されそうなものが多いと感じた。

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    2019年04月21日
  • 順列都市〔上〕

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    SF作家の中でイーガンは特に興味があり、最初に読むものとしてこの初期作品を選んだ。イーガンは「難解」と言われたりするが、彼が作品中で設定している根本的なロジックさえ納得できれば、読み進める事はそれほど難しいとは思わなかった。この作品では主人公が「塵理論」を元に純粋な情報のレベルで世界を作るというもので、線型代数学の基礎知識がある程度の私だがなんとなく理解はできた。作者が設定するロジックを面白いと感じるかどうかが好き嫌いの分け目かと思う。私はこういったロジカルな作風はSF表現の一つとしてとても面白いと思う。

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    2019年04月12日
  • ひとりっ子

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    『1984年』は2+2=5であることを証明するSFである
    と他の誰でもないこの作者が言うのだからそうに違いない
    それはともかく
    この作者の作品を久しぶりに読んだけれど
    SFとして最先端であるというより小説としての幅の広さが良くわからない感じ
    『ルミナス』のように小説らしいSF小説が書かれている一方で
    表題作のようにむりやり小説にしているようなお話もあり
    SFにおけるカガクテキな着想をお話にする手段に
    質の高低でなく種類の幅が迷走しているかのように見えて落ち着かない
    数理論文でないものを書きたいのだろうし
    SF作家として名声を獲得しているのに何かをいうこともないけれども
    小説としては合わないと合

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    2018年12月08日
  • ディアスポラ

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    あまりの壮大なスケール。はっきり言って難しすぎてついていけない所があるが見事な大法螺イーガン節である。すばらしい。

    これまで読んだ作品と比べるとユッタリとしたストーリーで、解説の大森望氏が指摘するようなビークル号的古典的冒険譚の香りもある。もう少し異世界の細部をギリギリ書いて冒険譚風味を出して、という気はするが、それじゃテーマとそれるし冗長か。

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    2018年11月05日
  • クロックワーク・ロケット

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    波長がどうとか理科の教科書みたいな図やそれについての登場人物たちのやりとりが出てきて読むのに苦労した。その辺は無理に全部理解しようとしなくても流し読みするくらいでいいと思った

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    2018年01月31日
  • シルトの梯子

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    端からサルンペト則って何?と躓いて、第一部で理解の範疇外にあるかもと放置しかけたが、なんとか梯子を登り切りました。第二部に入ると良く判らないけれど、これって何かキレイだし、スゴイんじゃない?と爆発している芸術を楽しむ境地だった。^^;
    あとがきを読んで、判らなくても大丈夫と喜んだのだった。

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    2018年01月09日
  • 祈りの海

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    読んでみたかったグレッグ・イーガンを初めて読んだ。ハードSFの大家の短編集。日本向けに選ばれたらしい。
    かなり難しいSFでよくわからないのが多いが、なぜか癖になりそう。

    以下は読書メモ:

    貸金庫
    宿主を転々と移る人。目がさめると意識が違う人に移っている。その間の記憶を書きとめて貸金庫にしまう。そして、名前が死ぬまで変わらないことを夢見る。

    キューティ
    キューティキット(の安物のコピー商品)で妊娠して、キューティを産む男性。
    ちょっと狂ってて気持ち悪い。

    ぼくになることを
    「宝石」を埋め込んで脳を学習させ、「スイッチ」して永遠の頭脳を得る。自分とは何か。


    ゲイ、レズビアン。その発生

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    2018年01月16日
  • ひとりっ子

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    相変わらず読みにくい部分もあるが、表題作はよかった
    表紙   6点田中 光   山岸 真訳
    展開   6点2006年著作
    文章   5点
    内容 698点
    合計 715点

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    2017年10月17日
  • ディアスポラ

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    ネタバレ

    大変な大作。作者はもちろんのこと、読む方にも根気と体力が強いられる。
    好きな場面はヤチマが自身の精神を統合し、「ヤチマ=自分」と理解する場面。というか、それまでの分裂した自我と子宮プログラムの中での精神の産出の描写。嵐の中の船のような気分になるけれど、いつ、どうやって私たちが、自己という世界とのリンク媒体を手に入れたのかが想起される。

    グレッグ・イーガンの小説では、緻密なSF描写・設定に加えて、人間の心理を暴くような哲学的命題が魅力の一つになっている。今回は哲学的・心理的描写は二の次に置かれ、高次元宇宙への限りない飛躍を主題にしている。(ただし、それが出来るのはポリス生まれのヤチマのみで、肉

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    2020年08月21日
  • 順列都市〔下〕

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    分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点

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    2017年04月12日
  • 順列都市〔上〕

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    分かりにくいがその世界に入れば第一部はなかなかいい
    表紙   5点小阪 淳  山岸 真訳
    展開   7点1994年著作
    文章   6点
    内容 725点
    合計 743点

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    2017年04月12日
  • 祈りの海

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    『宇宙消失』に比べると格段に読み易いイーガンのSF短編集。
    悲し過ぎる「キューティ」
    LGBT。正常と異常の意味を考えさせられる「繭」
    決められた未来の罠、ミステリとして秀逸な「100光年ダイアリー」
    人類皆兄弟か!?人類史を辿る「ミトコンドリア・イヴ」
    宗教体験の「祈りの海」

    後者2つは解説を書いている瀬名英明のパラサイトイブ、ブレインバレーを彷彿とさせる。

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    2017年04月09日
  • アロウズ・オブ・タイム

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    ネタバレ

    物理法則も生物学的にも異なる世界の科学者たちの冒険譚。図解入りで世界観を説明したりと難しげだけれど、旧概念の束縛とか政治で苦労しちゃったりするのはフツーかな。
    最後の最後にえらくさっぱりとハッピーエンド的にもっていかれて拍子抜けした。

    破滅が予見された時に方舟的なもので一部が助かる、異星人や遠い未来の超科学で回避できてしまうというよくある展開ではないのはすごいのかな。

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    2017年02月26日
  • ゼンデギ

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    3D感覚で実際に自分がその場にいるかのようにゲームをプレイできる、オンラインゲームの高度進化版(ハンターハンターのGIを思い浮かべるとイメージしやすい)を軸にしたSFものだが、親子の絆などの要素も込められた物語。
    グレッグ・イーガンというと、現在SF作家の最高峰だったり、ハードSFの旗手と呼ばれたりで、とっつき難い印象があった。

    いずれ読まねばと思うが、これより前の「ディアスポラ」などは非常に理解が難しく、「白熱光」に至っては筆者のウェブサイトにて図付きの解説が載っているという事実が二の足を踏ませる。

    それらよりは遥かに読みやすい(理解力に乏しい我々にイーガンが歩み寄った)作品ではあるよう

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    2016年11月22日
  • 順列都市〔上〕

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    2016/09/07-2016/09/10
    星4.5

    「グレッグ・イーガンのSFがおもしろい」というのを風の噂で聞いたので読んだ。ハヤカワ文庫SFの中ではこれが最初の単行本だが、日本語訳されているイーガンの長編の中では2番目らしい。創元SF文庫から出ている『宇宙消失』が最初。Wikipediaによると更にそれより前に "An Unusual Angle" というのがあるらしい。

    物語の背景として主軸にあるのは、物理・情報科学・生物の知識。物理に偏ることも情報科学に偏ることもなく、基礎原理から生物的性質まで幅広く設定され考察されているのには、想像力の広さを感じた。

    今ま

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    2016年09月13日
  • 順列都市〔下〕

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    ネタバレ

     1994年発表、グレッグ・イーガン著。ソフトウェア化された意識〈コピー〉が一般化された世界。富豪のコピー達に、宇宙が消失しようとも永遠に生きられる方法を提示する男。N次元オートマトンを駆使した、膨張し続けるTVC宇宙(エリュシオン)内に、コピー達と彼らの住む街〈順列都市〉を作り、さらに簡略化された物理法則を持つオートヴァ―ス宇宙を作る。やがてオートヴァ―ス宇宙側(そこに住む知的生命体、ランバート人)から、TVC宇宙への浸食(より高次の万物理論の暗示)が起こり始める。
     久しぶりのイーガンだったが、やはり一筋縄には理解できない。依然読んだ『ディアスポラ』以上に難しいと感じた。おそらく難解な部分

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    2016年08月27日
  • ディアスポラ

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    初めてグレッグ・イーガンの作品を読んだ。想像以上にハードSFだった。最初から難しい。脳のシナプスを活性化させ、目から入ってくる文章から画像を生成し、脳みそに汗をかきながら読んだ。涙ぐましい努力(自分的には)の結果、最初の部分はかなり楽しめた。

    この最初の部分は、非常によくできていて、生命の誕生(コンピューターの中の世界だが)のプロセスを臨場感と共に思い切り楽しめる。その部分があるからこそ物語に引き込まれ、最後までドキドキしながら読むことができた。

    後は大宇宙を移動しながら、時には次元を越え、時には別宇宙に飛び、自分のクローンを作りながら永遠の旅をする。

    数学やら物理やら、やたら難しい単語

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    2015年10月25日