服部京子のレビュー一覧
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街の、何年も前の殺人事件の真犯人を解決したピップのその後の物語。
よくある推理ものだと、ヒーロー扱いや軽い嫉妬くらいだけど、この作品はその辺の描写が良いなと感じた。
「自由研究」で逮捕された真犯人である、昔から知る親友の父親への葛藤。自分の捜索のせいで失われた愛犬への悲しみと申し訳なさ。単なる「被害者家族」ではなく、歪さを指摘された遺族からの疎ましげな眼差し。小さな街をかき乱されたと恨んげに見つめる人々の視線。マックス・へスティングの裁判。
イギリスの小さなまちの片隅で、ピップの人生は「自由研究」のあとも続いているんだと感じられた。
もう探偵ごっこは二度としないと違うピップだったけど、友人 -
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歴史物の児童書を多く書いているデボラ・ホプキンソンの作品。歴史部分をかっちり描いているので、子どもの本らしいほわっとしたところもありつつ、とても軽快にさわやかに読める。オーバーロード作戦のDデイ前夜の様子をイギリスの視点から見るというのは、わたしにはなかなか新鮮で面白かった。
と同時に、いつも食べ物が欠乏していること、不可抗力の出来事でも深い心の傷を負ってしまうこと、誰のことも信じられなくなってしまうことなど、戦争の残酷さもきちんと描かれている。
じつは、スパイものってちょっと苦手なので(うそをつかなきゃならないし、裏切りも必ず入ってくるので)どうかなと思っていたけど、スパイじゃなかった( -
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長らく積読にしていたうちの一冊。
なんとも言い難い翻訳書籍独特の言い回しがあるものの、読みやすかったです。
『自由研究に向かない殺人』だなんて、そもそも殺人事件事態、自由研究には不向きだろうと、読む前に思っていました。しかも自分の住んでいる街での殺人事件、被害者であるアンディの遺体は未発見、犯人とされるサルは自殺しており、サルの家族は街で白い目で見られて、家には投石までされている始末……。街の絶対的タブーを題材にするだなんて、確かに学校の自由研究には向いていない。
でも本当に向いていない理由は、それだけではありませんでした。
独自の捜索を進めるうちに、次々と容疑者として浮上する近しい人々。 -
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関わったであろう人々へのインタビューに、それと調査内容をベースとしたPodcast。さらにはSNSの活用としっかりと現代が舞台になっていて、やっぱり斬新というか新鮮さがある。けど王道パターンを崩しているわけでもなくて、本当によく出来ているなと。
前作からほぼ地続きになった続編で、舞台は当然リトルキルトンだし、登場する人もほぼ同じ。物語冒頭ではマックスの件がまだ続いている。これってちょっと不思議な感覚というか、あんまり経験がない展開かもしれない。人間関係の移り変わりが物語上かなり重要だったりもするし、そこが面白さの一つでもある。逆の作用として、アントみたいな人は出てくるたびにより一層嫌いになっ -
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ピップ・フィッツ=アモービーは、高校を卒業したばかりの少女。かつて二度の事件を解決した“天才女子高校生探偵”として知られるが、その経験は彼女に深い心の傷を残していた。
前作での連続殺人事件の後、彼女は不安障害やPTSDに苦しみ、過去の事件の記憶にたびたび悩まされている。大学進学を控えながらも、心の平穏を取り戻すことはできず、ポッドキャストを通じて事件を語ることだけが日常の支えとなっていた。
そんなある日、ピップのもとに匿名の脅迫メッセージが届く。
「前にやったように、また人を殺すのか?」
送り主は彼女の行動を監視しているかのようで、次第に彼女の家の前に奇妙な足跡が現れ、誰かが後をつけている形 -
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舞台は、イギリスの小さな町・リトル・キルトン。5年前、この町で高校生の少女 アンディ・ベル が失踪し、まもなく同級生の サル・シン が自殺した。警察は「サルがアンディを殺害して自ら命を絶った」として事件を終結させたが、サルの罪を証明する決定的な証拠は見つからなかった。
高校生の ピップ・フィッツ=アモービー は、この事件にずっと疑問を抱いていた。サルは誰からも慕われる優等生で、彼が殺人犯だったとはどうしても思えなかったのだ。
大学進学を控えたピップは、卒業研究(課題)として「リトル・キルトン事件」を再調査することを決意する。彼女はサルの弟 ラヴィ と協力し、当時の関係者に取材を重ね、SNSの -
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ネタバレイギリスの作家、ホリー・ジャクソンのノンシリーズ作品。中編(だけど一冊)を含めると邦訳5作目。
高校生4人と大学生2人の6人がキャピングカーで旅をする。迷い込んだ先で狙撃され、車の中に閉じ込められることに。どうやらある一人が秘密を持っており、朝が明けるまでその秘密を打ち明けなければ、全員の命が危なくて…
後半の加速度と意外な展開、真相は非常に良かった。今年の作品で言うと「ハウスメイド」や「デスチェアの殺人」並みにリーダビリティが高く、読みやすさと相まって一気読み必須。
なのだけど、何故星4かというと、狙撃されていることがわかるまでもが結構長いし、誰の秘密がキーなのかを調べ始めるまでも長い