グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選

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    2024-10-11
    グレッグ・イーガン目当てで読んだのだけど、他の作品も粒ぞろい。結末が明るいもの、暗いもの、どちらもあるけれど、明るいものはやや夢想的になっている気がする。まあ、そりゃそうか。

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    2024年10月11日
  • しあわせの理由

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    SFってちゃんと読んだことがなくて、最初は世界観についていけなかったけど、だんだん面白いと思えるようになった。
    『愛撫』、『道徳的ウイルス学者』、『しあわせの理由』が特に好きかも。
    作者の短編集第二弾だそうで、第一弾も読んでみたい。

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    2024年09月08日
  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選

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    SF。短編集。
    環境問題や経済格差の問題など、社会問題をテーマにしたアンソロジー。
    とても好きなテーマだが、全体的にはまずまずくらいの満足度。
    このテーマだったら、長編でじっくり読んだ方がより楽しめるかも。
    特に好みだったのは以下2作品。

    サラ・ゲイリー「潮のさすとき」
    海底農場。身体改造。ジョン・ヴァーリイ的な世界観。海が舞台のSFは、個人的に好きな傾向があるように思う。

    陳楸帆「菌の歌」
    未開の村落へのネットワーク普及。この舞台設定も好き。もっと読みたいと思えた。個人的ベスト。

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    2024年06月07日
  • シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選

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    人新世SFということで、当然、地球環境の危機的状況をテーマにした作が多い。けれども、ハード面よりもソフト面にスポットを当てた作がほとんどを占める。環境危機への対応策なんて分かりきってる、問題は社会がそれを実行しようとしないことなのだ、ということなのだろう。ただ、そのアイデアが案外とナイーブ。全体に理想化されたコミュニティの登場が目に付くのだが、その描写がまるでカウンターカルチャー全盛の頃のヒッピーコミューンなのだ。「菌の歌」なんかは、あの頃のSFそのまんまである。こんな感じの話、いっぱい読んだなあ。まあお話の中とは言え、この問題に簡単に答えなんかが出るわきゃないってことなんでしょう。

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    2024年05月27日
  • しあわせの理由

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    ネタバレ

    SFはハードでブラックなのが好みです。「ボーダー・ガード」を教えていただいたのがきっかけで読みました。面白かった。
    「しあわせの理由」、これは幸せなのか?幸せを感じてるのはお前自身じゃない!と常に覚えさせれられるのはつらい気がします。知能じゃないですが「アルジャーノンに花束を」を思い出しました。
    「闇の中へ」も…生き抜けないこの世界。世界を救うために最後の犠牲になるのかな彼らは。。
    「愛撫」の絵画、検索して見ました。これを再現するって狂気の沙汰です。「道徳的ウイルス学者」も狂信的でした。

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    2023年01月21日
  • ゼンデギ

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    みんなが思ってそうなんだけど、私がイーガンに求めているのは、ディアスポラとかのガチガチのハードSFなのだ…
    流しながしで読んでいたので、イランの政治の話とかマーティン親子以外の登場人物とゼンデギの仮想空間がどう関連してくるのかいまいち掴めなかった。

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    2023年01月12日
  • しあわせの理由

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    イーガンさんお初。タイトルから、テッド・チャンみたいな優しげな感情が見え隠れする、難解SFかと思いきや、人間の情緒が抱える残酷さが見え隠れする難解SFだった。後半はあってた。すごく難しい言葉ばっかり。短編集だがだいぶ積んでたし読むのも時間かかった。好きな残酷さではあるんだけど、あまり好みの文体ではなかったのと、確実に性癖に刺さってはいるんだけどどこか冷静に読んでしまっている自分がいる。今のジャンプを読むときの感情に似ている。もっと前のめりになりたかった。10代のころに読んでいればよかった。
    脳死した恋人の脳を妊娠する女性、ブラックホールに飲み込まれる人たちを助けるレスキュー隊、過激なカトリッ

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    2022年08月13日
  • 順列都市〔下〕

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    2022-08-08
    読んでいたと思ってたけど、なぜか読み逃してた。23年積んでた(笑)
    ソフトウェア知性について「ディアスポラ」に比べると否定的な文脈が強い感じ。そこは「ゼンデギ」に近いか。ファーストコンタクトの相手の描写は非常に限定的。エイリアンの側を描くとどうしても擬人化せざるを得ないからか。
    そして、結局はアイデンティティの物語。ほぼ全編その、思弁に費やされていると言ってもいいくらい。
    なんだかすぐに再読したくなる。

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    2022年08月08日
  • 祈りの海

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    プロットにリアリティを持たせるために、どんな舞台装置を選び、それについての詳細な説明を加えようとしているのは、ある意味で読者に対する良心的な姿勢だとも言えるが、それも程度問題ではなかろうか。
    全部で11の中・短編集であるが、いくつかの作品は読んでいてひたすら眠気を誘われるだけのものもあった。

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    2022年06月08日
  • ビット・プレイヤー

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     2005-2017年のグレッグ・イーガンのSF短編を集めたもの。
     以前テッド・チャンの『息吹』(2019)を読んだときなかなかに感銘を受け、このチャンさんがグレッグ・イーガンなる作家を推賞していたので、本書を手に取った。
     ハードSFというものだろう。最新の科学やテクノロジーについての知識を基盤にし、そこから果てしなく想像を繰り広げていく作風は、確かにテッド・チャンに似ている。
     SFといえば中学・高校の頃は幾らか読んでいたが、ややこしい科学の話が頻出するような高度なハードSFは苦手だった。私が一番好きなのは、H. G. ウェルズのような古典か、崩壊感覚が素敵なフィリップ・K・ディック辺

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    2022年05月15日
  • エターナル・フレイム

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    登場人物達と一緒に、この世界の物理法則を発見していくのがこの作品の醍醐味とわかりましたが、それを理解するのはかなり厳しいです。巻末解説に物理法則のポイントがまとめられてあったので、若干ネタバレはあるけど先に読んでおいた方が良いかも。

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    2021年11月18日
  • しあわせの理由

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    わたしには少し難しいSFだった。
    ひどい事故にあった旦那さんのクローンができあがるまで旦那さんの脳みそを奥さんの子宮にいれて保護するはなしと、『スフィンクスの愛撫』そっくりの写真を撮るために整形させられるはなしがおもしろかった。

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    2021年10月04日
  • しあわせの理由

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    ハードSFというジャンルに身構えていたけど、登場人物の心情や葛藤を描く物語が多く面白かった。
    印象に残ってるのは、表題のしあわせの理由と、最初の胎内で保持する話、薬の実験の話、不貞者を殺すウイルスの話(多い)

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    2021年09月26日
  • しあわせの理由

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    ほぼ全部の短篇でアイデンティティについて考え直させられる。テセウスの船みたいな話を無限にされてた。これをSFを使って寓話的に読みやすい面白い形に落とし込むのは本当に天才的。ずっと唸らされるしとっても面白かった!!

    本末の解説って基本つまんないから期待せずに読んでたら東大教授でTRONの坂村健先生でギョッとした……。何なら、彼の解説だけでも本を買う価値があるくらい面白かった。こちらも文章上手くて、クスクス笑えるのにしっかりとした解説。

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    2021年08月14日
  • ひとりっ子

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    量子論が難しくて理解しきれてない部分もあるのだけど、とても面白い世界観だった。

    ひと、と、もの、の違いって何なんだろうなあ。

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    2021年06月07日
  • ディアスポラ

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    ネタバレ

    順列都市が私達の精神がデータ化されるまで、また自律するAIが誕生するまでの話だとしたら、これはデータ化された私達が幾重にも別れて(データ化されているので、クローンを生み出すのは簡単です)さまざまな宇宙に拡散し、探索をするさらに未来のお話でした(根源的には、未来の滅びを避けるための手がかりを探索の目的にしています)。
    私達が気づいていないだけで、私達の生きる空間はトランスミューターのような存在とは既に繋がっているのかも。トランスミューターが進化の果てに獲得したのが、あらゆるものに干渉しすぎない「自制」の力であったことがとても印象的でした。
    3次元以上の世界って想像するのが難しいですが、かなりイメ

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    2021年05月06日
  • アロウズ・オブ・タイム

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    グレッグ・イーガンの直交三部作ラスト。
    相変わらず難しいんだけど、前二作に比べるとまだ理解できるかな。
    ストーリーやキャラも前よりは深みがあるような。

    ただ、母性への帰還はこの三部作においてかなり大きなイベントだと思うのだけど、最後にさらっと描かれるだけで、いいんでしょうか。勿体ないような気が。
    頭のいい人が考えることはわからない。

    未来からのメッセージという謎のシステムがメインだけれど、多分これはストーリー的必要性よりも、理論が書きたかったんだろうなー。

    物理法則が異なる世界を思いつきストーリーに落とすという仕事はすごいとは思うのだけど、私は小説が好きな文系人間なので、どうしても物語的

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    2021年05月05日
  • しあわせの理由

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    全9篇からなるグレッグ・イーガンの短篇集。SFを読み慣れてないと全体的に難しく感じる…という印象。
    個人的には「チェルノブイリの聖母」「血をわけた姉妹」「しあわせの理由」がギリギリ理解できて面白かった。

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    2020年08月10日
  • 順列都市〔下〕

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    ネタバレ

    オートヴァースをはじめ、話が難解で理解しきれない部分も多かったが、塵理論などはわからないなりに(解釈が間違ってそうだが)面白かった。塵のように散らばる要素を認識したものが世界であり、時間というものも、人間の勝手な認識の仕方に過ぎない、という感じ...?
    終盤の、ランバート人が独自に納得のいく歴史を作りそれが真実になる、というあたりが特に面白かった。人類が今正しいと信じている歴史も、捏造かもしれないと仄めかすようでもある。

    同じイーガンだと、「宇宙消失」のほうがとっつきやすく熱中して読めたので、その意味で⭐️3にした。

    読みながら、デッド・チャンの「あなたの人生の物語」やリングシリーズの「ル

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    2020年06月24日
  • しあわせの理由

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    ネタバレ

    初イーガン。
    なるほどなるほど、これはハードルが高い。
    自分はそれなりに科学技術好きな理系脳だと思うけど、興味ない人には苦痛がまさるんじゃないだろうか。
    でも、解説にもある通り分厚いサイエンス成分を透かしてみれば、どの話もものすごく哲学的。
    引き込まれました。それにしても、どれもこれもよくもまあこんな設定を思い付くなあ!
    「闇の中へ」時間軸を物理的なベクトルに読み替えているんですかね、すごくスリリングでした。
    「道徳的ウイルス学者」いま世界がコロナに揺れている中、ウイルスをなんらかの意図をもってコントロールできる可能性が示されており、そら恐ろしくなります。
    「ボーダー・ガード」量子サッカーを始

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    2020年05月23日