斉藤隆央のレビュー一覧

  • 神の方程式 「万物の理論」を求めて

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    自然界を支配する四つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)。これらすべてを統一する理論、”A Theory of Everything”に関する本。
    神の方程式に迫る取り組みは、ニュートンの万有引力の法則から始まり、マックスウェルの法則で別の側面を得、アインシュタインの相対性理論で新たな展開を迎え、ブランクやシュレディンガーの量子論を以って著しい発展を遂げる。
    四つの力は、大元の一つの力すなわち超力から分岐し、それは11次元の存在としてひも理論で説明できるとする。特に印象的なのは、研究が進むほど対称性の重要性が増し、そこには深淵なる「美」があるということ。
    相対性理論以降の章は一般人にとって

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    2025年04月24日
  • パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ

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    超ヒモ理論、多宇宙理論、さらにはホログラム宇宙論など物理学脳諸説を分かりやすく説明している。
    飽きさせない本。

    現代物理学を考えれば考えるほど、それは哲学になっていく。

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    2025年04月05日
  • 生命、エネルギー、進化

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    ネタバレ

    真核生物は海底のアルカリ熱水孔における細菌と古細菌の奇跡の共存からミトコンドリアが細胞の一部となって生まれたという説を提唱。この広い宇宙において地球と同じような環境が他の惑星で無数にあったとしても同じことが起きる可能性は非常に低いという。
    生命の神秘を感じる名著

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    2025年03月17日
  • 「生きている」とはどういうことか 生命の境界領域に挑む科学者たち

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    哲学的な問い。

    生物学的、もしかすると文学的な問いかも知れない。生きているとは。切断すると複製する、乾燥して何年も経った後に水分で復活する、老いては若返りを繰り返す存在などもある。この場合「ある」なのか「いる」なのか。ウイルスのような存在は果たして生きていると言えるのか。

    知覚や記憶により、われわれは、それが生きているか否かを分類する。脳がダメージを受けたとき、昆虫や果物など、生物にかかわる名前を言うのが難しくなる。ところがおもちゃや道具の名前は難なく言えるという。つまり、無意識下において人間は、その対象が「生きているか否か」をジャッジしているようだ。この本はこうした切り口からスタートする

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    2025年03月02日
  • 生命 最初の30億年~地球に刻まれた進化の足跡~

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    空白の30億年に何があり、カンブリア紀の大爆発をもたらしたのか。
    30億年という途方もない年月がかかり、ようやく多細胞生物が誕生し、動物が生まれるとは。無から有を産むに似たような感覚なのだな、最初の生命とは。

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    2025年01月09日
  • 生命、エネルギー、進化

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    専門外だと難易度高めだが、じっくり読めば理解出来なくはない感じで、しかも論理展開が面白い。どういう話かというと、生命の誕生についてなのだが、細菌みたいな原核生物からどうやって真核生物に進化したのか、という物語。

    そこには内部共生という過程で、細胞同士が融合したり、更にプロテオバクテリアなどを取り込んでしまう進化の過程があった。それがミトコンドリアだが、これにより、真核生物はより強大なエネルギーを代謝する能力を得る事ができた。

    ー 初期の地球で生命の誕生の助けになりえた環境は、定常的な炭素とエネルギーの流れが組み合わさったアルカリ熱水噴出孔。熱水孔の細孔内の薄い半導体の障壁をはさんだ地球化学

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    2024年09月21日
  • 病み、肥え、貧す~有害化学物質があなたの体と未来をむしばむ~

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    ネタバレ

    うーん、難しい…。

    まず、基本スタンスとして不安を煽るような内容の本はだいぶ警戒して読むべきと思ってる。ただ、本としてはしっかりしているので、誠実として受け止める必要はあるかな、という感じ。

    内分泌撹乱物質(EDC)がもたらす危険と、それをどのように避けるかという指南書。
    IQ低下や精子減少は総合的な目で見るしかなく(例えば晩婚化)、一概には言えないけど少なくとも「良い影響を与えることはない」ってことなんだろう。

    本書の中で度々挙げられているレイチェル・カーソンの『沈黙の春』は「感性に訴えるものの、科学書としては…」という認識だったけど、ちょっとここらへんは精査が必要かな。

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    2024年08月11日
  • タングステンおじさん 化学と過ごした私の少年時代

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     「医師」として知っていたオリバー・サックス先生が、子どもの頃は化学に夢中だったなんて!
     また、そんな先生に対して家族が寛容であったことも、先生にとってプラスの効果があったのかもしれません。

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    2024年05月24日
  • 「第二の不可能」を追え!――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ

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    科学的な記載はアベンジャーズのヴィブラニウム程度に読み流してしまったが…

    ペンローズタイルを物質の配置に当てはめたような準結晶を理論的に思いつく下り
    (科学的な読みものとしてはここが1番面白かった)

    それを現実に発見していくところ(科学者たちが連携して発見していくところが面白い。最先端の発見ってこうやってなされるのか)

    自然に生成された準結晶を捜索していくところ(あとがきにあるようにダ・ヴィンチ・コードを思い出した。ハリウッド感がすごい。人捜しの面白さ)

    カムチャッカに冒険に行くところ(また別のハリウッド感がある。理論物理学者が何をやっているのか)

    各パートがそれぞれ面白く、とんでも

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    2024年05月04日
  • 神の方程式 「万物の理論」を求めて

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    万物の理論=神の方程式は「ひも理論」であることを提示する。
    ニュートンが運動と重力の法則を打ち立てた結果、産業革命の礎が築かれた。ファラデーとマクスウェルが電気と磁気の力は一つのものだと明らかにすると、電気の革命が幕を開けた。アインシュタインや量子物理学者たちが、現実の本質は確率論的で相対的であることを示すと、今日のハイテク革命の火蓋が切られた。
    そして近い将来、四つの基本的な力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)の全てを統一する万物の理論=神の方程式への収斂がなされるかもしれない。それが「ひも理論」だ。
    実に興味深いのは、万物の理論が打ち立てられたらさぞ科学や文明の発展に寄与するものだろうと思

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    2024年04月14日
  • 生命、エネルギー、進化

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    研究者が脳で感じているスリルをこの本を読んで感じることができたのと、自分は生物学の専門知識が多少あったので、なんとなく理解したけど、ない人は少し厳しいかも

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    2024年02月20日
  • 14歳から考えたい 優生学

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    「自分たちと異なる存在」を、「劣ったもの」として捉え排除しようとする、という意思がまず原初にあり、それを「宗教的にではなく」「科学的に」正しいこととして訴える、ということのために、遺伝の仕組みを捻じ曲げて使ったのが、近現代社会における優生学、ということなのだなと改めて思った。
    そもそも、遺伝の仕組みを誤って理解していること、社会ダーウィニズム・進歩主義の誤りの部分を目的としていることなど、優生学の考えの誤り、というのはときどき反芻しておきたい。

    なお、読書感としては、「教科書だなー」という感じで、ところどころ原著の書き方のせいか翻訳のせいか、すっと入ってこない表現のところもある。ときどきリフ

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    2024年02月04日
  • 奇妙で不思議な菌類の世界

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    菌類の魅力がたっぷり伝わる知識絵本。
    いかにもメルヘンで、きのこ!な絵と、時折コラージュのように配された写真が見ていて飽きない。
    見開き2ページが1トピックで、わかりやすい。
    菌類の生物的賢さに驚くばかり。
    わたしたち人間や他の生物を利用したり、殺したり。
    特に怖いのはゾンビきのこと呼ばれるもの。
    胞子をばらまくために蟻の中に寄生し高いところに登らせ落ちないように草木に噛みつかせる。
    いつのまにか感染して異常行動をとってしまう。
    でも、このゾンビきのこは人間には感染しないらしい。
    とりあえず、ほっ。
    監訳の白水貴さんは、あとがきで菌類へのネガティブな世間のイメージを憂いている。
    私も、きのこ、

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    2023年11月16日
  • 「生きている」とはどういうことか 生命の境界領域に挑む科学者たち

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    生物とは、という疑問にずっと答えるような実験や観察を書いた本である。筆者が科学ジャーナリズムということで、ひとつの研究を深く書いていくことはなく、多様な研究を引用して面白く書いている。
     したがって、生物学に全く興味がない学生も、あるいは高校生も面白く読むことができるであろう。

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    2023年11月09日
  • やわらかな遺伝子

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    自分的にはマット・リドレー『赤の女王』からの二作目。
    『赤の女王』がとても面白かったので。
    面白さ、とっつきやすさで言えば、『赤の女王』の方が自分的には良かったかな、と思うが、本書もとても興味深い。

    テーマは、「生まれか育ちか」。
    人は、本テーマに関わらず、二元論が大好きで2つのうちどちらかにカテゴライズしたがる。だがどちらも影響するんだよ、というのがメインメッセージ。実例やこれまでの研究結果などとともに何故どちらもなのか、といった根拠を展開していく。
    持論と書いたが、私から見ると充分に客観的で納得できる主張で、読んでいてストレスがない。
    展開される過去の研究結果や実例もわかりやすく説明され

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    2023年09月12日
  • 14歳から考えたい 優生学

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    タイトルに笑った。
    さすがに無理だろう。参考文献だけで10ページある。原書では大人向けなのに文化も歴史も違う翻訳版でなぜ「14歳」としたのか。
    終盤まで延々と100年前の欧米の事例を列挙していて、価値判断は読者に委ねられている。時系列も前後して注意深く追わないと誤解してしまう。
    世界的な地理歴史、政治経済の教養がある程度あればとても有益な内容ではあるが、これはいわば歴史の裏の側面であって、「表」の歴史をまだ習っていない(日本の)中学生にはさすがに早い。

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    2023年08月09日
  • 飼いならす――世界を変えた10種の動植物

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    科学技術の発展に伴い、文明以前の深いヴェールに覆われていた歴史が垣間見ることが出来るようになったことがわかる。
    専門的な見地からは、微に入り細に入りで素人目線には明快な答えがポンと出るわけでもない部分もあって無味乾燥に思えるところもあるが
    歴史のダイナミズムを捉える視座を提供する意味で、本作のような壮大なストーリーに耳を傾けることは有用だろう。

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    2023年06月25日
  • 「第二の不可能」を追え!――理論物理学者、ありえない物質を求めてカムチャツカへ

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    理論物理学者が、準結晶の可能性を追求するうちに、天然の準結晶の鉱物を探して、カムチャッカまで探索に行く事になった話。
    科学界の様々な問題や、常識を乗り越えて新たな発見を成し遂げていく様子は非常にスリリングである。

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    2023年01月31日
  • 神の方程式 「万物の理論」を求めて

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    重力と量子論を統合した万物の理論を探して、科学者が取り組んできた歴史から解説している。両者を統合できるのはヒモ理論しかなく、10次元,もしくは11次元がこの世界の姿かもしれないと言う事になるようだ。
    ただ、まだこの理論は完全には理解されていないと言うことなので、ある意味その事には驚きを覚える。
    万物の理論があるのか、それは何故存在するのかと言った哲学的な領域まで本では話が及ぶ。
    興味は尽きない。

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    2022年12月09日
  • 人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ

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    あちこちにぶっ飛んだカク先生のトーク




    芸術家にとって、美とは自分の作品に封じ込めたい、形なき性質かもしれない。しかし、理論物理学者にとって、美とは対称性だ。

    一般に、数学者は創意に富む新しい体系を生み出し、のちにそれを物理学者が理論に組み込む。

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    2022年11月01日