中西輝政のレビュー一覧

  • 本質を見抜く「考え方」

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    国際政治学者による、わかりやすい表現で書かれた、考える際のアドバイス

    イギリスでの生活や歴史を学ばれたことによって培われた教養が滲み出ていてとても興味深く、もっと色々な話を聞いてみたくなった。

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    2024年11月07日
  • 偽りの夜明けを超えてⅠ 「冷戦終焉」という過ち

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    冷戦後から2020年に至るまでの特に日米中ロの情勢の推移がわかる。

    【概要】
    ●2010年代の日米関係、日中関係
    ●日本の衰退、平成の「失われた30年」
    ●2020年代の世界秩序
    ●新しい現実主義

    【感想】
    ●冷戦後の世界秩序についてまとめられている。著者が持つ日本の危機感がよくわかる。
    ●著者の前著から引用部分のみが書かれているなら読みやすいが、所々に書名で書かれている点が読みづらく残念である。
    ●書かれている危機を脱しなければならないのはよく理解できる。そのためには若い人たちに教育しなければならず、その機会を設ける必要があると感じた。既に歳を取って自分の考え方が確立した政治家や官僚に言

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    2023年10月16日
  • 日本人が知らない世界と日本の見方(PHP文庫) 本当の国際政治学とは

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    最後の方で「日本は大国側の国」という記載がある。
    たしかに過去の歴史では大国としての尊厳を持っていたような気がする。
    でも今はなぜ「大国」でないといけないのかすらわからなくなっている。アメリカの指示に従うことに何の不満も感じていない人も多いのでは?
    他国に侵略されても生きていればいいって平気で言うよね?
    そもそも何故2位じゃダメなんですか?
    何故第3グループじゃダメなんですか?
    もうみんなわからないんじゃない?
    本当に悲しいけど。

    でもやっぱり誇れる国であって欲しいよ。

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    2023年02月12日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    ネタバレ

    対談集。
    著者 : 半藤一利 中西輝政 福田和也 保阪正康 戸高一成 加藤陽子
    さまざまな視点から、太平洋戦争について、どんな経緯で、誰がどんな動き・発言をしたか、などを語り合う。
    読んでいると、果たして、どうして、あんな戦争が起きてしまったのか(止められなかったのか)、やめられなかったのか、いったい、どれくらいの方が亡くなられたのかと思うと、いたたまれない。
    「なぜ負けたのか」というより、勝ち負けよりも、なぜ戦争を始めてしまったのか、もっともっと検証していかなければならないと思う。

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    2023年01月21日
  • アメリカ帝国衰亡論・序説

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    2023年の今読むには少し遅いかなと思ったが、遡って答え合わせもできるので、正しかった主張の根拠を確認できるという二度美味しい読書。時代に流されぬ不変的な教養も学べる。

    本著の主題は、アメリカが相対的に弱体化しているという事。そもそも核を持つ国に軍事行動は取れないし、長距離砲による米軍への被害なども想定すれば、北朝鮮に対する強硬策は無い。ローマ帝国の衰亡要因の有力な説は、世界各地の辺境戦争に繰り返し介入したからというもの。アメリカも同様な状況にあり、手の引き方も難しい。そうこうしていると、中国によるパクスシニカが進む。

    アメリカの建国の振り返りと歴代為政者によるキリスト教の関係性が特に興味

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    2023年01月09日
  • 本質を見抜く「考え方」

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    ネタバレ

    中西輝政氏によるまさに考え方の羅針盤となる良著
    基準を作る。明確化を進める。


    メモ
    ・自分をまず知ること。そのために鏡となる敵を知ること。
    ・必ず言葉にしてみること。なんとなくではなく、表したい言葉を探す。自らのオリジナリティは考えを言葉にすることでしか、だすことはできない。
    ・仮説を立てる。基準をたてることで他の考え方が明瞭に見えてくる。言い切りで仮説をたてる。そうすることで情報に対する感度が高くなる。 
    ・最初に得た直感を思い出す。
    ・難しいものを優しい言葉で表現、言語化してみる。真の理解につながる。
    ・三つのセオリーを当てはめてみる
     作用反作用、慣性、鹿威し。
    ・問題を三つの要素に

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    2021年07月04日
  • アジアをめぐる大国興亡史 1902~1972 中西輝政古稀記念論集

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    第二次大戦前にアメリカとイギリスが対立関係にあった。
    一枚岩のように見える2国間関係もそのような時があった。
    第一次大戦でアメリカから借金をして戦争を継続したのがパックスブリタニカの終焉につながる。

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    2021年02月07日
  • 情報を読む技術

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    2011年1月の作品。民主党政権で鳩山内閣から管内閣へと移行し、国内政治はもとより国際関係が混迷を深めていた時期。国際政治学者として英国を中心に歴史を振り返りながら、日本の政治家の情報に対する感度、扱い方、それに基づく戦略の立て方を鋭く批判している。
    一般人に向けては、マスコミや政府の出す情報に対しての姿勢、すなわち、情報を出す側の意図を読むことや、同じ事象を扱った情報でも複数のリソースにあたることの重要性など、具体的な情報の扱い方を示している。
    少し事例は古くなったが、情報に対するリテラシーを振り返ってみるにはよい作品と思う。

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    2020年11月04日
  • 情報亡国の危機 インテリジェンス・リテラシーのすすめ

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    インテリジェンス研究の重要さを知ることができました。
    また、海外と比較し、日本の研究が遅れていることが分かり、読んでいて悲しくなってきます。

    著者がしきりに主張している、「インテリジェンス・リテラシー」を高めることが、今後の国際社会を勝ち抜くために必須であると感じました。

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    2020年06月23日
  • 日本人としてこれだけは知っておきたいこと

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    2014年の夏休み図書として購入。
    以前より国際関係分野で著名な中西氏の視点での日本人論を読んでみたいと思っていたのだが、予想通り、従来の歴史学的・比較文化的アプローチとは違った切り口での持論展開で非常に興味深く読むことができた。

    多くの歴史家や学者が指摘するように、やはり本書においても大東亜戦争後に大きく日本の姿が変わってしまったというところを基軸に論考が展開されるが、論点が面白い。

    まずは何故日本人は戦前を全否定するようになったのかという問いかけを出発点に、いかにして戦後に三大勢力(GHQ、左派マスコミ・知識人、霞が関官僚)によって日本の姿が歪められたのかということについて持論が述べら

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    2020年01月29日
  • 日本人として知っておきたい世界史の教訓

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    著者があとがきで述べている通り、前半の英米についてと後半の日本に関するパートで、大きく流れが異なる。
    ただ、英米とビジネスをしていく上で、理解しておくべきコンテクストがとても良い。

    英国は
    早く見つけ、遅く行動する
    粘り強く主張し、潔く譲歩する

    日本は
    仰いでは 天に恥じず、
    伏しては 地に恥じず

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    2019年12月07日
  • 日本人として知っておきたい世界史の教訓

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    冷戦の継続、共産主義と英米の台頭など、なかなか面白い観点で、世界はこのように動いてきたというのが興味深い。日本にはこのように、長期にわたって国をどうするか、というビジョンが無く、表面的な部分のみで世間が騒ぐので、この新たな段階に入った世界の中で、“日本“をどう守るか、など真剣に考えていかないといけない、と、自分の考えを見直すいいきっかけになった。

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    2019年11月16日
  • 日本人として知っておきたい世界史の教訓

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    世界の覇権は18世紀初めにイギリスが、その後アメリカが握った。両国は同じアングロサクソンであり、アメリカだけを見ていては、その本当の強さの理由がわからない。

    イギリスが世界の覇権を握るため、特に注力したのは「海洋覇権」の確立。自国の船だけでなく、他国の船の安全も保障。この「航行の自由」により、どの国も覇権を受け入れた。
    こうした「自由と開放」の論理が、アングロサクソンの覇権の核心。

    アングロサクソンの特徴として「偽善」がある。皆の利益を尊重するように見えて、実際は自らの利益の最大化を図る。普遍的な価値観をことさら強調し、そのことを隠す。奴隷解放宣言などがそれにあたる。

    「パックス・ブリタ

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    2019年07月20日
  • チャーチル名言録

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    星4個としたが、5個に近い4個の評価。
    文字が大きく、一瞬内容の薄い本かと思ったが、名言録のページにあわせた文字サイズだった。そう考えると妥当な構成。
    読み始めは、チャーチルの生涯に関する記述が薄く、発言の背景を理解する上で不十分じゃないかと思ったが、これも最後に概略が示されていた。
    全部読み通すとなるほどという感じ。
    チャーチルの残した言葉については、いずれも納得の内容。読まれるヒトは、是非英語で掲載されている原文も読んでほしい。翻訳では埋もれてしまっているリズムや言葉の選び方がよく伝わってくる。

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    2018年12月27日
  • 本質を見抜く「考え方」

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    全てのものの見方、考え方は正しい自画像を出発点にして始まる。
    そして相手、敵を正しく認識する。
    敵との対比で自分自身をよりよく知ることも出来る。
    正しい判断のためには、しばらく答えの出ない宙ぶらりんの状態に耐えることが必要。

    考えを必ず言葉にしてみる。
    自分なりの仮説を立て、結論を出してみる。
    最初に得た直感を思い返す。

    難しい話をやさしく話す。
    行動しながら考える。

    答えより、考え方の重要性を知る。

    何か問題を考える時、違う立場の意見を読んだり、聞いたりしてみる。あえて外に立ち、大局的に問題を見てみる。

    迷いは将来への素晴らしい投資と捉えて、迷うことから逃げない。

    自分に都合のい

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    2018年12月05日
  • 情報を読む技術

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    ネット上の情報は真偽を慎重に読むことが必要である。
    公的機関発表のものでも気を付けなければならない。
    ある情報に接したらまずは悲観的にとらえてみる。
    そして色々な可能性を考える。考えれば考えるほど情報を読む精度は上がる。
    分かりやすい情報と並んでみんなが言っている情報にら警戒しなければならない。
    外交では情報が大変重要な役割を果たしていることを再認識した。
    その他の面でも情報はとても重要であるのでこれからもよく考えていく。
    短い章立てで読み易い。

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    2018年11月23日
  • 日本人が知らない世界と日本の見方(PHP文庫) 本当の国際政治学とは

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    "近代の国際社会では、どんなことが起こってきたのかを、アングロサクソン的な思想体系から読み解く。
    自分の中で、良い気付きとなったところをメモしておく。

    「現実主義」とは、「自分はあえてそれを選ぶという姿勢」であり、起きてしまった出来事を容認するものではない。

    共産党宣言
    国家と革命
    ソンムの戦い
    西洋の没落
    構造革命
    大東亜戦争肯定論
    文明の衝突
    国家の主権とは?
    パクス・ブリタニカ
    パクス・アメリカーナ
    坂の上の雲
    歴史の終わり"

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    2018年10月20日
  • 日本人として知っておきたい「世界激変」の行方

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    現在の世界情勢について、歴史も踏まえながら論じている点がダイナミックでおもしろい。

    世界は、3つの勢力の三つ巴になっている。
    ・オールド・グローバリズム:グローバル化を主導してきた大手金融機関や投資家、メディア、既成政党。テロや保護主義、極右排他勢力が生まれることを懸念し始めていた。
    ・アンチ・グローバリズム:グローバリズムによって、職を失ったり薄給を強いられつつある人びと
    ・ネオ・グローバリズム:金融規制などに反対し、一層のグローバル化の推進を主張するヘッジファンド、IT業界、ネオコン。無国籍で、徹底的に自己利益のみを追求する。
    ネオ・グローバリストが、処々の規制を食い止めるために、敵の敵

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    2018年10月31日
  • 日本人として知っておきたい近代史(明治篇)

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    日本人としての精神を持つという観点から選んだ、幕末から明治の政治家7人の生き方を紹介。明治の人が誇り高く、国のために私心なく仕事をしたのは、江戸時代に培われた日本人としての精神の賜物であるというのは、なるほどという視点。司馬遼太郎の小説の影響で、特に乃木希典などは低評価が定番になっているが、もっと違う観点からも歴史と人物を捉える必要があることを再認識させられた。

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    2017年10月23日
  • アメリカ帝国衰亡論・序説

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     長いことアメリカに住んでいると、アメリカに根付いている階層意識、階層差別というのが良く見えてくるそうである。自由の国アメリカ、一文無しからでもビックになれるアメリカンドリームというのはどうやらまやかしのようだ。先日渡米したピースの綾部、大丈夫か? 才能うんぬんより、やっぱり日本人ということで見えない差別の壁に跳ね返されるんじゃないか…

     過激な発言でアメリカファーストを繰り返すためオバマ前大統領とは違う路線だと思われているが、著者によれば、実はトランプはオバマ路線の誠実な継承者らしい。
     オバマは世界の警察官をやめた。トランプはアメリカファーストを掲げている。表現は違えど、二人ともアメリカ

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    2017年10月12日