斉藤隆央のレビュー一覧
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地球崩壊の危機が迫り、人類は宇宙への長い旅路に出る。宇宙船に乗り、人々はテレバシーで交信したり好きな場所へ一瞬で移動する。宇宙人が襲来すると、真っ先に母艦の周囲にバリアを張ってレーザー攻撃を防御する。宇宙戦艦ヤマトやスタートレック、ガンダムに触発されて学者や技術者になってしまった人はどれだけいるだろう?サイエンス・フィクションを本当に「サイエンス」にしたいと真剣に考えているのは別に子供だけではないはずだ。
昔、よく友達と「もっと昔ともっと未来、どっちに生まれてみたい?」と話していたのだが、先端テクノロジー・SF好きの私は断然未来派だった。良いか悪いかは別にして、今時の子供が生まれた時からイン -
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SFなどに出てくるテクノロジーは実現可能か、という疑問を最新の物理学の現状を解説しつつ答えてくれる。ミチオ・カクは1-2年に一冊ぐらいのペースでこの手の一般向け科学書を出してくれるが、本人が一線で活躍する物理学者であり、かつ、普通に読める内容に噛み砕いてくれる。ありがたいことだ。。。・ニコライ・カルダシェフによる文明の分類(今の地球はタイプ0)タイプI;惑星に降り注ぐすべての太陽光線を利用してエネルギーを取り込むタイプII;太陽の全エネルギーを利用できる。スタートレックの惑星連邦タイプIII;銀河全体のエネルギーを利用できる。スタートレックのボーグ、スターウォーズの帝国。・宇宙エレベーター;地
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またまた、宇宙論のテーマでハンパなく面白い本が見つかった。
この本は三部構成になっていて、第一部は、現代までに発展してきた宇宙論のあらすじのまとめになっている。第二部がメインのテーマである、最新の宇宙理論としての、11次元論や、M理論についての解説。そして、第三部は、いつか消滅する運命にあるこの宇宙から、人類は果たして脱出することは可能かということについて検証をしている。
宇宙論の様々な仮説は、いずれもまだ推測の域を出ない空想的なものかと思っていたのだけれど、宇宙の始まりがビッグバンであったという「ビッグバン理論」というのは、今では多くのデータによって裏付けられた、かなり確かな根拠のある理論で -
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生命の誕生時から現在にいたる「生命史」をエネルギーの観点から説明した本。
よく詩的な表現で「生命の灯を渡す」みたいなことを言うが、まさにそれで、ある観点からすると、生命史とは、原始の生命誕生時に発生したエネルギーを化学反応で連鎖させて再生産し続けた歴史とも言えるのだと理解できた。
この「生命の灯」の正体(レドックス反応からATP生成に至る過程)や、その「渡し方」、つまり原核生物と真核生物の分岐(ミトコンドリア革命)を含めた生命の進化について、ドキュメンタリーみたいな筆致で描かれていた。ただ、化学や生物のリテラシーが乏しい私からすると、生成AIに聞きまくって、やっと概要を掴めた程度だったので -
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量子超越とは、量子原理を活用するコンピュータが、現行のデジタル式コンピュータではほぼ不可能(天文学的時間がかかるなど)な課題を解消できる能力を持つことを指す。デジタル式では2値(0か1)しか取り扱えない制約が足かせになるが、量子コンピュータではあらゆる値を取りうる不確定な特徴が強味になる。その原理を解説する内容を期待すると裏切られる。本書の主眼は、量子コンピュータがデジタルコンピュータの制約を解き放ち、これまで諦めていた、どんな問題が解決できるかを列挙している。生命発生の謎、光合成の仕組み、食糧問題、難病と創薬、老化、温暖化、宇宙など幅広い領域で、画期的な活躍が期待される。問題は、生きている間
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量子コンピュータは現在のスーパーコンピュータに比較できないほどの速さを持つ量子が半導体とは違い0/1以外の無数の状態を取れるため無限の計算速度を理論上持つ。その機能を利用して、組み合わせが現在のコンピューティングの計算能力では爆発するとみられるDNA/たんぱく質、気候、宇宙、をAIを使って読み解くことができるようになる。一方技術的には原子の振動をそろえなければならず、現在は絶対零度に近いところまで下げて安定性を高めるのがポイントとなり難しい。超電導-極低温、イオントラップー磁場で揃える、光量子、シリコンフォトニクス、トポロジカル、量子アニーリングといろいろあり、デファクトと呼べるものはない。