服部京子のレビュー一覧
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めっっちゃくちゃ良かった。
『自由研究には向かない殺人』とかの雰囲気が好きな方には超おすすめ。訳も同じ服部京子さんだし。
居残り教室に集められた5人のうち、1人が死ぬ。
死んだ1人は高校内のゴシップを集めたアプリを運営しており、4人は秘密を握られていた。
果たして「誰が」嘘をついているのか???
というあらすじで、残された4人が一人ずつ視点人物となる章を交互に織り交ぜ、物語が進む。
群像劇!高校生!アメリカ!そしてミステリ!!
という、要素だけ見てもわたしが好きな物てんこ盛りだったのだが、予想以上に面白かったし、やっぱりミステリでもそうじゃなくてもYAは独特の楽しさがあるなとあらためて思っ -
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ボブ、愛おしすぎる。
猫好きなら絶対に読んでほしい。
私はたまたま映画を観て、エンドロールで実話と知って急いで原作本を購入。一気読みした(映画とほとんど変わらない内容で安心した)。
作者のジェームズ・ボーエンさんは、音楽で生きていく夢が途絶え、路上生活者となり薬物中毒者に。
そんなどん底と思える暮らしの中、茶トラの野良猫に出会う。どこにでもありそうな人と猫との出会い。
でも、この二人(正確には一人と一匹)の出会いは運命だったのでは?と思えるほどの深い絆が次第に生まれてゆく。
二人に起こるエピソードは、いいことばかりではない。社会的弱者に対する世の中の風当たりが強さ、簡単には抜け出せな -
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ネタバレ誰かにとっての正義が、誰かにとっての悪になるかもしれない。それを定義付けるのは社会的には刑事司法制度なのかもしれない。でもそれだって人が定めたものだから常に誰にとっても平等でいることは不可能。そんな中でピップはピップの正義を貫いただけなのかもしれない。
私が「人を殺すのはだめ」と思っているのは自分や周りが誰かに人生を狂わされたことがないからなだけで、自分や大切な誰かの人生が1人の人間に狂わされたら、ピップと同じような考えになるのかもしれない。物語の主人公が常に社会に対して公平であるとは限らないし、実際悪事を働いた人物は最終的には悪だと見なされて、無実の人間は釈放された。これからピップの周りは平 -
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友人とたまたま訪れた銀行で強盗から人質にされてしまった少女が、ロマンス詐欺師の母から教わった技術・技能を駆使して窮地から脱するべく奮闘する、というヤングアダルト・スパイアクション小説。
謎解きがあるミステリ小説ではない。
主人公が母親から詐欺師として育てられたという生い立ちから「特殊な技能を身に付けた主人公が無双する!」というストーリーなのかと思っていたが、そんな育児は児童虐待であるという観点からのストーリー展開で、母の結婚詐欺に加担するため名前や性格を案件ごとに変えさせられてアイデンティティの確立に主人公が悩む。
非常に面白く読めた。 -
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ネタバレ『朽ちるマンション 老いる住民』(朝日新聞取材班)、『車いすにのったらどうなるの?』(ハリエット・ブランドル)を読んでいて、【車椅子の人の生活はどんなものなのか?】と気になった時に見つけた『車椅子探偵の幸運な日々』(ウィル・リーチ)。
学生の時に車椅子の体験(乗る側・押す側両方)をした事はあるけれど、そこから見えるものはまだまだ少ない。
それに乗る人を外で見る事が何回かあるものの、それもまたワンシーンを切り取ったものに過ぎない。
小説という物語形式なら、その描写が多少描かれているのではないか?と思って手に取ったのですが、
もうちょっとどころじゃなくてすごかった。
私が今までに読んでき -
匿名
謝辞まで読んで
3「卒業生」は、1「自由研究」2「優等生」に続く3部作のため、
興味を持った方は必ず、必ずですよ、
1作目の自由研究から順に読み始めることをオススメします。
1作目の時点では物語として成立していたのに、見事に続編へと、
切っても切り離せないほど強く結びついた物語を書けたものだなあと感心しきりです。
1作目は割と普通の青春ミステリ。
2作目もその域を出なかったけれど、
3作目は衝撃。
予想出来ない展開、手に汗握る心理戦、もし失敗したら…
とんでもない緊迫感でした。
ピップがここまでする動機が1巻2巻、3巻まで及んで丁寧に描かれているため、
どっぷりハマり込みました。
賛“否“両論あった? -
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ネタバレ面白かったー!
読むにしてもジュヴナイルはもう感情移入できないやちょっとねゴメンナサイネというお年頃。面白いという話は聞いていたが高校生か、と、遠い目でやり過ごしておりました。うーん、そのあたしを殴りたい!
なんとなく覚えていてまとめ買いの1冊としてカートに追加。寝る前に読むか…で、まさにノンストップで読み切りました。次の日にたまたま有給だった自分、グッジョブ。
面白かった!
事件としては全員が仲良しグループというわけでもない集められた居残り高校生のうち一名がアナフィラキシーショックで死亡。犯人は誰?という作りで、シチュエーション的には嘘つきの大学生とかと近いのかなと思ってたけど、1人ず -
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★5 難病を抱えた青年が、死と直面しながらも行方不明の女性を探す探偵小説 #車椅子探偵の幸運な日々
■あらすじ
主人公ダニエルは脊髄性筋萎縮症(SMA)を患っている青年。彼は電動車椅子で生活しており、常に呼吸停止状態になってしまう危険性があった。ある朝、彼が外を眺めていると、若い女性が車に乗り込む様子を目撃する。その後、その女性は行方不明になってしまったことが判明し、彼はSNSを使って独自の調査を開始するのだった…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 いい作品を翻訳してくれました。難病に苦しむ青年の切なさを、コミカルかつ生き生きと描いた素晴らしい作品です。
脊髄性筋萎縮症(SMA)という -
購入済み
自由研究には向かない殺人シリーズの三作目で完結編です。今までの作品よりも不安に満ちていてダークな作品でした。
ピップ視点で臨場感を持って語られ、彼女の焦燥感や苦しみに共感させられるため、途中読むのが辛くなりしばらく寝かせてから読了しました。
一作品目から突出していた彼女の正義感が強くなりすぎた結果がこの結末を導きました。最後に読後爽やかな気持ちになれる要素が描かれましたが、行き過ぎた正義感は彼女自身や周囲の人を強く苦しめたことを思うと、決してハッピーエンドではありませんでした。
ティーン向けのミステリから社会問題を提起する作者の意図を感じ素晴らしい作品でした。 -
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この本は2つの点において特筆すべきだと思う。
1つが現代をよく表していること。現代を舞台にした小説は多々あるが、ここまで意図的に現代らしさを取り込んでいるのも珍しい。パワポでスライドの切り替えアニメーションをつけていたら頑張ってるという表現、そして今私も現実で見ているようなNetflixドラマの名前など、やりすぎなくらい現代らしさが盛り込まれている。イギリスと日本でその辺は変わらないんだなって言うのも面白い。
2つ目はミステリと青年期の成長を扱った青春小説を掛け合わせているところ。個人的にこの点は一作目より強く感じて、ピップが一作目を受けてどのように自分を感じているか、自分に向き合うことが掘り -
購入済み
自由研究には向かない殺人の続編です。
前作から時をおかず、ピップは新たな謎に挑むことになります。様々な悲劇や恐怖を経験したピップは、躊躇いながらも自分の中の強い感情に導かれるようにして依頼を引き受けます。
Tinderやpodcastなど現代らしいアイテムを使って描かれる現代的なミステリーで共感できます。
本国では三作目が刊行されているようなので、翻訳されるのが楽しみです。
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前作でバスキング(路上演奏)から抜け出し、ビッグイッシューの販売員として一躍スターとなったジェームズとボブ。以前に比べて生活は良くなったものの、路上で仕事をすることに変わりわなく、危険な目に遭ったり、嫉妬による嫌がらせを受けたり、さらには健康上の問題も発生したりと、次から次へと困難が立ちはだかる。
ただ、彼にはボブがいてくれた。ジェームズが言うように、ボブには自分の意思があり、自分でジェームズといることを選択していて、それはボブがジェームズを心から信頼しているということ。それにとやかく文句を言う資格は誰にもない。
ボブがいることでジェームズの責任感はより強くなり、トラブルに巻き込まれても冷 -
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もう何年も前に読んだ原書「A Street Cat Named Bob」を翻訳版でおさらい。
薬物に溺れ、社会から疎外されたようにその日暮らしをしていたジェームス。そんな彼のもとにどこからともなく現れ、彼を支え導く存在となったボブ。二人の出会いは本当に運命だったのだと思う。
ロンドンでの路上生活の過酷さは読んでいて悲しくなるけれど、ボブと出会ってから人々との関りを少しずつ築いていくジェームスの姿には元気をもらえた。嫌な人ももちろんいるけど、それ以上に気にかけてくれたり、支えてくれる人は世の中にたくさんいる。でもそれはボブだけの力ではなく、ジェームズ自身の努力があったからこそだと思う。
ボ