服部京子のレビュー一覧
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主人公のピッパがひたむきに自分の信じたものを証明しようと奮闘し続ける姿に、ミステリとはまた別の軸で感動を呼ぶ作品であった。
ある少女を殺したとされる青年は、その人となりを知っていれば、そんなことをするはずがないと多くの人が思うであろうところ、公的権力が「こうである」と判を押すことで、またメディアが囃し立てることで、いとも簡単に大衆はコントロールされ、その青年が犯人であると信じてやまなくなってしまう。
こうした世間の冷たい目に晒されながらも、それに抗うように最後まで奮闘し続けるピッパの姿が、今の時代のなかで輝きを放つのである。
物語の魅力としては、ピッパが事件の真相に近づいて行く中で、出てくる登場人物の誰もが犯人である可能性が出てきたり、あらたな一面が見えてきたりと、わくわくしながら読むことができた。 -
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初めて読んだ海外翻訳文学がこの『自由研究には向かない殺人』でした。とにかく読めば読むほど容疑者が増え、途中から紙に人物相関図を書きながら主人公と一緒になって作業ノートを読みながら最後まで頭に酸素が足りなくなりながら犯人を追いかけた数日間でした。若さ故の無鉄砲さ、ハラハラドキドキさせられると共に、主人公の常に公平な視点であろうとする姿にハッとさせられる。これだけ没頭できるミステリ小説に出会うのって、本当に稀だなあ幸せだなあと思います。続編もあるとのことですが、この数日間かなり頭を使ったので少し休憩しようかなあと思います。
⚠️動物が亡くなるシーンがあります。事故的という言い方も正しくはないのかもしれませんが、私自身結構キツかったので、ペットを飼われているもしくは飼われていたことのある方は読む時にそう言うシーンがあるのかと頭に入れておくといいかもしれません。 -
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ネタバレ前作のラストから完全に地続きの世界観で、ピップとラヴィの関係性や、街を揺るがした事件のその後の空気を生々しく味わえる見事な続編です。
そして、ドラマ版と比較した際の「原作ならではのバランス」も非常に興味深いポイントです。
原作小説では、マックスの性的暴行事件の裁判が裏で進行しているものの、あくまでメインはジェイミーの失踪事件の捜査にあります。そのため、ドラマ版のようにマックスの裁判を重厚に描き、あの強烈なラストシーンをアクセントとして機能させていた構成を観た後だと、原作のマックスへのフォーカスの薄さに少し物足りなさを感じるかもしれません。ドラマ版の方が、マックスという存在がもたらす胸糞悪さと緊張感がピップの精神的負荷としてより立体的に機能しており、エンタメとしてのメリハリが効いていたと感じます。
とはいえ、小説版はインタビュー形式の書類やSNSのログがそのまま紙面にレイアウトされている面白さがあり、チャーリーの正体が明かされるシーンの静かな衝撃は原作ならではの凄みがあります。ドラマ版のあの素晴らしいアクセントを頭に残しつつ、ピップのより内省的でダークな心理戦をじっくり活字で掘り下げるという意味で、シリーズのファンなら大満足できるクオリティの一冊です。 -
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いやぁ、読ませるなぁ。548ページの物語をほとんど31フィートのRVの中で過ごすわけだけど(しかも、登場人物はほぼ6人!)全く飽きさせることなく、ドキドキさせるんだからスゴい!
高校生のレッドは友人たち6人で旅行に出掛ける。道に迷った先で不運なことにタイヤがパンク。携帯の電波は通じない。スペアタイヤを入れ替えた矢先、全てのタイヤがパンクした。
パンクの原因は石でも釘でもなければライフルだった。
なぜ、自分たちが狙われた?誰もが狙われる理由もわからないまま、RVの中はパニックに。そんな中、狙撃者からトランシーバーが届き、どうやら狙いはある情報だった。
6人の中の誰かが秘密にしている情報。それぞれが語り出す秘密。一体誰のどんな秘密を知りたいのか。事態は思わぬ方向に進んでいき・・・。
これ、どうなるの!?ずっと気になってしょうがないままあっという間の548ページ!脅威のリーダビリティー。そういえば、『自由研究には向かない殺人』も571ページもあっという間だったな。それにしてもオリヴァーがムカついた笑 -
Posted by ブクログ
ミステリー特有の「登場人物を見失う煩わしさ」がなく、中盤まで続く捜査日誌やSNSのやり取りといったレポート形式によって、読者もピップと同じ町で一緒に推理しているような臨場感が味わえました。また、ドラマ版ではカットされてしまった「サルがピップのいじめを助けたシーン」など、サルの優しい人柄やピップの動機を裏付ける原作ならではの重要な描写がしっかりと描かれている点も必見です。読み進めながら、ピップ役はドラマ版のエマ・マイヤーズが本当にぴったりだと改めて感じました。
身近な人々の裏の顔が次々と明かされていく展開は読んでいて辛くなるほど引き込まれます。
そして物語の終盤は、これまでのレポート形式は無くなり、とても動きのある文章へと切り替わります。真犯人は誰なのか、最後まで読み手を惹きつける二転三転するスリリングな展開がとても見事で、ぜひ読んでみて欲しいと思える一冊です