ヨシタケシンスケのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこうして両祖母のことを思い出しながら書いていても、二人の内面のことはよくわからない。ただ振り返れば、僕が生きているだけで、喜びを覚える人がこの世にはいたのだという事実が、今になって意味を持つ。老いや死は、その人の足跡までをも小さくはしない。
.
常に何かを、しかも同時並行で行っていないと気が済まない時間貧乏性。お風呂でも本を読んだり、動画を見たりするし、寝る前のストレッチの時も漫画を読んでいたりする。筋トレの時も映画やアニメを見るし。インプット過多で、咀嚼不足。つくづく、一つに集中するのが苦手である。
.
「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」なんて、勝手に決めつけてはいけません。ある立場から見たらクライシスでも、別の立場から見たらレボリューションかも。他人から見たら逸脱でも、その人にとっては成長かもしれないのだ。財布の中身は危機ですけども。
.
弱さを語るボキャブラリーが少ないと、「ボキャブラリーの罠」に陥ってしまう。世の中に流通している「性的いたずら」という言葉で、経験を矮小化してしまうところだった。語彙を拡張してくれる人は、いつも希少だ。
.
ファッションにおいて「好き」は片思いで、「似合う」は両思いだというようなコピーがあったが、それだけがファッションではあるまい。自分の彩り方を決めるは自分だ。
.
寂寥よりも義務のほうが、孤立よりも不自由のほうが、僕にとってはしんどいのである。
.
当然ながら、無趣味というのも、人の自由である。趣味がない人を、あたかもつまらない人間であるかのように位置付けるのも、偏った考えだ。(中略)「趣味がない」ことを笑う人は、「趣味」以外の話題が乏しいために戸惑っているだけかもしれない。
.
趣味は、何かを目指すもの、未来への投資、いつかのための努力だという意識がどこかにあった。それは「六十の手習い」に理解を示せない人生であった。ただ楽しむ。その瞬間を味わいながら過ごす。そうした時間のあり方を豊かに思えるようになったのは、最近のこと。今の快楽は怠惰であり、今の苦痛はいつかのため、それはなかなかに窮屈な解釈であった。
.
他人の趣味を否定することは、他人の時間を否定すること。誰かの時間を否定せずとも、自分の時間を豊かにする方法はある。
. -
Posted by ブクログ
(2024/2/15返却)
子供のどうして?を上手いこと言ってかわすお父さん。どうして?の内容は不満に思ってること。父に不満をぶつけるなんて、私たちの世代では考えられなかったこと。
それにしても、パパはよく突拍子もない答えを考えるもんだ。
"どうしてパパがイライラしているからって、私までついでに怒られるの?" には、胸がチクっとした。
きっとこの言葉を飲み込んで大人になった人はたくさんいる。そして、このお父さんが言っていた "どうして大人ってズルくなっちゃうんだろうね…" にも、胸がチクっとした。
最後の、子供が夢の中で神様に願う "大好きなパパがいつまでも元気でフサフサでいられますように" は、ヨシタケさんの我が子に対する願望だなとクスリとした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ潜在能力試験で全国1位になった主人公カオルが東城大学医学部に入り、レティノブラストーマの論文を発表し、その誤りを謝罪するというのがこの作品の大きな流れ
藤田教授にそそのかされて論文発表から謝罪までしてしまうのだが、中学生カオルには頼もしい友達とゲーム理論の第一人者のパパがサポートして藤田教授の悪意を打ち負かすのは爽快。
桃倉さんはとても良い人で、冷静にかつ総合的に何をすべきかを判断出来る。少しスピード感には欠けるが。こういう人が沢山医療関係者にいれば良いのにと思った。
このような事は世の中にたくさんあって、本作品の登場人物のような人もいる。悪意に立ち向かう勇気を持ったカオルはすごい!
-
Posted by ブクログ
ヨシタケさんの絵本はいくつか読んだことがあるけれど、これが1番私たち親子にハマった一冊でした。
子どもとケラケラ笑いながら読みました。
ごはんをこぼす、一段高いところを歩く、外で色々拾ってきちゃう。9割が我が子に当てはまる!
この本に書かれてる理由は屁理屈といえばそうなのだけど、こんな理由を思い付くその発想力と、それを否定しないお母さんの柔軟性、そのどちらも素晴らしいなと思います。
読みながら我が子に「あなたもそうなの?」と聞くと「ちがうよ~」とは言うものの、とにかく嬉しそう。
寝る前に、大切な家族と同じことで笑って1日が終わる幸福を改めて教えてくれた一冊でした。