服部京子のレビュー一覧
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以前から気になっていた海外ミステリ。
舞台はイギリスの田舎町。
主人公のピッパは女子高生で、とても頭脳明晰な人物である。日本人だと馴染みがないが、高校の課題として自由研究があり、彼女はそのテーマに五年前に起きたある殺人事件を選んだ。
加害者は彼女もよく知るサルという善良な人物。
サルが加害者ということに疑問を感じる彼女は、サルの弟のラヴィと共に研究を進めていく。
読み慣れない海外ミステリ、且つ600頁近いボリュームで読むのは大変だったが、少しずつ容疑者を絞り込んでいき、確実に犯人を追い詰めていく展開は息もつかぬほどであり、非常に楽しめた作品だった。
Netflixで映像作品として見れるよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ青春版ツインピークスという感じでした。
ピップの性格といい、物語の展開といいとても好きでした。
以下ネタバレ
カーラとナオミの父であり教師でもあるエリオットは、関係を持ってしまったアンディを突き飛ばして頭を強打させ、アンディの恋人だったサルシンに罪を着せて殺してしまう。
アンディの妹であるベッカは、自身がレイプされた原因のドラッグをアンディが売っていたことを知り、問い詰めるが謝罪もなく無下にされる。小競り合いが起こった時、頭を強打した影響で倒れてしまうがベッカは助けずアンディが死んだ後別の場所の貯水タンクに死体を隠す。
小説内でも言及されていましたが、エリオットやベッカやア -
Posted by ブクログ
ネタバレこんなに魅力的な主人公と相棒の出てくる作品は久々に読んだなぁ。
読み始めの最初の時点で読者は主人公ピップのことを好きになるに違いない。17歳ということで本来であれば子どもの大人の間でせめぎ合っている年頃の女性なのだが、本人はそういった部分を感じさせず快活で芯のある姿が描かれていてこちらもなんだか元気をもらえた気がする。それと普通に知識も豊富で年齢に見合わない知性を感じる。……羨ましい。
続いて登場する相棒ラヴィも事件で兄を失い、当初非協力的ながらピップの人柄や事件を追う真剣さに触れ、徐々に心を開きユーモアに富んだ受け答えをして楽しませてくれる非常にいいキャラクターだった。意外に漢気にも溢れて -
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前作の完成度に惹かれ続編に挑戦。
とは言え「はい、次のお話」というものではなく、前作の事件の直後という時間軸から始まり、登場人物やコミュニティがその余波を色濃く受けたまま話は始まる点が新鮮かつ印象的。
好感の持てた主人公は、今や前作の事件を題材にした人気ポッドキャストの配信者に。
序盤に前作の核心に触れる部分があるため、やはり順に読んでいくのが良いだろう。
今作では行方不明となった友人の兄を追うことになるが、調査パートの取材・推理の描写が相変わらず巧みで、翻訳も合っていてスムーズに読み進められた。
物語は後半で一気に加速し、感情の渦に巻き込まれる主人公の視界をそのまま共有しているような没 -
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前々から気になっていたが、厚さと登場人物の多そうなところに気が引けて先延ばししていたところ、ちょうど気が向いたので挑戦。
いわゆる青春ミステリーと呼ばれるものにはなるんだろうけど、大きな謎やトリックなどはなく、ミステリーの部分は薄い。
しかしながら視覚的に工夫を凝らした記載で主人公と共に調査を進めていくような気になる構成は、映画「search」にも通じる印象で、現代らしくも上手い見せ方。
また翻訳家が合っているのか読みやすい筆致ですいすいと読み進めることができた。
人種問題や小さな町でのドロドロ、重めのストーリーを主人公のキャラクターでカバーしているのも良い。最後の方の選択には賛否もあるだ -
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とんでもない話だった。前作の終わりからして、3作目は「戦い」の巻になるだろうと思っていた。主人公が受けた傷に立ち向かう、そんな話になると思っていた。
ところが読み進めていくと、これは確かに戦いだけど、思っていたのとは全然違う方へ話は転がっていく。
ずしんと心が重い。この物語にはいろんな捉え方があると思う。
個人的にはこんな展開になってしまったことが悲しい。これは、ハッピーエンドなのだろうか?私にはバッドエンドの様に思える。
真に正しい、とはどうあることなのか。
この終幕のあと、二人は取り戻せるのだろうか。守るために失ったものは、あまりにも大きすぎる。
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Posted by ブクログ
1作目の内容を全然覚えていなくて、冒頭ちょっと戸惑った。事件の本筋に入ってからはのめり込む様に読んで、読み終わって感慨に浸ってる。興味を引く事件、飽きさせず進んでいく展開、それから心に残る結末。一気読みした。
ビップは優れた探偵役だけど、ヒーローじゃない。悩んで苦しみながら、事件をおいかける、一人の少女だ。彼女がもがく、等身大の様子に心奪われる。
「事件」には綺麗な解決や終わりなんてない。物語としては幕を閉じても、誰かの心、その人生に爪痕を残す。それは時に悪意の輪となることもあれば、何か導きの様に人生を繋いでいくこともあるのだろう。ビップはこの先、どう消化して立ち向かっていくのかな。
続編も読 -
Posted by ブクログ
1944年、第二次世界大戦時のロンドンはナチス・ドイツの空襲が続いていた。13歳のバーティは空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係として、自転車のカゴに愛犬で救助犬のリトル・ルーを乗せて出発した。その道中、アメリカ人の少女エレノアとぶつかってしまう。彼女が立ち去った後にはある一冊のノートが残されていた。そのノートには秘密諜報員の訓練と謎の暗号が書かれていたー。
数年前話題になった『自由研究には向かない殺人』を訳した服部京子さんが訳してるから絶対面白いだろなー、子どもってスパイものに弱いよなーと思い手に取った。
シャーロック・ホームズに憧れながらも、ちょっと頼りなく心に深い傷のあるバーティとしっ