服部京子のレビュー一覧
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ネタバレイギリスの街、リトル・キルトンに住むピッパ。自由研究のテーマは5年前に街で起きた殺人事件の真相解明。
被害者で今も死体が見つかっていないアンディ・ベル。そのボーイフレンドのサル・シンは森のなかで自殺しているのが見つかった。
初めは記事やFacebookの情報、警察や記者へのインタビューから始まった。サルの弟、ラヴィと出会い、サルの友達、アンディの妹、ドラッグの売人…などどんどん広がっていった。
サルを殺したのは、親友カーラのパパのエリオット。
そして、アンディを殺したのは妹のベッカだった。
長いけど、特に最後の方はわくわくしながら読み進めた。
サルの無実が証明され、ラストシーンでラヴィがみんなの前で話している内容にとても感動した。 -
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ネタバレなんというか、すごい。とにかくすごい。読み終わって最初の感想は、「こんなこと一般流通書籍でやっていいんだ!!」だった。(やっていい。)
メタ的な視点で言うと、「自由研究には向かない殺人」から始まるシリーズと「夜明けまでに誰かが」には物凄い濃度の「クソ男は更生しない!!!!!!!!死ね!!!!!!!!!!!!」という作者の怒りを感じていて、それも全く悪くないんだけど、さすがに同じ味がするな〜と思ってた。でも今回の小説にはそれをさほど感じなくて、どちらかというと「一つの側面からしか物事が見えなくなった人間の愚かさ」が強く描かれていたのかなという感じがして、とても読みやすかった。やっぱりホリー・ジャクソンは天才なんだな…。
内容としては間違いなくミステリーでありながらも、「殺された」女性が余命1週間を費やして「生きた」、人生と愛の話。登場人物みんながままならなさを抱えていて、残酷で、救いがなくて、喪失に満ちていて、でも確かに、灰色の人生が鮮やかに色付いていく1週間を追った物語だったと思う。
そしてジェットとビリーが可哀想なのはそうなんだけど、パパ……パパがあまりにも可哀想すぎる……。パパが何をしたって言うんですか? 優しすぎただけで…まぁちょっと不器用だったかもしれないけど…でも優しいだけの人が…。妻が向かいの家の男と不倫していて、長女は長男に殺されていて、毒(塩)を盛られ、次女を殺され、会社は燃え、長男は自分の子じゃなかった挙句に人を殺し、なんかもう、ここから入れる保険は無くないですか?と読み終わってからずっとパパのことを考えている。レジー、レジーだけがパパの救いだよ。ずっと一緒にいてあげてね…レジーだけはパパを置いていっちゃダメだよ…頼むよ…。 -
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死を前にした人間がワガママになるのは、いけないことなのか。
すごく"死"とは正反対のバイタリティを感じた。
謝辞にあるように、きっと事あるごとに私はジェットの強さを思い出すだろう。
自らの死をカウントダウンするなんて、どんな気持ちなんだろうか
最悪が更新されていくなんて、どんな気分なんだろうか
『死にたくない』どんな想いで発したんだろうか
節々で、涙がとまらなかった。
人間関係が複雑に絡み合っていて、何を信じたらいいか分からなくなってしまう本作だった。
ホリー・ジャクソン著の翻訳済み作品は全て読んできたけれど
そういった表面上に現れないような澱みを書くのがうまいなあ、という感想を上塗りしていくのが、出るたびに読んでしまう魅力なんだろう。
真相の最奥には触れなかったけれど、真実の最愛に包まれて逝ったジェットはきっと幸せだった、と、信じてる。 -
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あまりにも凄すぎる。
タイトルからしてすごい。
探偵こと主人公ジェットは、タイトルどおり物語の序盤で「殺される」。
頭を3回も殴打されたことで、1週間後に死ぬかすぐに手術台の上で死ぬかの二択を選ばなくいけなくなるジェット。1週間の余命と闘いながら幼なじみのビリーとともに「自分の殺人事件」の犯人を探す…というストーリー。
ビリーがね…もうね…ほんと…
この作者の描くワトソン役の男の子、ほんといい。
『自由研究には向かない殺人』シリーズのピップとラヴィみたいな素敵かわいいコンビで、ジェットが余命1週間なのがほんとつらい。
ストーリーの面白さもいいし、ラストもよかった。
主人公はピップに似てるかな。
頭が良くて口が悪い。そして憎めない可愛さ!
とっても面白かったです!
今年では一番かな。
『夜明けまでに誰かが』はまだ途中。
ところでビリーがジェットに「刑事殿」とかそういう言い回しのシーンあったような…(見つけられない)
ピップとラヴィにも同じようなやりとりがあって、ちょっとニヤニヤしてしまった。かわいい
はー、とても面白かったな〜 -
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ネタバレ閉じ込められ系サスペンスミステリーの傑作。
アメリカサイズのでっかい(31フィート、ほぼ9.5メートルの全長て)キャンピングカーに閉じ込められた、大学生2名高校生4名、何者かにタイヤ4本とガソリンタンクをライフルで狙撃されて立往生してしまう。犯人の要求は「6人のうち誰かが持っている秘密を明かせ」
閉じ込められて、いきなり全員の疑心暗鬼に持っていかず、まずは逃げ口を徹底的に排除していくんやけど、その中でリーダー格の大学生オリヴァーの無能さと危うさを徹底的に書き上げていく。
俺も大概組織のリーダーに向いてない(会社でも趣味でもやってみたことはあるが、都度迷惑をかけてきた思い出しかないトホホ)タイプだが、そんな俺だから言うが、こいつはもう筋金入り。ようこんなキャラクター作れたなぁと、それだけでこの本読む値打ちあるぞいうくらいのクソ役。
で、このリーダーはクソなだけで絶対犯人ではないと早いうちから分かって、その後徹底的に他のみんなの安全とか謎解きとか、そういうのを邪魔してまわり、おまけに読者の謎解きまで邪魔しにかかるという無茶苦茶ぶり。
こいつのおかげで仕掛けが紛れまくって、ラストの驚きが一層際立ってくる。オリヴァーの数少ない、というか唯一の貢献やったな。
才能がないヤツはリーダーしたらアカンし、才能ない自覚がなくて自信とプライドだけがあるヤツがリーダーしてもたら、周囲に不幸しかもたらさない。ほんま気を付けないとね -
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ネタバレシリーズ3作目(番外編を入れると、4作目)。前2作はネタバレあり。
マックス、ピップに対して名誉毀損で訴える。
レイプ魔だと言った。
マックスはベッカにクスリを盛り、レイプ。その行為がアンディ・ベルを死においやった。
死んだ鳩が私道に置かれる。
ピップのランニングの歩道に描かれた
死にゆく女の子
DTキラー、新たな被害者。ダクトテープで手首や足首だけでなく回まで巻く。目や口もふさがれ。
被害者はロープで首を絞められ殺害。
もう犯人は捕まっている。
母親は冤罪を訴えている。
ピップはその母親に情報を聞いてみることに。
犯人と思われているビリー。ジェイソン・ベルの会社で働いていた。
『きみが行方不明者になったら、誰がきみを探してくれるのかな』
闇の大の絵文字?→これ、なんや?
ジェイソンがDTキラーだった。
ピップ、ダクトテープでぐるぐる巻にさせられる。
ピップ、ジェイソンを殺す。→え?
ラヴィに来てもらう。
アリバイを作ることに。死体を冷やし、その後温め、死後硬直を誤魔化す。
マックスをスケープゴートにする。
紫斑をごまかすために、途中で死体をひっくり返す。
ピップ、ヘッドホンをジェイソンの家に忘れていた。自白をするしかないか、と思い始める。
マックス、起訴される。
警部補のホーキンスは何かを疑っているので、ピップはラヴィとは会わない方がいいという。
裁判、マックスの。評決が読み上げられてから3分後。
『へい、部長刑事やぼくを覚えている?』
『(入力)』
→これは、マックスが有罪になって、ピップたちは大丈夫になったってことかな?
今までマックスが刑を免れてきたのは、この展開のためだったか。今までのはミステリ的にそこまで面白いとは個人的には思わなかったが、今回のはシリーズものとしてのノワール的に面白かった。今まで長いシリーズを読んでいたかいはあったかな。 -
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ネタバレ前作のラストで、それまでの「風通りの良い読み心地」に翳りが出て来たのを感じたが、全2作の悲惨な事件を受けてピッパはメンタルを病み、一転して陰鬱な世界観となる。そんなピッパにストーカーが現れる。それが数年前に捕まった筈のDT(ダクトテープ)キラーであり、その正体が1作目の殺人被害者であったアンディの父親ジェイソンであると看破する。しかし、ジェイソンに捕まるが、6人目の犠牲者になる寸前で脱出に成功。
この時点で全ページの半分。
どうなるかと思いきや、前2作で全く頼りならなかった地元の警察、同級生を薬を使ってレイプしたマックスを無罪にする司法に失望し、頼れないと判断したピッパは自分の正義を行使するためにジェイソンを殺害。
それからはアリバイ工作、マックスに罪を着せる工作と一転してクライム小説が展開。
全2作と打って変わった予想外の展開。最後のページまでドキドキしながら頁を捲る手を止められなかった。
シリーズ3作ともそれぞれに最高の傑作ミステリーだが、前2作で明らかにされなかった事実が本作で解明されるなど、全3作合わせて1つのストーリーが構成されており、本当に最高の傑作だった。
ミステリーファンには是非読んで欲しい。 -
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ネタバレ三部作の完結編として、これ以上ないほど挑戦的な作品だった。前二作で「真実を暴く探偵」だったピップが、本作ではその立場を失い、自らの正義と法の狭間で追い詰められていく。シリーズを通して描かれてきたテーマが、最後に最も重い形で突きつけられる。
特に印象的なのは、「真実」と「有罪」は別物だという残酷な現実だ。サル・シンやビリー・カラスの冤罪、あるいは野放しにされた真犯人を見てきたピップだからこそ、「真実そのものは変えられなくとも、手前の司法ならば操作できる」という決断に至る流れには強く納得させられた。勝負のラインを「バレるか」ではなく「有罪に持ち込めるか」に絞り、司法の穴を突く姿は、探偵が自ら人間性を捨て去っていく苦々しい味わいがある。
一方で、DTキラーに狙われてピップが姿を消した際、ラヴィが積極的に動いている描写がほとんど見られなかった点には違和感が残った。二人のこれまでの関係性を考えれば、もっと必死に彼女を探す姿があってもよかったのではないか。
探偵が自ら境界線を越えてしまう展開は賛否が分かれるだろう。しかし、その人間性の変化まで含めて最後まで描き切っていた。爽快感とは程遠く、「これで本当に良かったのか」という問いと、数年後に自由研究でこの事件を再調査する女学生が現れる続編に期待したい。