あらすじ
金融、医療、IT、エネルギー、そして宇宙ーーあらゆる分野で革命が起きる!
グーグル、IBM、マイクロソフトらによる熾烈な開発競争が勃発している「量子コンピュータ」。
従来のコンピュータ は「0」か「1」で情報処理をするが、量子コンピュータは「0」と「1」の「重ね合わせ」により複数データの並列処理ができるようになり、スーパーコンピュータの100 兆倍もの高い計算能力をもつ。従来のコンピュータの限界を超える「量子超越」が実現すれば、現行のいかなる暗号技術も解読されるようになり、国家機密や金融界にまで甚大な影響が及ぶことが見込まれるという。
複雑な化学プロセスを原子レベルで解析しうる量子コンピュータを用いることで、バッテリーの性能の向上や人工光合成が可能になり、エネルギー分野に革命がもたらされるほか、農業、医療、AI の分野に応用することで、現状の技術的な限界が突破され、新たな境地に達すると予測されている。
さらに、理論的な研究についても量子コンピュータによってブレイクスルーが起こることが期待されている。量子コンピュータは核融合の問題点を解消し、やがては太陽やブラックホールも含めた宇宙についての謎を解き明かすことができるのではないだろうか……。
そう、量子コンピュータは、「人類の運命を握っている」といっても過言ではないのだ。
物理学の世界的権威であり、量子論の研究に生涯を捧げてきたミチオ・カク博士が、量子コンピュータの科学的仕組みや、白熱する開発競争、そしてワクワクするような未来を解説する。ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー!
【内容】
第1部 量子コンピュータの登場
第2部 世界の問題を解決する
第3部 量子医療
第4部 世界と宇宙をモデル化する
エピローグ 量子の謎
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
量子コンピュータの歴史は決して浅くなく、実用的ではなくとも利用されている場面が出てきたのが最近というだけで、まだまだ知りたい事が出てきました。
量子の次は暗黒粒子とかになってしまうのかな、なんて想像したら面白いですね。今ある謎を解明するきっかけとなるコンピュータになって欲しいなと思います。
Posted by ブクログ
量子の可能性にワクワクした。
まだ未解明の問題が山ほどあり、それを量子コンピュータで解明できる可能性を説明しており、自分では想像できなかった未来を見ることができた。
Posted by ブクログ
現時点では夢物語なのは百も承知だが、量子コンピュータの圧倒的な可能性にワクワク感を覚えた。
本書では量子コンピュータのさまざまなシーンでの活用が語られているが、中には今まで不思議と気付けてなかった事象…光合成で光をエネルギーに変換する化学プロセスなど…を知れて面白かった。
Posted by ブクログ
非常に面白い本。
現在の様々な問題を、取り組んできた人類の歴史と、その問題に対する量子論(量子コンピュータ)の可能性を教えてくれる。知識に必要以上に深掘りすることなく、興味深いエピソードも交えて最後まで飽きさせることはなかった。
いずれ多くの問題は量子コンピュータが解き明かしてくれる。ただし犯罪に使われれば世界はカオスになる。
デジタルを大きく上回る量子コンピュータを使うのは、結局人間であり、問われるのは良心。戦後長らく続いた、持つものしか報われない世界という過ちを繰り返して欲しくない。
Posted by ブクログ
前半は量子コンピュータの原理について。シュレディンガーの法則など、わかるようで根本的にはわからない。。後半は量子コンピュータにより実現しうることの説明。特にバイオテクノロジーのパートは私にとって馴染みもあり、夢があって面白かった。科学やテクノロジーの発展に一番重要なのは妄想力だと思う。
Posted by ブクログ
材料工学、医療、宇宙のモデル化など、量子コンピュータが技術を一気に加速させる分野を、最新の研究成果を紹介しつつ、幅広く、かつ、深く解説している。
また、電池と石油のエネルギー効率の違い:1kgの電池に溜め込めるエネルギーは200W/hなのに対し、1kgのガソリンに溜め込めるエネルギーは12,000W/h、など知らなかった事実を歴史的ストーリ:エジソンとフォードがどちらのエネルギー源が未来を作るか賭けた、を交えて紹介している。
気になったのは、古典コンピュータが苦労する全ての問題を量子コンピュータで解けるという印象を与える書き方だ。例えば、SNSを分析して、「息ができない」とか「匂いがしない」といった投稿を分析して、パンデミックの予兆を検知するとい例が紹介されている。が、これは通常のビックデータ分析の領域の話で、分子のメカニズムをシミュレートしたり、RSAのクラッキングのように複数の解を仮想的に並列処理により探索するという量子コンピュータの売りが、どのように活きるのかは、自分には理解できなかった。
Posted by ブクログ
量子力学の原理と量子コンピュータがもたらす無限の可能性について紹介した本。結局のところ世界の問題のほとんどは、実験すべきパターンが膨大すぎて全てを試すのに現実的な時間では完了しないという問題に還元でき、それを量子コンピュータの並行性によって解決できると読み取れた。
Posted by ブクログ
①重ね合わせ②からみ合い③経路積分④トンネル効果
ワクワクするような未来が待っていると感じたと同時に理系を選択できなかった自分に後悔した。ただ、まだそれに関われる機会があると信じ、日々暮らしていきたい。
Posted by ブクログ
ミチオ・カク博士による量子超越のその先についての本。量子コンピュータに至るまでの物理学史から始まり、さながら先端科学の見本市のように量子論の適用範囲の拡がりが語られる。分子生物学から量子生物学、エネルギー、医療、農業、気候変動、そして宇宙と、量子が織り成す世界ゆえに量子コンピュータで解明が出来る可能性がある事実にワクワクさせられる。並行宇宙といったまるでSFのような世界がすぐそこまで来ている。
Posted by ブクログ
量子コンピュータが全ての問題を解決してくれる、そんな夢のような話が描かれている。
筆者の本には信頼を置いて読んできたが、さすがにこれは書き過ぎではないかと感じた。
理解できない世界ではあるので、もし本当に実現されるなら素晴らしい事で、そうなることを祈りたい。
Posted by ブクログ
電気信号のオンオフ、1と0で計算している現在のPCにくらべ、量子コンピュータは原子から情報を得る。無限に表現できる原子の向きなどを利用して、素早く同時にいくつもの計算やシミュレーションが可能となり、現在のコンピュータの計算能力をはるかに凌ぎ、不可能と思われていたことの解決に役立てるのではないかと考えられている。本書では医学や宇宙についてフォーカスされていたが、可能性は無限だと思った。
Posted by ブクログ
量子超越とは、量子原理を活用するコンピュータが、現行のデジタル式コンピュータではほぼ不可能(天文学的時間がかかるなど)な課題を解消できる能力を持つことを指す。デジタル式では2値(0か1)しか取り扱えない制約が足かせになるが、量子コンピュータではあらゆる値を取りうる不確定な特徴が強味になる。その原理を解説する内容を期待すると裏切られる。本書の主眼は、量子コンピュータがデジタルコンピュータの制約を解き放ち、これまで諦めていた、どんな問題が解決できるかを列挙している。生命発生の謎、光合成の仕組み、食糧問題、難病と創薬、老化、温暖化、宇宙など幅広い領域で、画期的な活躍が期待される。問題は、生きている間に、こうした成果がみられるのか、その難しさは半端でない。
Posted by ブクログ
量子コンピュータは現在のスーパーコンピュータに比較できないほどの速さを持つ量子が半導体とは違い0/1以外の無数の状態を取れるため無限の計算速度を理論上持つ。その機能を利用して、組み合わせが現在のコンピューティングの計算能力では爆発するとみられるDNA/たんぱく質、気候、宇宙、をAIを使って読み解くことができるようになる。一方技術的には原子の振動をそろえなければならず、現在は絶対零度に近いところまで下げて安定性を高めるのがポイントとなり難しい。超電導-極低温、イオントラップー磁場で揃える、光量子、シリコンフォトニクス、トポロジカル、量子アニーリングといろいろあり、デファクトと呼べるものはない。
そのほかのところは何が計算能力の高いコンピューティングで必要なのかという話で量子コンピュータ自体の話は薄い。
Posted by ブクログ
量子コンピュータの本というより、未来学概論みたいな印象を持ってしまった。
「量子コンピュータでこんなことができるかもよー」と色々羅列しているのだけど、なぜできるかはほぼ踏み込まず。夢は膨らむけど知的好奇心は満たしきれない内容だった
Posted by ブクログ
●2025年5月26日、東京大学・書籍部にあった。セッションで寄った日。
●2025年10月3日、池袋ジュンク堂本店にあった。表紙に惹かれた。また出会った。
Posted by ブクログ
“量子コンピュータ”
って何?! と言う疑問から読み始めた。
従来のスーパーデジタルコンピュータの性能をはるかに凌ぐものであるらしい。
生命の謎を解き明かし,難病の治療,不老不死も人口爆発や食糧難,エネルギー革命ももたらす。
夢のような世界が開けるらしい。まるでSFの世界だ。眉唾物だとも思いつつ まんざら嘘でもないらしい量子コンピュータ。
結論は 量子コンピュータの仕組みはよく分からなかったが、なんでも解決してくれるコンピュータの様だ。いつ出来るのかな地球の救世主。