グレッグ・イーガンのレビュー一覧

  • 祈りの海
    収録されている短編のほとんどがテーマとしているのが、仮想現実におけるアイデンティティとは何か?で、テクノロジーによって代替可能になった、自己や他者の精神や肉体をとは何かについてなどの思索が語られる。アイデンティティを代替させるアイデアがいずれも面白く、それによる掘り下げも見事で哲学的な興味をそそるが...続きを読む
  • ひとりっ子
    ハードSF短編集。イーガンの短編集には珍しくあちこちに他作品との繋がりが見える一冊。とは言えもちろん単独で読めます。
    総合して見ると「人間とは、意識とは何か」ってテーマを起点にいろんな切り口からのアプローチ、って感じの一冊。ごくごく単純なワンアイディア短編あり、多世界解釈の分岐を絡めてタイトルまたい...続きを読む
  • 白熱光
    ちびっこ異星人が独自に科学水準を上げていく様は、アシモフの神々自身を彷彿とさせる

    イーガンにしては読みやすい

    解説が必須。解説を読んではっと気付くところがある
  • ディアスポラ
    知性の進化の極み、だがそれが人の身には叶わないというのは悲しい。だが、おおいに考えられることだ。
    肉体を持たない意識はその時点で、人類とは呼べず、それが人間の精神構造を模倣したものであっても、AIと呼ぶべきだと思う。
    人類はAIを生み出すための存在でしかないのではないかとも思えてくる。
    未来の行く末...続きを読む
  • ひとりっ子
    特に携帯メールの予測変換の進化ときたら、あまりにもすばらしいものだから、面倒なメール返信のときにはついつい予測で表示される単語をそのまま繋げて送ってしまったりする。・・・でも、これって、本当に「ワタシ」が送ったメッセージなんだろうか。私の介在は最小限であり、携帯がメッセージを作ったと言っても良いので...続きを読む
  • 祈りの海
    がっちりSF読んだったー!!という満足感。
    私はSFは好きだけど、物理もテクノロジーも生命科学もサッパリなダメ読者なので、SF的なガジェットはよく理解できない部分が多い。
    それでも面白く読めるのは、解説等で言われているように「自分が何者であるか」というアイデンティティを核としているからだろう。様々な...続きを読む
  • ひとりっ子
    ルミナスが収穫。
    イーガン作品を読むなら、この作品を読んでからにした方が理解しやすい。

    お得意の、計算によってこの世界を決定する、という話だが、多少丁寧に説明してくれている。もちろん、よく分からないのだが。
    それにしても、1024ビット程度の演算を順序入れ換えて実行して演算結果が異なるって嘘臭いな...続きを読む
  • 祈りの海
    SFの短編集。
    読み終わった感想は、なんだか、頭が筋肉痛になったような感じがする。頭の中の、普段使ったことのない部分を使った感じ。11の短編が収められているが、僕自身がこれまでほとんどSF小説を読んだことがないので、ついていくのが結構大変な感じがするのだ。
  • 順列都市〔下〕
    いやー、豪快な話でした。この作者の「宇宙消失」もSF的大ネタを、緻密かつサスペンスフルにまとめあげた名作でしたが、この「順列都市」も、サプライズの連続で堪能できました。
    セル・オートマトンとチューリング・マシンのアイデアは知っていましたが、これをVRなどと組み合わせてここまでスケールの大きな話に仕上...続きを読む
  • 順列都市〔上〕
    コンピュータの性能が上がり、脳のシミュレーションさえもが可能になった社会を舞台にしたSF。結構難しいところもあるが、やはりおもしろい。下巻がとても楽しみ。
  • ひとりっ子
    久しぶりにイーガン読んだら難しかった。自分の知ってるイーガンっぽくないとも思った。収録されてる中にわりと古い作品があって、その頃のだと受ける印象が違うみたい。
  • 順列都市〔下〕
    (*´д`*)すーほいSF作品だ。
    予想を遥かに超えてた!

    人間の想像力にもいろんなレベルがあるけど、これは凄い強度だと思いました。
    SF作家はすごいなぁ。

    ただ、何度読んでもわけがわからない部分もありました。
  • 順列都市〔上〕
    生化学も物理もITもさっぱりな私でもなんだか面白かったです。人格をデータとして保存することで生き延びたと言えるのか?完璧な世界を作り上げることは可能なのか、意味はあるのか。いろいろ考えてしまいました。マリアとお母さんの会話が一番印象に残った。死を受け入れたことを神に(神が何を動かしたわけではないが)...続きを読む
  • ディアスポラ
    これだけの宇宙を見せられて、人間ひとりひとりの物語に価値が見出せる人がいたら会ってみたい。
    価値はないけれど意味はあるよね。個人的に重きをおきたいのはヤチマの人間性について。人によって色々思うところがあるんじゃないだろうか。私は彼(彼女?)が『何の曇りもない笑顔』を浮かべられることと故郷を捨てて一人...続きを読む
  • 順列都市〔上〕
    ハードSF極北の一つ。上巻だけ読んでいる時は、設定と展開が斬新すぎて何が何だかよくわからなかった。下巻の訳者解説を読んで、そういう話だったのかと思って、上巻再度読み直し。それでようやくわかったような感じの名作。
  • ひとりっ子
    いくら不可知な人間の精神とはいえ、自然界の法則に逆らうことはできない。イーガンは数学をはじめとした大変な科学の知識で(文系のため、どんなジャンルの学問かもすでにわからない。汗)、人間の行動の決定や、愛や憎しみの感情を、どんどん因数分解していってしまう。各短編には、しょせん人間も機械の部品の組み合わせ...続きを読む
  • ディアスポラ
    ディアスポラ=離散
    宇宙(多次元)の様々な方向に自分たちのコピーを1000個派遣して知的生命体、生存をかけて可能性を探検する。


    人間存在が究極に不滅になったときの最終的な人の行き先。
    これを作者なりに推し進めている
    ・自分の全ての可能性を探索しつくす(完了)
    ・自分の人生の中で不変の箇所を探し続...続きを読む
  • 祈りの海
    限りなく五つ星に近いのだが、『ひとりっ子』と比較した時に、こっちの方が少し印象度で劣る。『ルミナス』が収録されている分の差とも言えるが。
  • 祈りの海
    SF短編集。SFではあるけどメインテーマはアイデンティティかな。
    とにかく巧みなアイディアに驚かされるけど、ちょっと取っつきづらい文章なのでハードSFに慣れてる人向けかも。そこを乗り越えれば面白いよ!
  • ひとりっ子
    短編集イーガンの数学的ネタが難解で「ルミナス」ついていけませんでしたが「真心」「ふたりの距離」は印象に残りました。特に「ふたりの距離」は二人の人間のアイデンティティを限りなく近付けるとどうなるかという…ある意味怖いです。